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生存率5%以下の大病を経験した話 完
退院松葉杖をつきながら、数十メートルは歩けるようになり、お風呂もトイレも自分で出来るようになった頃、退院して自宅に帰るか、リハビリ病院に転院してもう少し入院するか悩みました。
未だ自分の身の回りのことは手伝ってもらわないと不安が大きく、もし転倒したりして骨折したら本当に寝たきりになってしまいます。
退院して自宅療養
家族に負担はかかるが、自分は淋しくない。お金もかからない
リハビリ病院に転院
生存率5%以下の大病を経験した話③
再手術大動脈解離の手術は15時間かかりました。
胸骨を割って開いて、人工血管に置換する手術です。
執刀してくださったのは、横山先生 横手先生 黒田先生です。たぶん
患者はまさしくまな板の上の鯉状態で、後から教えてもらった情報で知りえた先生です。命を救っていただきありがとうございました。
手術後目覚めてから、意識はあるのですが反応できません。緊急で手術をして、なんとか命をつないだのですが②で
生存率5%以下の大病を経験した話⑩
働く人病院に入院していると、時間はゆっくりと流れます。
今まで、大きな病気などしたことなかった私ですが、入院して本当に多くのことが見えてきました。一番びっくりしたことは、働く人の多い事です。
医師や看護師さんはもちろんの事、私の入院していた病院は、トイレなど水回りを掃除する人、シーツを変えに来てくれる人、床を掃除する人、カーテンや蛍光灯を交換してくれる人、分業がされているのだとものすごく関心し
生存率5%以下の大病を経験した話⑨
リハビリ私の姉は、東農地方の病院で理学療法士をしております。
弟の病気を知った姉は、「死んだな」と思ったと言っていました。
姉は毎日、今でも手術から何日経ってるのか、カレンダーに印を書いています。
とても難しい病気だし、予後のケアが難しいと言っていました。
「姉だから、はっきり言ってあげる」
「一年後、生きているか難しいし、回復しても車いす生活になるか」
「一番良くて、杖をついて足を引
生存率5%以下の大病を経験した話⑧
人工透析一般病棟に移っての治療は、毎日午前・午後のリハビリと、二日に一回の人工透析です。ICU-AWという状態のようで、筋肉がドンドンたんぱく質分解され、体外に排出されてしまいます。その量が多すぎて、腎臓がびっくりしてしまって機能停止しています。なので、その能力を補助してあげるように透析をするのだと説明してもらいました。
これから一生透析をすることになるのでしょうか?
まずは、一般病棟に移っ
生存率5%以下の大病を経験した話⑦
ICUの光と影ICUの看護師さんには本当にお世話になりました。
食事がなかなかできなく、ずいぶん時間がかかっていましたが、根気よく付き添ってくれていた大野さん。これからのことを心配して、生活のアドバイスもしてくれた横山さん。娘の脱臼癖を治してくれていた森さんの奥さんもICUにいらっしゃって、世間は狭いものだと感じました。他にも多くの看護師さんに助けていただきました。
日中は薬の準備、確認作業。
生存率5%以下の大病を経験した話⑥
母親(おかん)母親が死んでから19年になりますが、一度も夢枕に出てきたことは、ありませんでした。その母親が怒った顔で、親指を立てた状態で
暗闇の中「目くそ!」って怒っています。
おかげで、川の向こう側に渡らずにこちらの世界に戻ってこれました。
特に夢を見たわけでも、感動的な再開をしたわけでもなく、ただただ母親に𠮟られて目覚めました。
小さいころに母親に叩かれたりはしませんでしたが、顔の前
生存率5%以下の大病を経験した話⑤
治療開始足の手術から二日後 本格的な治療が始まりました。
相変わらず、お城のような沢山の機械に囲まれながらですが、少しずつ回復に向けての治療が始まりました。
2日に一回人工透析とリハビリです。あとはいろいろな薬を左右から点滴でぶち込まれます。
透析は4~5時間かかります。気分も悪くなるし、とにかく体が冷えます。自分の血が外に行ってキレイになって戻ってくるのですが、電気毛布を使っても氷の国に
生存率5%以下の大病を経験した話④
娘 娘は中学3年生 3か月後には、高校受験を控える身です。その娘に告げなければならない話があります。それは、高校を諦めてもらうことでした。
指が少し動くようになり、意思を伝えることができるようになって、妻と今後のことを相談しました。わたしは、小さな町工場を営んでいて、仕入れ・販売・配達・メンテナンスほとんどの業務を自分一人で行っています。とても仕事を続けることは無理そうです。ですので会社をたたむ
生存率5%以下の大病を経験した話①
2019年11月5日午前9時私は大動脈解離になりました。私は岐阜の田舎で作業手袋(軍手)を製造・販売しております。
いつものように朝6時に起きて、パートのおばちゃんが出勤するまで機械を整備しながら、一人で製造を始めます。8時にパートさんが出社してくるので、そこでようやく朝ごはんです。NHKの朝のドラマを見ながら朝食を食べ、コーヒー豆を挽いて香を楽しみながら一息つきます。
工場と自宅が隣接して
生存率5%以下の大病を経験した話②
目覚めたのは、手術から3日後でした。
夢やお告げはなにもなく、真っ暗な闇の中まずは人の声が聞こえてきます。上の姉と妻が話す声が聞こえ、日常の対応を話し合っていたのようで、慌ただしい雰囲気の会話です。そして、ゆっくりとですが目を開けます。ぼんやりと光に包まれた霧の中のような不思議な空間にいるようです。
目を開けると、妻と姉が見えます。二人はまだ気づいていません。相変わらず慌ただしく話し合っている