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大量廃棄社会 アパレルの闇 中田敦彦

「とうとうやってくれた!」と思って、嬉しかったんですけど

もうだいぶ言われてますよね。

ファストファッションの闇について。

中田さんが配信したものを聴いてくれたらいいんですけど

私は補足したいと思います。


私がアパレルを始めて40年。

親の代を入れると70年、もっと前から言うと90年!

うちはずっとアパレルなんですけれども

記憶に残る限り

1970年くらいのことを言いますね。

その頃って、うちの母の仕事もものすごく忙しくって

うちの母は、服を全部作る仕事だったんですよ。

既製品じゃなくて、オーダーなんですけど

その頃は、たくさんオーダーあったのね。

なんでかって言うと、

その頃からすでに既製品っていうのは体に合わないし

そのくせ、オーダーを真似をしたような商品が多いから

みんな、自分の腕のサイズに合わない鎧みたいなものを着て

でもウエストはブカブカとかお尻は引っ張られるとか

そんなことが多かったので

服は、オーダーが主流だったんですよ。

別に特権階級のものではなくね。

その頃のお給料1か月分と、オーダーにかかかる費用は同じくらいだったんですよ。

例えば、いま月給25万円の人がいたら、ワンピース1枚のオーダーは25万くらい。

だから、今考えるとめちゃくちゃ高いんですけど

普通のサラリーマンでも、割とそういうの作ってたんですよ。

では、今と何が違っていたかと言うと

コンビニが無かったんですね。

海外旅行も無かったんです。

無いもの尽くしなんですよ。

その頃の家計簿っていうのは、賃貸なら家賃、そして光熱費。

教育費っていうのも、うちはやってましたけど

ほとんどの人が公立に行って、塾もありませんでした。

そろばんとかを習ってる人はいたけれども

ほとんど、子どもにお金はかかっていません!

子どものお洋服っていうのは、お下がりが主です。

そんな中、お母さま方は、うちの母にオーダーするんですけど

1年に頼むのが1~2枚なんですよ。

だって1枚が25万円のお洋服なんて、たくさん買えないでしょ?

どうなんだろ、最低10年以上着るんじゃないかな

「来年はコートを1着買いたいのよ」っていう生き方をしてる人が多かったです。

だから、何年かの計画のもとに、コートなら5年に1回は新調したいよね、とか。

そういうものなので、すごく体にフィットしてポケットもボタンも付いてる

細かい洋裁のものでも、予算として作れるわけですよ。

うちの母も、縫子さんを2人くらい雇ってたので、

お給料も払わなきゃいけなかったけど、成り立ってました。

現在は、多少は売られているものの、

ファストファッションだと、ボタンホールもファスナーやボタンも無く

パッと上から着ればいいだけ、というような作り。

工場さんなら、どれくらいのコストなんだろ。

そして速いですよね。

工場の服とオーダーの服の違いは

服って、縫うのに色々な技術が必要なので

ブラウス1枚を作るのに、サンプルっていうのがあって。

それを見て、工場で大量生産するんですけど

その1枚のサンプル品、つまり1枚仕立ての品を頼むのは、

やはり1万円くらいかかるんです。

そして、大量生産する工場は、分業です。

ポケットならポケットしか縫わない。

ファスナーなら、ファスナーを100枚付けてくださいって持って行くのね。

そうしたら、発注者さんが、出来上がった100枚を持って、

今度はポケットを付けてくれる工場へ持って行くんですよ。

そういう流れなんですよね。

日本製といえども、そうやって分業してるんです。

昔はね、日本工場もたくさんあったんで

分業でも、1つの工場で全部作れていたんですけどね

でも、1枚もののオーダーとなると、ぼーんと費用は跳ね上がるわけですよ。

いわゆる1970年くらいの、母のやっていたオーダーっていうのは

どの生地を選ぶか。

あなたに似合うデザインをどうするか。

そして仮縫いがあって

しつけ糸で縫ったものを、試着してもらって

サイズも全部調整するんですよ。

ちょっとでも気に入らなければデザインも多少変える。

だから、1枚の服を仕立てるのに、月給1ヶ月分くらい必要なんです。

だから、この世界に戻したいね、って

現在のアパレル業界の意識にあったとしても、

すでにそういう服を買うのは、

普通のサラリーマンでは無理って社会が構築されてるから。

できるわけもない。

それを可能にするには、昔みたいに

子どもにはお金をかけない。

美容院?そんなの1年に1度か、自分で切る

海外旅行なんて行かない

買う物は、お野菜とお肉と…

お惣菜なんて買わない。

そういうことを徹底したら、

昔の社会に戻れるかも分からないけど

それを実践したら、ものすごくレアな人になっちゃいますよね。

時代によって、レアな人と大衆が反転しちゃうって、ありますね。

傘だって、傘屋さんがあったので、

1本自分のものを買ってもらったら、2本目を買うなんて考えられないんですよね。

やっぱり、1本15,000円くらいしたんじゃないかな。

その代わり、簡単に折れたりしないし、すごくきちっとできてます。

オーダーも、その頃の布は

今で言う、布代だけで10万円はするような。

そんなすぐにダメになるような、

通気性の悪いような布は、そもそも作ってないんですよ。

布を作る工場も、ものすごく職人気質だから、

より良いものを、って作るんですけど

今、工場に求められているのは

『1円でも安く作ってくれる』、そんな要望ばっかりだそうです。

これで、良い生地で服が欲しいっていう方が無理なんですよね…

そこで私が目を付けたのは

着物ってだいたい50万円くらい

その使い古したものを、2日くらいかけてほどいて、2回くらい洗って

反物みたいに干してアイロンして

そして、リメイクっていう作業に入ってるんですね。

ああでもない、こうでもない、って作ることを

私の趣味としてやってるんですけど

これでもし私が食べていこうと思ったら

1着30万円くらいで売らなければ。

それでも、給料に直せば普通のコンビニのバイトより安くなっちゃうと思うんだけど

やってけないんですよ。

でも着物のリメイク30万円でーす!って言っても買う人いないので

私は、ものすごーく安く、1着3万円や5万円で提供しようとしてますけれども

私はほかに色々仕事があって、お金は賄えるので

あくまでも趣味の領域で、でも、私の技術を捨てないでいられるように

取り組んでいます。

オンラインショップを開いたので、ぜひのぞいてみてください。

理想を言えば、2ケ月に1回くらい作品を載せられればいいなと思っています。

いつも読んでくださってありがとうございます!

またね~!

☆コリンヌ オーダーショップ OPEN!☆


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