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「枠組み」を設定して「考える」ことを繰り返すことで、新しい価値を創造する

長い歴史もある。圧倒的な実績もある。高い技術力も持っている。

けれども、会社を取り巻く環境が変わると、これらの長所が上手く業績につながらないことがあります。時代のニーズが変わっている時には、歴史や実績や技術力をどのように売上につなげていくのか、経営者は日々頭をひねっておられます。

社会の変化に応じて、何か新しいことに取り組む必要がありますが、

売るものは?
売り先は?
売り方は?

と決めなければならないことは、たくさんあります。

この時、社長が一人で検討するのか、複数の社員も一緒に検討するのかでは、発想の展開が違ってきます。

一人ひとり感情は違うので、社長が「良いなぁ」と感じるポイントと、社員が「面白そうだ」と感じるポイントは異なります。従来は社長の鶴の一声で方針が決まることも多かったのは事実。けれども、価値観が多様化している中では、社長が「これはダメじゃない」と感じるけれど、社員が「面白そう」と感じる商品の方が売れることだってあります。

この際、気をつけたいのが、どのような「枠組み」で考えるのかを予め決めておくこと。

この「枠組み」を決めずに議論を始めてしまうと、中小企業の場合は、たいてい社長の頭の中にある「枠組み」に沿ったやり取りになります。すると、いろいろ社員から意見は出たとしても、最終的には社長の意見に収斂されていく恐れがあります。

枠組みの一つが、「お客さんには自社の商品を使って、どうなって欲しいか」ということ。この点、現場の最前線で常にお客さんと接している社員の方が、社長室の中にいる社長よりも、お客さんが商品をどのように使っているかについて、より詳細な情報を持っていることだってあります。

先日お話をお伺いした経営者の方は社員に対して、ちょっと難しいお題を出して、常に社員に「考える」ことを求めておられました。

例えば、お店で「いらっしゃいませ」とか、「ありがとうございました」とか言わずに、お客さんに感謝を伝える、という感じです。

マニュアル的に「いらっしゃいませ」というのは簡単ですが、それではお客さんの心には響きません。けれども、逆に「いらっしゃいませ」と言わずに、お客さんにお店に来てくれた感謝を示すとなると、いろいろと考えなければならなくなります。

現在はいわゆる「正解」がたくさんある時代。言い換えると、Aさんにとっては正解でも、Bさんにとっては正解ではないということがたくさんあります。つまり、「枠組み」を設定することと、柔軟に「考える」ことをセットにして、行動することが求められています。

長い歴史もある。圧倒的な実績もある。高い技術力も持っている、弊社のクライアントさん。

下請け体質からの脱却を目指して、「お客さんには自社の商品を使って、どうなって欲しいか」をまず社内で言葉として定義し、社内で共有した上で、歴史と実績と技術力を活かした新商品を開発されました。

正しい問題を設定して、皆で知恵を絞って考えることで、新しい価値が生まれます。


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