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海外ノマド、ベトナムの大学で1カ月前に契約終了を告げられ、転職活動してみたけれど…。

海外ノマドライフを送る言語学博士の私は、コロナ禍の頃から3年間、ベトナムの大学で仕事を見つけて、過ごしていた。海外で就職を希望する人もいるだろうし、海外移住、海外で暮らす、なんてことを夢見る人もいるかもしれない。
国にもよるが、私は住居をフランスとし、そこから別の国で仕事をしている。色んな国を行き来して本当の意味でのノマドライフを送っている。海外で生きるということはなかなか一筋縄ではいかない。

今回はそんな私の転職での出来事を‥・。


その日は突然やってきた


そして、そのまま仕事の契約更新をすると書類などを準備をしていたにも関わらず、契約の切れる1カ月前に
「契約更新しません。」
と告げられた。まず、ありえないことは

①大学の求人などは1年、半年前から求人募集があること多く、1カ月前に契約終了の知らせをする、ということは少ない。(と思う)。

②契約書には1カ月前にその後の契約を継続するか、終了するか決めなければならない。なので、契約的にはこの私のいた大学は違反などはしていない。

③けれど、その1カ月前までは又2年契約更新する方向で、書類なども準備していた。

特に、大学での求人は半年から1年以上先のものの募集も多いし、こんな急に契約更新しないという決断もそうだが、海外でそんなことを1カ月前に言われても…。ということもあり、私はかなり人間不信というか、この国が嫌いになりそうだった。

運や縁はひょんなところにある

契約終了、ではあるが、私にとっては仕事を辞めさせられる、という気持ちでいっぱいだった。だから、あまり周囲に言いたくないと思うのも1つの心理だけれど、私は次の道に進むために、何かどこかでチャンスがあるかもしれないと、とにかく周囲に

「1カ月後に契約終了します。」
と言いまわっていた。私はベトナムで暮らしたいわけではなく、大学での講師のポストを探していたのだが、あまりにも急に仕事たなくなることになり、心の準備ができていなったので、もう少しここにいられた方が便利かなとは思った。

すると、卒業生からある会社の仕事を紹介された。それはその卒業生が就職したベトナムの大企業での求人だった。大学での求人探しをしていたのだが、その企業での待遇は大学よりもよく、講師としても待遇は良い方だったので、とりあえず応募してみて、結構あっさり受かった。

受かったまでは順調だったが、さすがベトナム!そしてベトナム企業での就職で、いくら大企業でも、その後の雑さには、驚いた。

海外就職、駐在、現地採用、日系企業、現地企業

卒業生のお陰で、あっさり次の就職先が決まったようにも思った。契約が切れる5週間前に契約更新しないと言われ、その次の週には新しい仕事に応募し、1週間後に面接、その2,3日後には決まっていたので、かなり早い出来事だったと思う。

海外就職と言っても様々な形がある。私の場合は現地採用なのだが、現地採用でも日系企業での就職が多いという印象だ。私はこれが現地採用、現地企業なもので、仕事はあっさり決まったのだが、それから契約を結ぶのに時間がかかり、必要書類がなかなか揃わなかったりと色々大変だった。

現地採用、現地企業ということは本当に郷に入っては郷に従うという状況にいる。文化や言語が分からないこともあって、色々苦労するがそれでもそこに住みたいのか、というのは大きな決断だと思う。
現地採用でも、日系企業の方が多いと思うが、とにかく、すべてその国の生活と同じようにと、現地企業採用になるとびっくりすることが起こりすぎる。

契約書の意味は?


とりあえず、契約を結び、いったんベトナムを離れ、そしてまたベトナムのVISA待ちをしていると、会社から連絡があった。

「労働許可書を取得するのに時間がかかってしまうので、まずは契約社員として仕事を開始してください。」

契約を結んでから、契約を変えるという依頼…。契約の意味がなくなってしまう。そして、労働許可書を申請中は1カ月の契約社員(業務委託)契約。ベトナムはE VISAというのを取得すると、3カ月労働も可能で滞在できる。
しかしながら、会社の都合で労働許可証が取れないからと、契約の変更依頼、そして

「正社員なら飛行機代や保険も入れるが、契約の場合は何も出ません。」
と言う。
本当に、規則に伴ってはいるものの、会社の都合なのに、個人の都合は一切無視されている状況に驚いた。

大企業でも、すべてぐちゃぐちゃ

飛行機代も自分で払うなら、安いチケットが買いたい。それなのに、契約の関係で、予定就労日も何度も変更になり、契約書もなかなか送られて来なかった。

当初の予定は2月1日から就労の予定が、
「とりあえずオンラインでもいいです。」
とのことで、それならもう少し早く開始可能かと、相談したら、
「1月16日から」
と言われ、結局その後に
「書類が間に合わないから、1月22日から」

となった。そして、それでもいつベトナムに行かなければいけないとか、VISAのことなどもすぐに情報がなく、私はこんな状況だから、VISAは会社で取得してくえると思って待っていたら

「いつ飛行機チケット取って、VISA取ってくるの?」
と連絡がきた。

そして…1月15日にまた連絡があり
「明日から仕事だけど…連絡してください。」

と自分が所属する課の人から連絡があった。恐らく、人事と私の課の間で連絡がきちんと取れていなかったようだ。
そして、結局、課の方からは

「なるべく早く来てください。」とのことだった。

結局、ただの放任状態で、
〇自分でE VISAを取る 
〇自分で飛行機を取る
〇なるべく早く来る

となり、元々の契約の2月1日からよりも、とりあえずはオンラインでもいいので、1月22日から業務開始となった。

まだ行ったこともない会社で、すべての情報もなく、もっと言えば契約も結ぶ前に仕事が始まることになってしまった。

順番もすべてぐちゃぐちゃ

結局、契約書が何度か来たのだが、名前が間違えていたり、誰か別の人の住所だったり…とんでもない契約書がなんとも送られてきて、契約を結ぶ前にオンラインで仕事が始まってしまった。

実際に仕事を始めたのは1月22日なのに、契約書は最初にお願いされた1月16日になっていた。

もしも、日本から海外就職をする予定でベトナムに来る人が、この不安定な状態でベトナムに来られる人がどれだけいるんだろうと思った。

今の状態は
〇仕事は1カ月の契約書
〇ベトナムはE VISAで3カ月滞在可能。

ということは
1カ月後に仕事がなくなる可能性だってある。もちろん、通常の予定では3カ月はこの仕事が続くと想定できる。

労働許可証も問題なければ取れるだろう。

そうは思っているけれど、それでも、いったいどれくらいの人が、こんな
条件で
「よし!海外就職するぞ!」なんて思えるだろうか、と思うことがある。

海外就職は楽じゃない

今回の例は本当にとんでもない海外就職の例だったかもしれない。海外に住みたい人、海外就職したい人、海外に行きたい人…。色んな人がいるだろう。

私は小さい頃から海外ノマド生活をしており、定職や安定ということから程遠い生活をしている。
実はベトナムでの契約が切れた後は、フランスに戻って、以前していた仕事をしていた。だから、急に失業して途方に暮れたわけではなかった。

そして、ちょうどフランスでの仕事が終わった時と同時に、次に決まっていたベトナムでの仕事がオンラインで始まった。それが今は1カ月かもしれないが、このままでは前が見えないまま、仕事が継続する可能性もあり、とりあえず、現地に行ってしまう方が良いと思った。

自分でE VISAを取って、飛行機代もかけて、ベトナムに行くにはリスクもあるが、もしも安定を求めないのであれば、とりあえず1~3カ月の仕事ができると想定して、ベトナムへ行ってしまう方が見えるものが多い。

プランBもCも考えておく

リスクが大きいなら、プランBやCを考えておけばいいのだ。例えば、3カ月後くらいにどこで何ができるかを計画立て、次の仕事を考えておけばいい。
私は特にずっとフリーランスだったこともあって、いつも多少先の仕事などが予定に入っている時もある。

また、ベトナムだったら、実は現地にいれば日系企業も含めて多くの求人がある。特にアジアは日本人用の仕事が結構多くある。現地に行く方が情報も多いので、就職活動もしやすい。

私は絶対ベトナムで就職したいということではないので、実際の状況は異なるのだが、とりあえず現状を考えて、もう少しベトナムにいて、新しい仕事をしてみて、それが自分に合っているのか、もしくはまた新たに次の仕事を探すのか。

私の希望就職先としては大学なので、ベトナムで仕事をしながら、次の大学での就職先を探すこともできる、と思いながら、とりあえずベトナムに行くことを決めた。

海外就職はすべて自己責任

海外に行って、色々なトラブルに巻き込まれたり、私のように契約更新がなくなったり、新しい仕事の契約が明確でないときもある。同じようとは言わないが、現地採用でベトナムに来て、待遇の面や上司との関係などで仕事がなくなったり、仕事を辞めることになったり、辞めさせられるケースもある。
その場合、その人たちの希望がベトナムでの就職であれば、そこから色々就職活動をして、新しく仕事を探す人にも数人出会った。現地採用は意外と大変だなと感じた。特に上司がベトナム人、現地人の時は外国人である私たちには厳しい環境になることもある。

これが、駐在である場合は日本の企業から駐在できているので色んな意味で守られているし、何かあれば日本にも帰ることができる。自分で行きたい人と会社から無理やり(?)行かされた人の差だと思う。もちろん、駐在の人でも、希望して来ている人もいる。

それでも、やはり日本企業から守られている身と、自分で現地企業に入ってしまう場合では全く異なる。大学での仕事でも、日本の大学からの派遣の形、日本の組織からの派遣、JICAなどの派遣もある。この場合は待遇もそこそこ良いことが多い。

だから、シンプルに海外就職がしたい場合は、日本の組織を通して来た方が精神的にも身体的にも楽になると思う。現地の人からしたら結局、私たちは外国人でしかないのだ。

だから、何もかも、自己責任で、海外就職を決めなければならないと思う。

そこまでして海外に住みたいのか

表向きはキラキラした海外就職だったり、特にアジアの新興国はまだ物価も安いので給料が日本より安いにしても、ある程度良い生活ができることもある。
けれど、色んな意味でかなりリスクも大きいという点は否めない。それでも海外に住みたいのか…海外就職したいのか。

一生、ではなく、1年未満、2~3年ほどであれば、そこまで難しくないかもしれない。もしもずっとここで暮らそうと思ったら、VISAや労働許可証のことや、仕事の契約などで、安定した生活は送れないかもしれない。だから、それでも、ほんの数年海外で暮らしたいということであれば、とりあえず日本を飛び出すこともできるだろう。

けれど本気でその国で仕事をして生活をするということはかなり腹をくくらないといけないのかな、と思ったりするのだ。

現地採用、現地企業で学べること

それでも、学ことは大きい。その国のリアルを目の当たりにし、その国の文化や商習慣も学ぶことができる。それが将来訳に立つのかわらないのだが、今回フランスで仕事をしていた時に

「今度ベトナム行きます。」と言っている方にも会うことができた。
やはりヨーロッパよりもアジアでの海外展開の方がしやすいようだ。

だからこそ、ヨーロッパの生活も知り、アジアの国の文化も知り、そして、日本も知る…ということはそれなりに役に立つことも多いと思う。

海外在住、日本コミュニティにいる場合、その国のことを学べることが少なくなってしまう。日本コミュニティにいる方がずっと楽だし、暮らしやすい。けれど、それでは自分への学びは少なくなってしまうと思うのだ。

海外に住みたい理由にもよるが、私はやっぱり海外の国にいるからにはその国のことをしっかり学び、その国の人たちとの交流をなるべく楽しみたいと思ってしまうのだ。

そして、私がいつも思っていることはその国のために自分が何ができるのか…。自分の仕事先で自分がどう役に立てるか…。それを考えながら、その国や都市で生きている。

私の就職活動のいい加減さ、アバウトさ、おおらかさ…を紹介しながら、海外就職のリスクと覚悟を書いてみたけれど…。

海外で一人で働く、暮らすということは、意外と大変なことだと思うのだ。






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