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何がそんなに嫌なのか?アメリカ人がマスクを拒否する理由

「アメリカではそう気安くマスクをしない方がいいよ」

確かに移住前からそう聞いていました。なので花粉症である私でも、ノーマスクで花粉を浴びていました。

でもマスクしない方がいい理由については「変な目で見られるから」とか「ヤク中と勘違いされるから」とか諸説あり、根拠なし。

そしてやってきたコロナ。最初は少なかったものの、どんどんマスクをする人が街中に増え、「アメリカ人、マスクしてるw」とちょっとおもしろく見えてしまったほどなわけですが、まさかの「マスク反対デモ」が起きるとは。

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今では「さすがにマスクしようよ派」「マスク断固拒否派」「何の防御にもならない偽マスク用意して誤魔化す派」の3パターンが見られるそうです。

アメリカ人のマスク観

では、そもそもなぜそこまでしてマスクを嫌がるのか?
気になったのでその背景を調べてみました。

①マスクをするのは重病人である

日本をはじめアジアでは割と日常で目にするマスク姿ですが、アメリカにおいては病院や粉塵舞う工事現場くらい。よっぽどのことがない限りする必要がないものである、という認識とのこと。

さらに、WHOやCDCが「マスクの予防効果」について意見を二転三転させたように、そもそも「健康な人がマスクをしても、身を守る効果はない」というのが当初、当たり前だった認識のようです。

逆にマスクをしているということは、伝染病持っているとか、頭イかれている奴とか、周囲を恐怖に陥れるアイテムになってしまいます。

②ドレスコードに反する

アメリカの航空会社の一つであるユナイテッドの国内線のスタッフは

「マスクを着用しての勤務は職場のドレスコードに反するのでできない」

と答えたという。

接客場面でも失礼に当たるからマスクできない。そもそもマスクの効果を信じていないから、失礼にあたることをわざわざしない。というのが自然の流れなのでしょうか。

③顔を隠すのは犯罪者

アメリカでは、顔を隠す=犯罪者を連想させるそうです。

確かに映画やドラマでも、バンダナを鼻から下に巻いて銀行に突入していくシーンを見たことがある気がします。

銃が日常に存在するアメリカでは、そういう怪しい行為に敏感になる、というのはわかる気がします。

④顔はアイデンティティ

 「人間のアイデンティティーにとって、顔以上に重要なものはない」

インタビューの一節です。

オレンジ郡在住のグレッグ・リップフォードさん(61)は、「相手の顔が見えないと、その人と一緒にいる気がしない。人とのつながりが薄くなってしまう気がするので、一刻も早くマスクを付ける必要がなくなって欲しい」

と答えたという。

確かに、在米の方の意見を聞いていても「日本人は目で語る。アメリカ人は口で語る。」というように、表情の中で口で表現する部分が多いようです。そこを塞がれたら、自分を表現しづらいじゃないか。という理屈なのでしょう。

命よりも個性を大切にするアメリカ人。
これだけ聞くと、なんとなくアメリカ人っぽいけど、それでいいのか?

⑤マスクはダサい

マスクに対する抵抗感は、女性よりも男性の方が強いという調査結果もあるそうです。

マスクをする=「恥ずかしい」「ダサい」「弱さを示す」
といった印象。

アメリカでは日本よりも、男性の「たくましさ」を重視する傾向があるので、細くてスタイリッシュよりマッチョ。耳が隠れる髪型より、角刈り。

これは確かにあります。

トランプ大統領が断固としてマスクを付けないのも、弱々しく見えるのを嫌がるからだとか。

⑥マスクする奴はリベラル派

上記の理由もあって、トランプ大統領は頑なにマスクしませんでした。そうなると、トランプ大統領の支持者もマスクをしないことで忠誠心を示そうとするという、謎の行為に出始めます。

実際、マスクを拒否する人の多くが保守の共和党支持者だったとか。

民主党寄りのメディアが「コロナが大変」と発信する一方、共和党寄りのメディアは「過剰反応だ。風邪と一緒だ。」と伝えていく。それにより、マスク義務化なんて不必要な介入だ!自由を奪ってる!と騒ぎ立てる人が出没していく。

なので、マスクをしている=民主党支持者だ!と敵対視。

共和党支持者なのに、マスクをしていると「魂を売ってる!」とか「軟弱者だ!」と見られてしまうので、断固としてマスクをしない人がスーパーなどで大騒ぎし、Twitterなどをにぎわせました。

まさかマスクが政治信条にまで発展するなんて。

ちなみに、トランプ大統領もウォール・ストリート・ジャーナルに

「マスクをする人の中には、他者を守るためでなく、単に自分への不支持を示そうとしている者もいる」

と語ったとか。

⑦だって、不快なんだもん

確かに私も子供の時、マスクつけ始めたばかりの頃は、違和感がありました。

アメリカでもマスクする習慣なしで育ってきた人がほとんどなので、「息がしづらい」「眼鏡が曇る」「顔に自分の吐いた息があたる」などが不快。「コミュニケーションを取りづらい」という声があるそうです。

長年裸足で過ごしてきた日本人が、部屋の中も靴で生活することに違和感を覚えるのと一緒。

と比喩されていて、なるほどな、と思ってしまいました。

マスク以外にもある、アメリカ人に違和感のある習慣

日本人やアジア人にとって普通だけど、アメリカ人が信じていないものが他にもあるそうで、その一つが「ピップエレキバン」。

商品名を出してしまいましたが、「磁力で肩こりをほぐす」という考え方は、アメリカの保健福祉省は認めていないそうです。

へえー!

まあ、私も磁石で肩こり取れた実感、持ったことないですけど。

さらにもう一つ。

「漢方薬」もアメリカはまだ試す人いますが、西洋医学としては一切認めておらず、通常の医薬品流通経路では入手ができないそうです。

いや、さすがに漢方は、効くんじゃないかと。。

*****

最初は「文化の違いだね」程度にしか捉えていなかったマスクが、思わぬ形で象徴的な存在になってしまった今回の騒動。

さすがに「今だけはしろや」とか「デモはやりすぎやろ」と思いますが、少しだけ嫌がるアメリカ人の気持ちも理解できた気がしました。

歩み寄りって大事ですね!

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参考記事

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