スクリーンショット_2019-11-09_11

矛盾する行動基準で運営される会社

世の中の多くの会社には「MISSION」「VISION」「CORE VALUE」があります。

一般的には、
「MISSION」:その企業や組織が果たすべき使命
「VISION」:ミッションを叶えるための目標や戦略
「CORE VALUE」:企業の構成員が発揮するべき価値・行動基準
と言われております。

そして、本日はAmazonの話です。この「CORE VALUE」に該当するものがAmazonにもあり、「OLP(Our Leadership Principles)」と呼ばれています。

全部で14個あり(このページに書いてあるので、すべて知りたい方はどうぞ)、Amazonに勤めている人は基本、このOLPが頭に叩き込まれているので何も見なくても空(そら)で言えるし、日々の業務もこの行動基準に沿って行われているとのこと。

打ち合わせの場で議論する時にも、「その姿勢ってEarn Trust(注意深く耳を傾け、率直に話し、人に対して敬意をもって接すること)できてないよね?」とか、「本当にその施策でDeliver Results(結果を出すために適正な品質で迅速にそれを実行)できるのか?」といったやりとりが繰り広げられることもあるそうです。

ただ、この行動基準、14個もあるので時には矛盾することがあるそう。

例えば、「Invent and Simplify」。解説には、

リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、常にシンプルな方法を模索します。リーダーは状況の変化に注意を払い、あらゆるところから新しいアイディアを探しだします。それは、自分たちが生み出したものだけには限りません。私たちは新しいアイディアを実行する上で、長期間にわたり外部に誤解されうることも受け入れます。

とあります。簡単に言えば「クリエイティブなアイデア出そうぜ」、でしょうか。

しかしもう一方で、「Bias for Action」

ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すこともできるため、大がかりな分析や検討を必要としません。計算されたリスクをとることも大切です。

とにかく「スピード」大事でしょ!クリエイティブなアイデア出すために、何度もブレストするのはいいけど、どこかで切り上げてスピードでしょ!

みたいな。他にも、

「Bias for Action」だからスピードでしょ!
でも「Frugality(より少ないリソースでより多くのことを実現する)」だから、スピード高めるには、何かを捨てて、どれかにフォーカスしないと!

みたいな。これはスタートアップあるあるですね。

本当にこのパターンの会話があるかどうかは別にして、実際に議論の中でお互いが別のOLPを基準に行動して、ぶつかる、ということはあるそうです。というか、むしろそういう風にわざと作っているところもあるとか。

その場合は、いま直面している課題や進めているプロジェクトでは、どちらの価値が優先なのか、という話をして進めるのだそう。

私もコピーライターとして、企業のMISSION、VISION、CORE VALUEを考えることがありますが、運用していく上で、矛盾しない行動基準の方がよいのでは、とつい思いがちになってしまいますが、この話を聞いて新しい示唆をもらいました。

ちなみに、このOLPの主語は「リーダー」となっています。これは肩書きの話ではなく、Amazonでは全員がリーダー。すべての人が自分がリーダーであり、関わっている業務のオーナーシップを取るのだ!という姿勢で仕事と向き合っているとか。

この姿勢が徹底されているから、これだけ巨大企業になってもベンチャー精神が失われることなく、次々と革新的なサービスを生み出すことができるんですね。Amazonすごすぎ。


※最後に、このnoteはAmazonの方から聞いたエピソードを元に思い出しながら書いているので、もしAmazonの方が読んで「ここ違うんだけど」などありましたら大変申し訳ありません。個人的にすごく印象に残ったエピソードで、Amazonの組織づくりに興味が湧いた話だったので、他の方にも広く知ってほしいと思って書いています。もしご指摘いただけたら修正します。

サポートいただいた分は、私も他の方のサポートをします!懐温めません!もっと素敵なnoteがもっと増えますように!