IHとガスコンロ、結局どっちがいいの?を考えてみる。
前回は、おうちのカラーテイストについてお話しました。
今回は、おうちづくりやリフォーム・リノベーションで必ず一度はつきあたる「キッチンはガスとIHどちらにするのか?」問題についてお話してみたいと思います。
注文住宅やリフォーム・リノベーションでは、ガスとIHが好みで選べることが多いと思います(IHを選んだ場合に多少の金額アップはあるかもしれませんが)。
一方、新築分譲マンションでは標準はガスコンロだけど、有償オプションでIHに変更できる物件が多いです。
また、マンション全体の電気容量の振り分けの問題で、すべての住戸でIHを選べるわけではなく、特定のタイプ・住戸のみIHに変更可能という物件もよく目にします。
私が仕事で接しているお客様を見る限りでは、IHが有償ということもありますが、ガスを選ばれるお客様の方が多い印象があります。
今のおうちでIHを使われている方は、新居もIHにしたい!という方が多いです。
IHを選ぶ理由としては、「お手入れがラク」「火が危なくない」というご意見がダントツです。
IHは五徳がなくガラストップがフラットなので拭きやすい、火力・温度調節もボタンにお任せでできるのが支持される理由だと思います。
年配の住み替えのお客様では、「年取ったらIHにしておいた方が危なくないですよね」とIHを選ばれる方もよくいらっしゃいます。
一方、ガスを選ぶ理由としては、「火が見える方が安心感がある」「IHは使ったことがないからよくわからない」「IHにしたらお鍋を買い替えないといけないし・・・」というご意見をよく聞きます。
IHがボタンで火力調節ができるのに対し、自分の目で見て火力がわかる安心感があるのがガス。機械を信じるかどうかみたいな論争ですね(笑)
両方の意見をまとめると、「やっぱり使い慣れているから」ガス派と、「一度使うと便利さがわかって変えられない」IH派という感じでしょうか。
IHは、2000年代になって、オール電化のマンションや戸建ができたのと同時に急速にメジャーになった印象があります。
その広がりが止まったのが2011年の東日本大震災。
東京でも計画停電があったりして、オール電化よりも、やっぱり電気とガスが両方あった方がいいとオール電化の人気が止まったように感じられました。
大きな地震があった時、電気が止まるくらいの災害ならガスも止まってしまうと思われます。
そして電気よりもガスの方が復旧には時間がかかるようなので、大きな地震への備えに関しては、ガスもIHもどっちもどっちだと思います。
ただ、都市部の住宅で災害に関して考えるならば、ここ数年、毎年夏の終わりに大きな被害をもたらす台風への備えではないでしょうか。
つい先日の台風10号でも見られた「台風による停電」でIHは使えなくなってしまうことは、IHを選ぶデメリットと言えるかもしれません。
台風の場合は(住宅自体は無事なことが前提ですが)停電してもガスは使えることが多いので、お湯も沸かせるし、作れる食事の幅もかなり広がります。
IHを選んだ場合は、カセットコンロの常備がより一層必要となるでしょう。
災害への強さに関しては、ガスに軍配が上がるかなと思われます。
最終的には「好みの問題」になりますが、まとめると以下のようになるでしょうか。
・お手入れ
ガス < IH
(五徳がなくフラットな分、IHの方が拭きやすい)
・使い勝手
ガス ≒ IH
(ガスは火が見える安心感、IHは火がない安全と火力・温度調節のしやすさ)
・災害時
ガス > IH
(住宅自体は無事な場合、台風などによる停電にはガスが強い)
このようになるかなと思われます。
ご参考になれば幸いです。
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