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「価値がない」と言われたあの日

先日受講した研修で、いくつか大きな気づきを得られたのですが、その一つが「自己評価が低い」というものでした。

それ以来「なぜ自分は自己評価が低いのか?」を考えるようになったのですが、大きくは以下の2つが影響しているのではないか、と捉えています。

■ごう慢な人が嫌い
■「減点方式」中心の日本の教育

ごう慢な人が嫌い

別の記事で、ごう慢な人の心理についてまとめさせて頂きました。

僕はごう慢な人を見ると「かっこ悪い」「恥ずかしい」「ああはなりたくない」と思ってしまいます。一方で、自分に対しても「ごう慢になっていないか?」と受け手のことを考えて発言するようにしていますが、受け手の感じ方によっても違うので、自分の発言や態度がごう慢に思われてしまっても仕方がありません。ただ、少なくとも「謙虚さは忘れずにいよう」と心がけています。

ごう慢な人は基本的に「自己評価が高い」と思われます。ただ、ごう慢な人たちも実は深層心理では自己評価が低く自信がないために、ごう慢に振る舞って自分をよく見せようとしている節もあります。そうした人たちを見て、反面教師として自分は謙虚でいようと心がけているため、それが自己評価を低くしてしまっている面も否めません。

「減点方式」中心の日本の教育

減点方式とは

理想の自分を掲げて、理想の自分を100点満点として失敗するごとに点数を削っていく評価方法

とされています。

減点方式が染みついてしまっていると、自分のことも他人のことも減点の積み重ねで評価してしまうため、失敗をする度に評価が下がっていき、成功しても評価を上げにくい仕組みや心理状態が確立されてしまいます。

親や学校の先生もそうでした。おそらく彼ら彼女らも減点方式の教育の中で育ってきたと思いますが、その教育の中で自分も育ちました。ただ、僕の場合は、教育に減点方式と加点方式があることを知ったことで、少なくとも他人については減点方式や加点方式という評価方法を採用することはせずに、フラットにその人が行っているアクションやアウトプットに対して良し悪しを判断するようにしています。

しかし、自分に対しては「減点方式」が強いのでしょう。物事がうまくいかず失敗してしまうと、自分への評価がダダ下がりします。

元々自分を減点方式で考えがちなところはあったかもしれませんが、以前に所属していた会社では特に求めるパフォーマンスやアウトプットの品質が高いために、極度な減点方式による従業員トレーニングを行っていました。その頃の考え方が今でも染みついているために、必然的に理想の自分を掲げ、そこに向けて減点方式で今を評価してしまっているのかもしれません。

そんな自分にしてしまった最たる出来事が、この記事のタイトルにも書いている

「価値がないね」

という当時の上司の一言でした。

少し経緯を話すと、ある会議に参加していました。翌週、お客様に提出する資料をブラッシュアップするためのディスカッションが目的です。自分を含めて4人参加している会議において、あるメンバーは作成したたたき台の資料を説明し、残りの2人のメンバーもその資料に対して異論反論も交えながらディスカッションが進みました。

そして、その会議が終了した後、残り2人のメンバーの一人が上司だったのですが、上司から「このミーティングでの価値はないよ。」という指摘を頂きました。どういうことかというと、他のメンバーは異論反論も交えながら資料のさらなるレベルアップを図ることに貢献しているのに対して、自分は単に他者の意見に「同調」しているだけだったのです。うなずくか「そうですね」と同調するのみ、たまに別の表現で資料に書かれていることや他のメンバーが発言したことを言い換える場面もありましたが、それも結局同調に過ぎません。

もしその会議が、自分と同じように同調するだけのメンバーで構成されていたらどうなっていたでしょうか?資料は全く修正されず、会議を開催することすら意味がなかったかもしれません。その資料はお客様に提出するものであり、その資料で説明されることを通じてお客様に行動や変化を促すことにもなるため、僕の同調だけのアクションは自組織への貢献のみならず顧客への貢献で考えても価値がなかった、ということでしょう。

「価値がない」というフィードバック自体は、私は今でも記憶に残っていてその後ずっと意識し続けることとなり、成長のきっかけをくれた言葉なので上司には非常に感謝しています。ただし、ここで不足していたのが、上司の自分への見方が「減点方式」であったがゆえに「価値がない」というネガティブなフィードバックにとどまってしまっていたことです。当時の会社は、全体的にポジティブなフィードバックをしあう文化・風土はなかったのではないか、と思っています。

このような経験をしたことで、せめて自分だけはちゃんとポジティブなフィードバックもするようにしようと心がけていますが、それは自分が自分に対して行う評価・フィードバックもポジティブな面とネガティブな面をしっかりと行う必要がある、と気づかされたのが冒頭で申していた研修でした。

もっと自分を褒めてあげようと思います。

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