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トレーニング方法の変更を阻害するメンタルブロック

ランニングを再開したのが7年くらい前。
そしてここ4、5年はわりと熱心に長い距離を踏んでいました。

自分の弱点が、有酸素能力にあると考えたからです。「ジョグ大事」という認識でせっせとジョグに励みました。

だけどジョグは、疲労を貯めやすいです。
厄介なのは、疲労が、頑張っているという自覚症状を生みやすいこと。
だからつい「いいトレーニングを積んでいる」と思いがち。

それは一概に間違いではありません。
うまくいくこともありますし、それがずっと続くこともあります。
私も半年くらいならその状態でいけるんです。

でも1年続かない。
そういうことをここ数年ずっと続けてきたのに、トレーニング方法を変えることができませんでした。

「強い自分」にこだわっていたからです。
弱い自分を認めたくない。
これがメンタルブロックです。
だからずっと「できるはずだ」という自分への期待を捨てられませんでした。

現役時代の体験も影響しています。
私の第1期競技人生のハイライトは、中学2年生の時に800m2'11"5で日本選手権3位になったこと。
中学3年生の全中はもちろん優勝しています。

でもそれが最高で、高校時代、大学時代は、全国トップには立てていません。つまりうまくいかなかった期間の方が長い。

高校、大学時代は、どれだけ練習しても、結果が伴わないので努力していないことになってしまう。
「素質はあるのに練習しないからダメなんだ」とも言われてしまう。
なので練習してもつねに「足りないのではないか」という葛藤を抱えていました。

そういう経験があり、結果を出せない自分が許せないという病んだ側面を抱えています。

だからこの年齢になってもまだムキになってトレーニングをしっかり積みたいと思ってしまったんですね。
そんなこんなでここ4、5年は結構頑張ってきたつもり。

でも何かのタイミングで、体調不良に陥る。
体調不良は、半年続くこともあれば、数ヶ月で終わることもありますが、とにかく1年ずっとしっかり練習を積めたことがありませんでした。

だけど私は、自分が「できないことにこだわっている」ことに気づいていませんでした。自分自身が、そういうコンプレックスを持っていることもわかっていなかったです。

だからどんなに体調不良になろうと、「何とかして人並みの練習をこなしたい」と思い続けていました。
跳ね返されても、「もう一回!」みたいな感じ。

体調管理が悪いのか。食事は? 睡眠は? とあれこれあれこれ考えては試行錯誤する。
その繰り返し。
それもこれもしっかりと練習を積むことが、唯一の強くなる道だと信じていたからです。

でも本当にそうなの? 本当にそれしか道がないの?
とようやく思い始めたのが、今年の4月。

メンタルブロックって、自分では気がつかないものですよね。
私は自分が正しい方向を模索していると思っていました。

でも正しいかどうかはわからないし、うまくいかないなら違う方法を試してみれば?という話です。もっと柔軟にやればいい。

一方では、「強い自分」を諦める。「弱い自分」を認めるってことでもあります。つまり等身大の自分と向き合う。
そこから始めないとうまくいかないですよね。

私はそもそもそんなに練習を積めるタイプではないのではないか。
もっと別のやり方があるのではないか。
そういう考えのもと自分のキャパシティと向き合いながら、新たなアスリート人生を構築したいと思っています。

でもね。
「強い自分」を諦める。「弱い自分」を認める、と言っても、それがパフォーマンス(要するに競技実績)を落とすことに繋がるかというと、そうではないという認識でいます。

ランニングで最適なパフォーマンスを出すための方法は一つではありません。
やり方を変えるだけなので、結果に対して諦めているわけではありません。むしろ伸びることを期待しています。
がんばろう!

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