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第3回『THE NEW COOL NOTER賞』大賞発表

THE NEW COOL NOTERにご参加いただいた皆様。
応援し、また共にここまで歩んできていただいた皆様。

令和3年も終わりが近づき、明日は大晦日。
この一年は、皆様にとってどのような一年でありましたでしょうか。

私達が始めたTHE NEW COOL NOTERコンテストは、作品に対して真剣に望むこと、馴れ合いではなく本気で文章と向き合い、それを通した批評を行うことを理念に掲げ、有志の皆様からのご支援によってここまで続いてきました。

その精神は、今も「批評宣言」として、私達の基本理念としてここに続いています。

その中で、第3回コンテストは新たな試みとして、月ごとの部門賞を選定。
準備期間も含めれば、実に半年間に渡って、皆様と共に歩ませていただきました。

7月:小説部門
8月:エッセイ部門
9月:食育・子育て・おいしいもの部門
10月:始まる世界部門
11月:広告・自己PR部門

新たな試みとして、複数の部門に参加いただくこと。
特に、8月から11月は一つのストーリーとして、ご参加いただいた作品の中で、自分自身のものの見方をエッセイを通して確認し、そこから今の自分の生活を振り返って、自分自身の過去と向き合ってそこから世界が始まって、そうして再構築された自分自身をPRしていく。

そのような構成を意識させていただきました。
文字通り、年間を通して、共に歩んできたコンテストとすることができたのではないかと思います。

同じ時間を生きること。
そんな、ある種の連載性、同じ立ち位置から同じ景色を見て、まるで旅の仲間のように合流して、その中で縁(えにし)が紡がれて、まだ見ぬ景色に向けて歩いていくこと。

そのような時間の歩みを、皆様とともに、描いてくることができたのではないかと思います。

そして本日。
いよいよ、最終の賞発表と、させていただきます。

――なお、諸般の経緯により、創設者であり主催者であったみこちゃんが辞任されたことで、当初予定していた、みこちゃん出版からの書籍刊行の副賞が無くなったこと、ここにご報告とお詫びをさせていただきます。

代わりに。
初心に戻り、第1回と第2回に引き続いて、有志よりサポートをいただきましたので、それを原資として、賞金という形で受賞者様には贈らせていただければ、と思います。

それでは、発表させていただきます。

■第3回THE NEW COOL NOTER賞
 ~ 3位受賞:壱貫亨治殿

■ゼロの紙委員より授賞の言葉

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なにをわたしたちはみているのか、聞いているのか。
そこに何があるのかまだわからない。聞いたことの
ないイントロに耳をすませていたら、なにかがそこ
で起こりそうな気配がして。じっと耳を傾けていた
らしずかにしずかにふいにサビがきて。

そのサビは、とてもなじんだ音の連なりのような気
がしてくる。そして音で描かれたその景色のことを
私たちはとても知っていると心がうなづいているよ
うな。

そんな壱貫さんのエッセイに魅了されていました。

はじまりは何処に連れていかれるのか不安げなのに
着地したそこは、とても馴染み深い場所だった。

エッセイはまぎれもなく声なんだなって教えてく
ださった壱貫さんの作品。

じぶんの声で歌っていらっしゃる。誰でもなくゆる
ぎない自分の声で。文体を確立されている壱貫さん
のエッセイに出会えたこと、とても幸せな時間でし
た。

作品をお寄せいただきましたこと改めて心より感謝
申し上げます。

壱貫享治さんこの度は3位受賞おめでとうございます。

■壱貫さんからのお言葉

私の言葉を受け取ってくれる皆さんのお陰です。
とても嬉しく思います。
ありがとうございます!

(壱貫さんから、受賞にあたって、THE NEW COOL NOTERへのお気持ちを、次のような詩の形でいただきました。壱貫さん、ありがとうございます)

延長線上

はじめまして

私というモノ
あなたというモノ
持ち寄るモノ
奏で合うモノ
知らなかったモノ
見つけられたモノ
続いて行くモノ
変わり行くモノ

今日より明日
明日より今日
過去の拠り所
未来への知る辺
今という結晶
宿るべき熱情
叶うべき生命
その延長線上

ではまたいつか

詩人さんらしく、素敵なお言葉をいただきました。
壱貫さん、ご参加まことにありがとうございました。

■第3回THE NEW COOL NOTER賞
 ~ 2位受賞:北欧の街角で殿

■ゼロの紙委員より授賞の言葉

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記憶をいれておく箱を、どれぐらいお持ちなんだろうとそんな想いに
させてくれる、エッセイに出会えたことをうれしく思います。

北欧の街角でさんのエッセイの中に流れている時間を読者の私たちが
共有することは、忘れられない映像と出会ったことになる。

そんな体験を授けて頂いたような気持ちです。

書くということは、何を書いて何を書かないかということまでをも教
えてくださった気がしています。

作品をお寄せいただきましたこと、改めて心より感謝申し上げます。

この度は、部門特別賞とのダブル受賞ならびに全体での2位受賞、おめでとうございます。

■北欧の街角でさんからのお言葉

この度は、最終選考により第二位の賞を戴き、感謝致します。

ある日、一奥さんを介してTHE NEW COOL NOTER賞のことを知り、今年の夏から、私の中におけるTHE NEW COOL NOTER賞の存在はとても大きいものとなっておりました。

いろいろな方が各種の企画を紹介されていらっしゃることは知っておりました。しかし、他のnoterさんを自分からフォローする勇気さえない自分には、そのような企画に参加させて頂く勇気もありませんでした。
そんな中でTHE NEW COOL NOTER賞に関しては一奥さんから手を差し伸べて下さいました。

そこで勇気を振り絞り、エッセイ部門に参加をさせて頂きました。他の参加者の方々のエッセイを拝読させて頂くことも、それぞれの人生観がわかり非常に興味深かったです。

エッセイ賞で特別賞を戴いた時の驚きは形容し難いです。

日頃、多くの方々の記事を拝読させて頂いて、感じていることがありました。自らの日本語力の劣化です。言葉というものは生き物なので、その言語が話されている国を永年離れてしまうと、たとえ母国語ではあっても多少の劣化は阻止しようがないものかもしれません。
日本語力の劣化の一部として語彙の欠如を顕著に感じることが往々にしてあります。一記事を投稿する前には辞書を用いて不確かな語彙の意味を再確認しています。それでも奇妙な日本語に感じられるところもあると思います。

エッセーの特別賞を拝受させて頂いたところで充分に恐縮していたところ、一奥さんは再度声を掛けて下さいました。今度は「始まる世界」への招待でした。こちらで部門賞を受賞させて頂いた時は、エッセイ賞の時以上に驚嘆致しました。
こちらに関しても、審査員の方々はかなり試行錯誤をされるのではないかと想像しておりました。ゼロの紙さんが、審査室での議論を紹介して下さっており、その中でみこちゃんは、私の文章を、「自分の感情を極力抑えたものであるため好ましい」と評価して下さっておりました。

二十年前に日本を去る直前に、三か月だけ東京で小説教室に通ったことがあります。そこでは各自ミステリーを書いて教室の仲間同士でまわし読みし、感想を述べあう、という試みがなされておりました。
私は、米国中西部を舞台としたミステリーを書いていたのですが、その教室にて戴いたコメントは「感情表現が皆無であるため、感情移入が出来ない」、というものでした。
それ以降小説は書いておりませんが、今回みこちゃんが、私の書き方を認めて下さったため、「文章とは、自分の信じるかたちにて書けば良いものなのだ」、また、文章は、万人受けするものでなくとも、その文章を好いて下さる方々に届けば本望である、というスタンスが採れそうです。

さらに、THE NEW COOL NOTER賞に関しては、「始まる世界部門」のように、社会を明るい方向に持って行こうと言う優しい試みも包括されているため、より多くの方々が参加されて下さると嬉しいです。

数か月にわたる長い開催期間でしたが、主催者の方々、審査員の方々、本当にお疲れさまでした。
来年は皆さまにおかれては、一層、実り多い一年になることをお祈り申し上げます。

エッセイへの確かな志と、そして北欧さんの中で培われた曇りなき眼に、震えました。
ご参加いただき、またお言葉をいただき、ありがとうございました。

■第3回THE NEW COOL NOTER賞
 ~ 大賞:横山小寿々殿

■赤星先生より授賞の言葉


横山小寿々さん、大賞おめでとうございます。
以前も書かせていただいたのですが、この小説を読み終わった後の感想は「やられた、それかぁ」から、「うまい」となり、「ラッキー」です。
見事に叙述トリックが決まっていて、いい意味で完全に騙されました。
文体も素直な文体でとても読みやすいです。この読みやすさは、作者の武器となると思います。これからも面白い作品を書いて、読者を魅了してください。
楽しい作品をありがとうございました。

■横山さんからのお言葉

(受賞にあたり)

朝起きたら身体が虫に変わっていて

「うそ!!!?」と大声をあげてしまった経験はないけれど

「THE NEW COOL NOTER賞 大賞受賞です」

と連絡をいただき

「うそ!!!!?」と、身体が虫に変わった時と同様な気持ちで飛び上がるほど驚き、そしていただいた連絡を何度も見て確認し、うわ~!!っと嬉しい気持ちでいっぱいになりました。たくさんの、本当にたくさんの作品の中から大賞に選んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。今も「えーー!!!」と信じられない気持ちです。

賞に参加したときのドキドキした気持ちは今も忘れることなく心に残っています。丁寧な講評をいただき、「小説を書く」ことの意識が変わりました。勇気をだして
THE NEW COOL NOTER賞に参加したことで一歩成長できた!と感じています。

自分の書いた文章を読んでくださる方がいることは当たり前ではなく、すごいことで、有り難いことなんだ!と常々思いながら言葉を書いています。

今回このような素敵な賞をいただくことができ大きなご褒美をもらった子どものように喜んでいます。賞の参加をすすめてくださったみこちゃんに、真剣に講評をしてくださった赤星先生に、かかわってくださった審査員の皆様に、そして読んでくださった方々に

心からお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました!!

(THE NEW COOL NOTER賞へいただいたエール)

「参加してみたいです」
もじもじしていた私に
「是非参加してください!」と
みこちゃんが声をかけてくださり「THE NEW COOL NOTER賞 」に参加することができました。

このような賞に参加することははじめてで、ちゃんと参加できるかな?と不安でしたが、わからないことを聞けばすぐに丁寧に教えていただき安心して参加することができました。
参加者の応募作品はとっても真剣で熱く拝読するたびにすごいなぁ!と感じていましたが、それは審査員の方々の熱意もスゴイから!お互いに連鎖反応を起こしているんだな!と思いました。

みこちゃんをはじめ、審査員の方々が心から文章を書くことを、思いを伝えること、小説や物語を書くこと読むことに真摯に向き合っているのを強く感じ、

参加してくださる方が楽しめますように。
読んでくださる方が楽しめますように。

と、真っ直ぐな一生懸命さが伝わってきました。

THE NEW COOL NOTER賞を盛り上げていこう!と審査員の方々が頑張っている意気込みも感じました。

誰かの思いや小説を読むとき
ワクワクしながら
「こんな世界があるんだ!知らなかった」
「面白い!感動した!」
心に栄養をいただいた気分になります。

「読むことが出来てよかった!」
そう純粋に思います。
そのことをTHE NEW COOL NOTER賞に参加することで再認識できました。

ありがとうございます。
たくさんの作品を審査員の方々が時間をかけて読んでくださり講評をしてくださることも当たり前のことではなく、有り難いことなんだ!と心から思います。

運営するにあたって大変なこともあると思いますがこれからも応援しております。そして益々のご活躍を楽しみにしています。

賞に参加することで
たくさんの刺激や元気をいただくことができました。

THE NEW COOL NOTER賞の審査員および関係者の皆様に心からありがたく感謝のきもちでいっぱいです。

本当にありがとうございました。

THE NEW COOL NOTERコンテストへの暖かいエールをいただき、改めて、開催してよかったな、一緒にここまでやってくることができたんだなという実感を得ています。
横山さん、ご参加いただきありがとうございました。


■赤星先生より、全体講評


私は文芸部門の担当だったので、文芸部門の話になってしまいますが、他にもいい作品はありました。

ゼロの紙さんの
「人生が、マンガのコマのように過ぎてゆけばいいのに。」

は電車から見た景色がとてもきれいに優しく描かれていました。

ハゲのタイタンさんの
「Perchという名の喫茶店 〜七月七日〜」

の切ない話も、とても心を揺り動かされました。

また、ふくりとさんの
「代理人」

も面白く拝読しました。

なんとなく星新一さんの世界に似ているようで、個人的には好きです。

審査員も兼ねているので、選考対象にはなりませんでしたが、みこちゃんの
「デジカメがやっと我が家にも来るぞ!」

もよかったです。主人公の父親の性格もさりげなく描写されていて、さすがだなと思いました。

今回は全体として、とてもレベルが高かったんじゃないのかなと思いました。

■Noriko委員より、締めの言葉

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2021年、第3回 THE COOL NOTER賞ですが、12月の大賞受賞発表をもちまして終了致します。
これまで月毎にテーマを変え、実に多くのnoterの方々が素晴らしい作品をご応募下さいました。

審査員を代表し、ここに御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
各部門で受賞された方々、そして総括として受賞されました3名の皆様、本当におめでとうございます。

振り返ってみますと、毎月の事になりますが、何方の作品を選出するのか、それはそれは審査員同士で多くの意見を出し合いながら進めてまいりました。
審査員の1人として皆様の作品に出逢えた事、講評に携わる事が出来ました事が私自身の喜びであり、新しい発見の日々でした。

第3回 THE COOL NOTER賞を語る上で、ぼやかす事が出来ない事実としてみこちゃんが辞任された事があります。

審査員の1人としても、noterの1人としても、また人間としても、
許すまじ信じられない様な事が、悪意ある言葉を伴い、多くの人のアイデンティティを傷付ける出来事がありました。


みこちゃん不在の中でも、こうして無事に、第3回を終了出来ます事は、真にこのTHE COOL NOTER賞を大切に想って下さる方々のお陰です。
私たちはその方達に何が出来るだろうと、事実を真摯に受け止め、
真正面から向き合い、必要がある言葉を発してまいりました。
この事は、今後も起こり得る可能性があるとして、同じ様にネット上で苦しみ傷付く方の救いとなるべく、NOTER賞からとしての記事に残すところとなりました。

またNOTER賞を去ったみこちゃんが
新しい活動を始められました。

書く事の自由を守るために、そして、その誤った自由と言う名の下に、
ネットで蔓延する利己主義で排他的な言葉を許さないという、強い決意表明を感じます。

何も無かった
何も見なかった
私は関わらなかった
強い方に巻かれる、弱者を装った人たちの同調圧力に流される、
そんな悍ましい集団意識が如何に薄く脆いものであるか…。

楽しいばかりでは決してありませんでしたが、今回の件を経験した私達は、前を向き歩みを止めない強さを分かち合う事が出来た様に思います。

皆様にとって『書く』とはどんな意味を持つのでしょうか。
私は作品を読む時、講評させて頂く時に、その事を常に考えていました。
きっとお1人お1人で違う意味と価値を持つ『書く』があると思います。

そこから生まれた作品の数々を前に圧倒されてばかりの半年となり、私自身の『書く』意味を改めて振り返る機会にもなりました。
勇気を持ってご応募下さった皆様にも、何か心に残るもの、感情を揺さぶられる何かが生まれたのなら、審査員として、またNoriko一個人として幸せに思います。

繰り返しになりますが、THE COOL NOTER賞を代表し、再度皆様に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

~Noriko


■事務局長より

以上をもって、半年に渡り歩ませていただいた、第3回THE NEW COOL NOTERコンテストを終了とさせていただきます。
大賞以下、受賞された3名。
ならびに、各部門で部門賞と特別賞を受賞された皆様には、ささやかではありますが、後日、賞金をサポートさせていただきます。

同じ時間に生きているということ。
その意味を、この年末の、1年の振り返りの中でかみしめ。
それをまた来年に、この皆様とのご縁をつないでいく。

そんな思いを、新たにします。
コンテストを通して、皆様が新たにご縁を繋げられたことを、祈念してやみません。

ご参加いただき、本当にありがとうございました。

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