見出し画像

第3回THE NEW COOL NOTER賞食育・子育て・おいしいもの部門~9/7講評

第3回THE NEW COOL NOTER賞食育・子育て・おいしいもの部門へご参加いただいている皆様。

Norikoさん、ゆうのうえんさん、これでも母さんに審査委員をつとめていただく9月度コンテスト、応募期間は9月15日までとなっています。
どうぞ、ふるってご参加いただければと思います。

本日は、3つの応募記事へ審査委員それぞれからの講評を掲載させていただきます。どうぞ、楽しんでいってください。

(本日の講評者)

画像4

画像3

画像2

================================

<講評(Norikoさん)>

「料理」は日々生活の中で、食材や調味料と人の手と対話から生まれた、生きるべき形で、「食」は生存や文化の方向を示す船の羅針盤 の
Norikoです

子どもの頃、カレーライスが甘い家が

羨ましくてたまりませんでした。

大人ばかりの我が家のカレーは
物心ついた時からずっと中辛。
だからこそ
辛いのが苦手な子ども達に合わせた
甘い甘いカレーライスが
愛されている子どもの象徴の様で
羨ましかったのです。

一度でいいから
家で甘いカレーライスが食べてみたいと
思い育ちましたので
壱貫さんの甘い甘いカレーライスには
羨望の気持ちが湧きました。

きっとご両親にとって壱貫さんは
大切な存在だったのではないでしょうか。
甘い甘いカレーライスに値する
甘い甘い存在。


料理が下手だとぼやいていたお母様は
本当は子どもの壱貫さんを
優先されていたのかもしれません。

その気持ちを分かってか
ソースをかけて食べるお父様。

無骨だけど口に出来ない優しさを秘めた
父親像を想像しました。

そんな、甘く感じる故郷を飛び出してしまった
壱貫さん。
背を向けてしまった背景には何があったのかと色々想像してしまいます。

甘いからこそ
辛いものに挑戦したくなる、
そんな若くて勢いがある若者特有の
いきり立つ高ぶる気持ちが
そこにある様に感じました。

カレーライスが辛いものになった今
壱貫さんは、どんなお気持ちで
甘い甘いカレーライスを想うのでしょう。

甘い私の汗ぽつり


その一文から
辛い世界に飛び込んだ自分を
認めながらも
時にもがいて抗って
甘いカレーライスを思い出す。

そして何より自分の甘さに気付かされる
少し"大人"になった自分を想う姿をイメージしました。

それは頑張る自分の汗なのか
甘いカレーライスへの慕情の涙なのか
カレーライスから壱貫さんの
ご両親の愛情と
お互いを想う気持ちが見えました。 

森羅万象の居場所を作る【Noriko】が講評しました

================================

<講評(ゆうのうえんさん)>

「食」はいのち、「料理」は生き方 の
ゆうのうえんです

講評 南瓜の花と 糸瓜(へちま)水

どんなに厳しい暑さの中でも
青々と葉を繁らせ
上へ上へ、
先へ、もっとその先へと
しなやかに伸びていく夏の植物と相対するように
ゆりさんと“じいちゃん““ばあちゃん“との物語がありました。


遠い南の地で
農業指導を夢見ていたおじいさん。
焼け野原に一人残され
生きてここにいる自分を責め
破壊的な感情に委ねたままの魂を
ただ一輪の南瓜の花に救われたひと。

そして
傍に寄り添いつづけたおばあさん。
自ら育てたヘチマから
ヘチマ水を採取するときの
ポタリ
ポタリと落ちゆく一滴一滴を見つめる時間が
好きだとゆりさんに語って聞かせたひと。


茎の先からヘチマ水を一升瓶に採取しては
小瓶に移し換えるのを

ゆりさんは“魔法使いに見せるのに
十分な魔力を持っていた“と描写します。
まるでタロットカードの「節制」そのままに、
厳かで静かな景色であると。


やがて
ヘチマが自らの養液をしたたらせる様子は
おじいさんの最期の時へと繋がります。


“点滴の落ちる速度はびっくりするほど
ヘチマ水と同じだった“

ゆりさんとおばあさんが見つめる
ヘチマ水の雫が
おじいさんにつながれた点滴の一滴と重なり
目の前で生と死の境にあるおじいさんの
いのちを表現しています。


戦争
という
自分ではどうにもならない世の中の大きな流れを
体験したおじいさんとおばあさん。
お二人が残した言葉と日々を紡いできた足跡は
ゆりさんの人生観へと続いています。

ただその地に根を下ろし
生命の輪の中で線を繋いでいく草木の
蔓をたどった先に

“だから、何だと言うつもりもないが、こういう話を、誰かに話しておきたいと思った。“

と締めくくられた文章は、
画面という隔たりを超えて
確かにこちら側の人生へと語りかけてくれました。引き込まれた私は涙が滴りました。

ゆりさん、ご参加ありがとうございました。

地球を居場所にする食のアグリエイター ゆうのうえんでした

================================

<講評(これでも母さん)>

「食」は命を繋ぐ文化、「料理」は食する為の手法 の
これでも母です

「ピリ・・・」

不穏な擬音から始まる作品に
ドキドキしながら夢中で読み進めると、

なんと妖怪が!!!!

じゃなくて、
あゆさんの息子さんでした。

思わず笑っちゃいながらも読み進めると、
これが全然笑い事ではないことに気付かされます。

息子さんは心臓病で体重を落とすように言われてるにも関わらず、
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性のひとつ「感覚鈍麻」で、
満腹感を感じにくい体質だったのです。

【参考:発達障害とは?】
【参考:感覚過敏と感覚鈍麻】

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)は
コミュニケーションが苦手だったり、
見通しが立てるのが苦手だったり、
ルールに拘りがあったりといろんな特性があります。
また、「感覚過敏」や「感覚鈍麻」を併せて持つことも多いです。
私の息子は「感覚過敏」の特性を持っています。

感覚過敏、感覚鈍麻の対応方針は、「無理強いをしない」です。
解決に繋がるどころか、
トラウマになるなどの心身の健康を害するリスクが高いからです。
何故かというと、
自閉症スペクトラム障害(ASD)の方は、嫌な記憶を忘れることができず、
自ら克服することがとても苦手だからです。


さらに、自閉症スペクトラム障害(ASD)以外にも、
ADHDでもある息子さんは、「衝動性」が強く、
お腹がすいて食べたいと思ったら、我慢することが苦手とのこと。

私があゆさんの立場だったら、
打開策が思いつかなくてめっちゃ困ります。

でも、困るなんて言ってる場合ではありません。
何より命が掛かってるし、トラウマを持たせたくもありません。


そして、あゆさんが出された結論はというと、、
とてもカッコよくて、その通り!!!
私も大いに納得できました。

あゆさんの結論はnoteでご確認下さい(^^♪

また、追記で書かれているように、
発達障害という、ぱっと見て分かりづらい障害のことを
多くの人に知って頂くきっかけになることを心から願います。

笑いの要素を盛り込みつつも、
お子さんのことをとても大切に思われてる事が伝わってきました。

愛情にあふれたnoteをありがとうございました!

家族の居場所を作る これでも母 でした♬

================================

*講評は分担制としているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

全体の募集要項はこちら

食育・子育て・おいしいもの部門募集要項はこちら

応募作品はこちらのマガジンに収録されます。
 他の参加者様の作品もお読みいただき、ぜひ、当コンテストを通して新しく知り合い、また仲良くなった、との声をお聞かせください! 皆様の縁がつながるコンテストでありたく思います。

画像1




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?