人生が、マンガのコマのように過ぎてゆけばいいのに。
久助は、通学に使っている如意線の車窓は、マンガのコマだって思うことがある。
思うことがあるっていうのは、違うかもしれない。思おうとしているのか、日常のややっこしいことをフィクションのように眺めてしまうことにして、こころの平静を保とうとしている。うっかり死なないために。
走っている時は、そのコマが横長に伸びている感じで、流れていく。
停車駅で止まると、開いたドアのコマは突然途切れて、座席の後ろの窓のコマに人々が描かれる。
人のいないコマは殆どなくって、どこかしらに人々が