24 南瓜の花と 糸瓜(へちま)水
焼け跡に祖父の青春 花南瓜
じいちゃんが息を引き取ったのは朝の七時十五分ちょうどだった
定年まで毎朝家を出ていたのも七時十五分
じいちゃんらしい旅立ち方だ
ばあちゃんは精一杯背伸びして、ベッドに横たわったじいちゃんに呼び掛ける
ありがとうね がんばったよねえ
ばあちゃんの立っているほうの目から一粒、涙をおとして、じいちゃんは最後の息を吐いた
夏休みの宿題に飽き、台所にいくと、ばあちゃんがいた。綺麗に洗ったジャムの小瓶を並べて、一升瓶から何やら移しかえている
タロッ