映画評 『Arc アーク』 130年生きた女
評価:☆☆☆(5つ星採点)
世界で初めて不老不死となった女性の一代記
原作はケン・リュウの短編小説『 円弧(アーク)』
似たような作品としては、『アンドリューNDR114』原作『The Bicentennial Man(200年生きた男)』に肌触りが似ている
(こちらはロボットが200年かけて人権を獲得して人間になる話だ)
本作は何故かガンダムやゲームで有名なバンダイナムコ傘下のバンダイナムコアーツ制作。
だが現在はバンダイナムコフィルムワークスという会社に吸収され、この会社は既に消滅している
ただバンダイナムコフィルムワークスというのは元はアニメ会社のサンライズなので、
ということはバンダイナムコは現在実写映画を作るような部門をほぼ持ってないと思う(多分)
(調べたら邦画の配給は少しやってるっぽい)
バンダイは実写映画もう作らないか、しばらく作らないんだろうなあ...
バンダイとかサンライズで実写SFとか聞くと、『ガンヘッド』とか思い出してしまうが、本作は巨大ロボットとか美少女戦闘ロボットとかは出てこないですからジャンルを誤解しないように
予算もなかったようでSF的な特撮やビジュアルは殆ど出てこず、
序盤の美術大学の卒業制作みたいな映像とか後半のモノクロ演出などが逆にとても陳腐で、正直映画としての出来はあまり良くないのだが
テーマが興味深いので見ていられる
ただそれならそれはこの映画の力ではなくて原作者の力か、と思うが
淡々とした人物描写や演出は物足りない感じもあるが、作品に合っている
これが邦画によくある美男美女がギャアギャア騒ぐような話だったら、逆に2時間見ていられなかっただろうね
主人公がやや論理感が破綻しているのも
時代の変化で人間の論理感や精神性が変化している描写だと思えば理解できるし興味深い(ただの演出の失敗のようにも思えるが)
逆に言えばこの映画、そのあたりぐらいにしか目立ったSF要素がないし
そこまで面白くはないけど、レンタルや配信ででも見かけたら1度見ておいても良いように思う
そう遠い話でもないと思うので
原作『 円弧(アーク)』収録
鏡写し
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