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【アゼルバイジャン暮らしの日記】年の初めは、『くるみ割り人形』で。

2024年1月10日

妹の誕生日。おめでとうとメッセージを、元気そう。しかしあとで別件で母と話したら、なんだか体調が悪そうとのこと。去年手術をしているから、心配。でもなかなか忙しくて大きな検査にも行けない様子。かといってなにか現実的に力にもなれない遠距離からでは、私はなんのアドバイスもできないし。だから妹も、表面的には元気、と楽しそうな様子だけを送ってよこしたのかもしれない。こうして家族と離れて暮らすのは、時々自分がとても役立たずだと感じる。

朝、ジムに行く。プリーティはもう来ていて、せっせとトレーニングに励んでいた。朝の1時間のトレーニングは、彼女にとってはもうすっかり生活の一部で、なんだか楽しそう。私も仲間に入れるといいな。のんちゃんも、今日からジムに入会した。ふたりであれこれおしゃべりしながらバイクに乗って、(ちょこっと)筋トレをして、ストレッチを念入りに。更衣室で先に上がっていたプリーティに会うと、サウナがあるんだよと教えてくれる。すっきりして気分がいいよとの勧めに、私たちも早速。ライトの点け方が分からなくて、なぜか暗闇でサウナ。でもとても気分がいい。エクササイズも習慣にしたいけれど、サウナもいいね、毎日来よう。

ヴァネッサのガトー・デ・ロワ、オレンジの花の香りが華やか。

いったん帰宅して着替えてやってきたのんちゃんと、ランチを一緒に作って食べる。今日はかに玉。かにかま使用だけど、美味しくできた。こういう町中華みたいな料理って、意外と恋しいよね、と同意し合う。卵液に、ほぐしたかにかまとポロ葱、それに生姜の千切りをたくさん加えて、ふんわりと焼いた。あんは醤油仕立ての甘酢あん。食後に玄米茶を飲んで、のんびりした午後。お茶請けに、ヴァネッサの作ってくれたガトー・デ・ロワ(王様ケーキ)をいただく。彼女の故郷は、アーモンドペーストを入れたパイのガレット・デ・ロワではなくて、オレンジの花の蒸留水をたっぷり香らせたブリオッシュ生地に、フルーツコンフィとあられ糖をのせた王様ケーキを作るのだそう。華やかな香りでとっても美味しい。公現祭は1月6日だけれど、1月の間じゅうは、このケーキを焼いて楽しむのだって。

改修工事のため、休館中のオペラ・シアター。

夕方、バレエを観にゆく。年末年始らしく、『くるみ割り人形』を。バクーの素敵な歴史あるオペラ劇場は改修中で、会場は(残念ながら)シンプルな国立音楽院コンセルバトーリア横のホール。今シーズン初の観劇なので、少し良い席をとった。『くるみ割り人形』は大好きな演目で、年末になるとレコードを引っ張り出してはいつも聴いていた(今はSpotifyだけど)。今回は短めのストーリーにまとめた演出で、金平糖の精は成長したマーシャ(クララ)という設定になっていた。アゼルバイジャンの国立バレエ団は、個々の技量に多少ばらつきがあるものの、はっとするような美しい踊りもあり、オーケストラで聴く音楽も素敵で、年始の華やかな雰囲気も相まってとても楽しめた。

仕事終わりの夫と劇場で待ち合わせをして(初めての場所だったので少し迷った)、少し早めに行って軽くワインでも飲もうかと話していたのだけれど、ホールではなぜかパンと水しか販売がなくて、この演目は子どもたちの観客も多いからね、幕間にみんな甘い菓子パンを齧っていた。こんな感じで、みんな気軽に寛いで楽しんでいる様子なので、その親密な感じは私たちの気に入った。この冬は(やっと)演奏会や観劇が楽しめそう。

寒いのでジャケットを着た。キャラガイというアゼルバイジャンの伝統のスカーフでおめかし。

そのあと、ホールの裏手にある瀟洒なチャイニーズレストランで、遅い夕食をとった。牛フィレの豆鼓炒めと、豚肉を使った麻婆豆腐、海鮮炒飯を頼んで、赤ワインをグラスに1杯。それに温かい緑茶も添えてもらった。外はとても寒い。バレエと音楽の話をのんびりと楽しんで、良い夜だった。

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