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書くための読書⑦ 『スティルライフ』

池澤夏樹さんの『スティルライフ』を読みました。この本が発売されたのは1991年ということで、今から30年も前なんですね。

不思議な出逢いや、惑星や星など、どこか現実っぽくなくて遠くにあるものがテーマになっています。
儚く綺麗な星、そして日常ではなかなか出逢うことのない繋がり。
この物語の中では全てが澄んでいて、完成されていない感じがすごく良かった。

透明感のある文体は、語尾がシンプルで一文一文が短いことに加えて、描くテーマの内容だと思う。

女性の気象飛行士が宇宙から地球を見たときの例えが素晴らしすぎて感動した。
男性であれば上に登り詰めることで、いよいよ男らしくなり、英雄になるけれど、女性の場合はそうじゃない。
(言葉で表すのが難しいけれど)ふんわりと包み込まれるようなベールが地球に向けられた、その優しい視線を感じた。というような例えだった。


読み進める内に心が澄んでいくようです。
現実から少し離れた真っ白な心で物事を見たら、気付かないだけで、何気ない日常にも澄み渡るエッセンスが含まれているのではないか。



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