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『山の上の家事学校』近藤史恵

離婚して1年。
荒れた部屋に目を背けて暮らす幸彦。
長期休暇で母と旅行でも…と思っていたが、
妹の勧めで、男性向けの家事学校に行く事に。

生活をすればゴミが出る。
誰かが捨てなければたまっていく。
料理もコンビニだって、
お弁当屋さんだってあるけれど、
濃い味付けは飽きてしまうし、
ただ空腹を満たすだけの、
詰め込む食事になりかねない。
家事のどれ1つとっても、
死ぬわけじゃ無いからとサボっていたら、
心が死んでいくのかもしれない。
ちゃんと生活することの大切さが描かれている。

そして、人と暮らすことは、
お互いの気遣いがあって成立するのだと、
改めて思い直すような作品だった。
好きなら、大事なら、
これくらいやってくれたって、
許してくれたっていいじゃないか。
それは相手が同じ事を言った時、
自分は何も言わずに受け入れるのか?
それは身勝手でしかない思い。

私自身を振り返りつつ、
背筋の伸びる思いでした。

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