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移りゆくものを、五感で感じること。

2021/5/30 映画記録no.36「日日是好日」

今日、この映画を見ました。

先日、この小説を読んだのですが、小説がとんでもなく良くて。
もう素晴らしすぎて、読み終わった時に心がホワ〜ってなる感覚があって、
映画があることは元々知っていたので、
映画はどうなのかな、って気になっていて、
今日は、念願の「日日是好日」見ることができました。

今日は、この作品についてまとめていきます!

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作品について。

2018年10月に公開された映画。
これは、2018年9月に亡くなられた樹木希林さんの遺作となったものです。

大学生の典子(黒木華)は、突然母親から茶道を勧められる。
戸惑いながらも従姉・美智子(多部未華子)とともに、
タダモノではないという、
噂の茶道の先生・武田のおばさん(樹木希林)の指導を受けることになる。
大学を卒業しても、いまだに就職もせずに30代に突入した典子は、
大学を卒業して茶道をやめ、すぐに就職をし、
お見合いをするために退職し、
婚約をして子どもも生まれた美智子との間に遠い距離を感じていた。
そんな中、10年間辞めずに続けてきた茶道で、
さまざまな後輩との出会いを通して大切なことをたくさん学んだ典子は
やっと出版社に面接をしに行くことになった。
だがそれもダメで、ずっと付き合っていた彼氏とも別れても
落ち込んでいた中、父親の死を知り、武田のおばさんと泣いた。
それから典子は立ち直りもう一度全てやり直そうと決意する。

キャスト

典子 - 黒木華
武田先生 - 樹木希林
美智子(典子の従姉) - 多部未華子
田所 - 原田麻由
早苗 - 川村紗也
由美子 - 滝沢恵
ひとみ - 山下美月
典子の母 - 郡山冬果
典子の弟 - 岡本智礼
荒巻全紀
南一恵
雪野 - 鶴田真由
典子の父 - 鶴見辰吾

私が小説の中で思い描いていた登場人物と、
映画で再現されていたキャストの皆さんが、ドンピシャ。
出会った頃の武田のおばさんは、もうちょっと若いイメージだったけど。笑
でも、年を重ねての武田のおばさんは、樹木希林さんそのままでした。

典子も、美智子も、イメージ通り。
お茶を習い始めた高校生の頃は、着物に着させられている感じでしたが、
社会人になり、30歳になり、様々な経験を積んで、
だんだんと着物が似合っていく、華ちゃんの姿がとても印象的でした。

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グッと来た言葉。

いつ辞めてもいいじゃない。
ただ、美味しいお茶を飲みにくればいいじゃないの。
立秋が1番寒い時期なのは、昔の人がもう春だ、春はすぐそこだ、
と厳しい冬を乗り越えようとしていたのだ。
あの時の私と一緒だった。私もなんとか息をして、
冬を乗り越えようとした。
そして1年と少し経った冬の終わり、ひっそりと恋をした。
こんな日が来るなんて。
人生で起きることは、いつも突然。昔も今も。心の準備なんかできない。
あとは、時間をかけて、その悲しみに慣れていくしかない
雨の日は雨を聴く。五感を使って全身でその瞬間を味わう
雪の日は雪を見て。夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを。
毎日がいい日!そういうことだったのか!
世の中にはすぐ分かるものと、すぐ分からないものの2種類がある。
すぐ分かるものは一度通り過ぎればそれでいい。
けれど、すぐに分からないものは、
長い時間をかけて少しずつ分かってくる

子供のことはまるで分からなかったものに、とめどなく涙を流すように。

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見終わって。

正直言います。
小説も、映画も、どちらでもいいから、とりあえず見て欲しいです。
この作品は、小説とのギャップもなくて、
まー、2時間枠で全てを再現することは不可能ですが、
限られた時間の中で、小説の世界観が映画になっていると思います。

私はお茶を習ったことはありません。
「なぜ」という理屈は分からないけど、何かに熱中し、
勉強し続けることができる、趣味よりもっと、
もっと深い「何か」を学んでみたいと思いましたね。

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掛け軸を見ながら、音を感じること。
だんだんと、風や水、季節、様々な物が、
ちゃんとした「音」として、自分の耳に聞こえてくる、
華ちゃんが目を閉じて滝を見ていた、このシーンは好きでした。
お湯はトロトロ、お水はキラキラ、そう聞こえてくるシーンも好きです。
耳をすませてみると、本当にそう聞こえてきます。不思議です。


あと、私が1番グサッと来たエピソードは、
「一生に一度と思って、お茶を立てなさい」というもの。

お茶が普及した、千利休さんがいた時代。
その時代は、さっき会った人が、昨日会った人が、今日殺されて、
二度と会えなくなるというのが、普通だった頃。
飛行機も、電車も、バスも、携帯も、何もかもがない時代。
一度別れたら、もう二度と会えなくなるかもしれない、
そういうのが当たり前にあったからこそ、
お茶の文化には、「一生に一度」という考えが根付いている、と。

この考え方、今の世の中にも通づるものがあって、グサっと来ました。

今の時代も、いつか会えると思っていた人が、
この世界から突然居なくなっちゃうことが、普通になってる。
だからと言って、形振り構わず会いにいくのも非常識な気がしますが、
でも、この不自由な世界の中でもできることって、きっとあって。

今は電話がある、ビデオで話すことだってできる。
手紙もポストに投函するだけで、気持ちを伝えられる。
いつか会えると思っていた、その「いつか」が来ないかもしれない。

そう思ったので、今日私は家族LINEにメッセージを送りました。
夜ご飯はこんなの作ったよ!って、何気無いものですが、
それでも伝えたかったので、伝えました。

千利休さんがいた時代と比べると何もかも違いますが、
思ったことは、すぐに伝える。
会える状況になったら、会いたい人にはすぐに会いに行きたいと思います。
コロナが収まって来たら、私は早急に宮崎に帰って、
母と、祖父母に会いたい。兄弟も帰ってきて、
実家のベランダでバーベキューでもして、他愛もない話でもしようかな。


同じことができるってことが、幸せだと思う。

こんなセリフがありました。
人って、色々なことに挑戦することが「善し」とされている気がしますが、
このセリフを聞いて、
自分に合う合わないも大切だと思うけど、何か同じことをずっとできるってこと、
その先に、幸せがあるのかもしれないと思いました。


日日是好日。

①毎日が良い日となるように努力するべき
②良いこと悪いことという判断から離れて、
 今この時を生きることが好日につながる
③好悪の判断をせずにあるがままを良しとして受け入れるべき

こんな解釈があるみたいですが、
私は、この作品を見て、また小説も読んだ上で、こう思いました。

四季が移り変わる日本のように、
私たちの日々にも、移りゆくものがある。
その変化を五感で感じて、
ただそこにいること、一瞬一瞬を懸命に生きること、
その1日1日の積み重ねが、いずれ素晴らしい日になる。

私はこういう風に捉えました。
あくまでこれは、私の解釈なので、参考程度に捉えて欲しいのですが。

たった5つの漢字の中に、
こんなにも奥深い意味が含まれているとは…
四季がある日本ならではの言葉だな、とつくづく思いました。

あなたは、どんな捉え方をしますか?
もし良かったら、いつか教えてくれると嬉しいです。

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おりょう☺︎

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