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不景気での仕事への向き合い方

2020年8月9日。東京オリンピックが終わる。

今、日本で働いている方なら、少なからず感じているのではないだろうか。

社会が景気の後退局面に入り込んでいるという感触が。

特に、私はプロダクトマネジャーという立ち位置で仕事をしている点で、「金」に敏感になっている面はあるかもしれない。

しかしながら、周りを見渡しても、景気が上向いていると考えるのは難しい状況になってきたと思う。

本当に、東京オリンピックを起点に景気の後退局面に入るかは分からないが、その時に何が起きるかを予想し、先手を打つことは重要だと思う。

今回は、リーマンショックを経験した諸先輩方に諸々ヒアリングをし、私なりに、組織に何が起き、イチ現場社員が何を意識しながら仕事をするべきか、をまとめてみた。

備忘も兼ねて記しておきたいと思う。

経営者が考えること

経営者は何を重要視するか。
それは「利益額を増やすこと」。コレに尽きる。

経営には、諸々な指標があるが、極論、経営者からすると利益額を増やすことができていればいい。

株式会社は、株価は利益額の変動に左右されやすいからである。

もちろん例外も多々あるのだが、株式会社である以上、利益額を向上させ続けることは、至上命題となる。

いまの日本企業に起きていること

さて、一般的に見て、しばし景気がいい状態に置かれた、日本の組織に今何が起きているのか。

あくまで推察だが、「過剰に人員を抱えた状態」だと考えている。

景気が良いときは、マーケットにニーズが溢れている。

つまり、人を増やせば、その分、売上グロスが上がる。

利益率が少し悪くなったとしても、利益のグロスが上がる構造だから、企業は人を抱えたがる。

ちなみに、景気が良いときも「人が少ない」と皆が叫ぶが、それはワークシェアをしているために、そのように錯覚しているだけに過ぎないのではないか。社員幸福度という潮流に乗り、優秀な人材以外にも仕事を渡し、介在価値を感じる状態を作り上げている。

景気がいいと、売上グロスが上がるので、過剰に人員を抱えていても問題ないため、1つの仕事に対して、複数人がワークシェアしている状態が今の日本企業では無いだろうか。

少しマクロで見れば、景気がいいときは、雇用の流動性が高まるから社員の力が強くなる。そうすると、会社が社員に優しくなり、平等に仕事を渡す力学が働くというわけだ。

景気悪化でどんな力学が働くか

さて、景気が悪くなると、日本企業にはどんな力学が働くのか。

単純に考えて、先述した景気がいい時の状況と「逆」の力学が働くようになる。

マーケットの状況で、売上が上がらないため、売上をロックして、コスト削減することで、利益創出に踏み出すことになるわけだ。

その中でも、優先的に「固定費」を削りたくなる。

なぜなら、売上に比例して発生する変動費を削るよりも、即効性があり、継続性が高いからだ。例えば、ビルを安い場所に変えるとか、人員を削る等である。

簡単に言えば、無駄を排除しようということだ。

しかしながら、企業というのは大きくなればなるほどレピュテーションリスクを恐れ、人員は最後まで抱えようとする。つまり力学に反する動きを取る。

そうして、広宣費やその他の変動費を削る流れになるのであろう。

日本において、リストラとはそれほど「してはいけないもの」だということがよく分かる。

景気が悪くなり、企業に舞い込む仕事が減ってくる。

それでも、企業は人員を過剰に抱えている状態が訪れる。

そうなると、ワークシェアされていた仕事が優秀でない人員には本当に仕事が回らなる。

すると、組織というのは非常に殺伐とすることが容易に想像がつく。

特に、自己承認欲求を少なからず持っている人間の集まりが企業と考えると、一番の毒は「暇」。

景気が悪くなると「暇人」が大量に発生するであろう。

暇は不安を呼び、組織の健康状態を悪化させる。

介在価値を感じられない人員が増えるので、組織が暗い状況が続くことが予想される。

おそらく、景気が悪くなると、こんなようなことが起きるのではないだろうか。

何を意識して働くか

なんだか、非常に暗い感じになってしまったが、景気が悪くなるということはこういうことなのだろう。

でも、与えられた場所でどう輝くか。

このお題に対する「努力」は怠ってはならない。

我々は、景気が悪くなったとき、どんなことを意識して働いていくべきか。

多くの先輩達からヒアリングした意識すべきことを最後に綴ろうと思う。

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・まずは自らがもがき、成長すること
 └景気が悪い状況下で知恵を絞らねばならない状況が増える。つまり、若手には成長のチャンスである。

・周りの話を聞いてあげること(=ケア)
 └多分、理由のない不安を抱える人員が続出する。そういうときは、アドバイスいらない。話を聞くだけでいい。コーチングの原則に従う。

・多くのお題を作り出すこと
 └暇を作らない努力をすること。なにか課題が無いかをひたすら思考し、メンバに考えさせる。研究でも、一つの小さなお題でもいい。とにかく考える機会を大量に作り出すこと。

・自社にしかないアセットでなにかできないかを思考すること
 └景気が悪いときには、企業が持つアセットの勝負になりがち。自社は何を持っててそれをどう使うかの提案をし続けること。
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これから、本当に景気が悪くなるかはわからない。
でも、先人の経験から、受け身を取れる状態にしておくことはできる。

おそらく最後の4つの観点は、景気に関わらず重要なことだ。

今、漠然とした不安に苛まれている方に少しでもヒントになればと思う。

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