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「自分が納得できないと行動できないタイプで‥」という人に対してのアドバイス

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。

前回の経営セミナーでこんな場面があった。
自分の半生を掘り下げて自分の行動パターンや特性を知り、今後の人生を変えていくというそんなテーマ。
私も自分自身を掘り下げていくことは正直苦痛だった。
何とかやり切ったが途中で脱落してしまう受講者もいる。
その中の1人の発表が始まった。

持ち時間は1人6分、その受講者は発表までに講師の合格がもらえなかった。
というより途中まで書いたがそこから1週間やり取りが止まってしまい未提出、そんな状態だった。

どんな感じで発表するのだろう、非常に興味があった。

発表が始まる。
「自分は今回提出できませんでした、自分は自分が納得できないと行動できないタイプで‥」
ハッキリとしたことで淡々と自分が提出しなかった正当性を述べている。

「もう止めよか」

開始2分、講師が発表を止める。
「ここからは俺とのやり取りで行こう」

講師が問う。
「ここにサイコロがある、サイコロの3以上が出たら100万、1と2が出たら100万円払わないといけないとする、どっちに賭ける?」
「3以上です」
「絶対1,2が出るから言う事を聞け、1,2に賭けろと私がアドバイスする、どっちに賭ける?」
「3以上ですね」
「とりあえずなぜ1,2が出ると思うか話を聞いてみたいとは思うか?」
「話は聞いてみたいです」
「納得できなくても?」
「そうです」
「今、そういう状態だな、君は」

講師が自分の話をし出した。

「俺は30代前半の頃、仕事をやりまくっていた。事業を拡大して順調だった。しかし、外部環境の変化もあり4億の借金を抱えた。そこである経営者から言われた言葉、お前は倒産したがっていると。そんな4億も借金して倒産したいなんて思っている訳が無いだろ、バカいうなと突っぱねた。資金繰りで一番困っている時にこの経営者は「酒を飲め」と言った。俺は酒を飲めないし、なんでこんな一番苦しい時に酒を飲まなきゃいけないんだ、改善するはずがないだろう、そう思った。でも、結局腹をくくった。徹底的に飲みに行った。3時4時まで最後は3人くらいしか残っていない時間まで飲んだ。結論、そこから事業が立ち直った。そこで俺は気づいた。今まで自分の常識でやっていて上手くいかなくなったのだ。その時期、俺は誰の言う事も聞かなかった、自分に自信があったから。すると周りは何も言ってこなくなった。酒の場に行くと、俺が酒を飲み倒れかけているときに皆酒が入っているおかげでアドバイスを言ってくれていた。君も今まで自分が学び成功してきたと思う。しかしその学びは自分が選択した学びや経験であって、ひょっとしたら別の選択をしていたらもっと成功していたかもしれない、君が現在の一課長で良いと意思決定したならばそれでいいのかもしれない。しかしさらなる可能性を信じるならば、自分が納得できないことをやるべきじゃないか」

このやり取り、この日一番刺さったやり取り。
分かりやすい例え、自分の失敗、相手への敬意とエール、全てが兼ね備わった指導だったと思う。
自分が納得できないことはやらない、自分の納得というカバンはどれくらいの大きさだろうか。
少しずつカバンを広げていくのも人生、しかし好みではない別のカバンを使ってみるとそのカバンの方が良いと気づくかもしれない。もともと持っていたカバンの良さがさらに分かるかもしれない。

可能性を広げて自分が見えていない自分の未来を創ってみよう。

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