見出し画像

ミャンマー出張記④

前回からの続き。前回の記事はこちら↓


日本語学校が終わり、午後は介護技術研修を行っている学校へ。
先生は日本人の看護師1人。
総合病院で10年くらい働いていた後、ボランティアで1ヶ月ミャンマーに。そのままミャンマーに魅せられ移住してきたとのこと。
介護技術の学校と行ってもベッドが1台とマネキンが1台、テキストは日本の介護の教科書に先生がミャンマー語で大切な所を少し解説している程度。
手作り感満載である。

「やれることからやる」

そんな気概を感じる学校であった。

夜は日本人が経営する焼肉屋で食事。

この旅行は日本の社長2人と山さん、私の4名。
私以外はほぼ同年代40代後半、その構成も相重なって私が終始いじられる展開。
普段は部下や後輩や若い人と一緒にいることが大学時代からずっとだったな。
人をいじりながら目立たない人にもフォーカスを当て皆で楽しむことが大好きな私。
しかし、この旅行はいじられる方に回る。
くだらない笑いじりや急なボケに対してツッコミまくる4日間、芸人の小峠的な。

正直めんどくさい。

この旅でめんどくさいと何度言ったことか。

でもそういえば大学入学当初は先輩たちからいじってもらい、それにツッコんだりして楽しんでいたな。
こっち側も嫌いじゃないのだと久しぶりな感覚。

環境が変わると行動が変わる。

このメンバーで異国という閉鎖的な環境だから皆が本能的にキャラやポジションを考え瞬時に順応していったんだと思う。

焼肉屋でたわいもない話から山さんが私に投げかける。

「しみずさんはコンプレックスって感じる事あるの?」
唐突過ぎる一投。
「俺はね、今まで日本にいるときはコンプレックスなんて感じることが無かった。人は人だし俺は俺だし。ミャンマーに来て、ミャンマーにいる日本人と交流を持つ機会が多くなる。政権交代により日本企業もだいぶ減ってしまったがまだ大手商社や大手通信機器の社員が来ている。そいつらと話すと、京都大学出身です、私は早稲田、などの話は分かるが、去年までマサチューセッツの大学へとかハーバードにとかもう凄いのかどうかわからない大学の話をして盛り上がっている。そしてなぜかそいつらに対してコンプレックスを感じる自分がいる。日本では全く感じていなかったのに」

コンプレックス、つまり劣等感。
山さんは日本で一緒に仕事をしたことがあるがめちゃめちゃ頭が切れて、人への配慮が出来て、戦略的な人。
日本では何をやっても平均以上の所得は稼ぐことが出来るだろう。

ミャンマーに渡って半年、山さんの当初の計画とは少し違う方向に進んだ。
今、再構築する為にもがいている最中だろう。

コンプレックスをどう使うかという事だと思う。
コンプレックスを抱き、負けじと頑張る人もいる。
反対に卑屈になる人もいる。

山さんの場合はまだうまくいっていない自分の心のバランスを取るために、本能的に学歴コンプレックスを抱いているのではないか。

野性的な攻撃的な自分を鎮める為に。

「あいつらが上手くいっているのは学歴があるからだからだぜ、ゆっくり行こうぜ」

環境が変わると考え方が変わる。
考え方が変わると習慣が変わる。
そして習慣が変われば人生が変わるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?