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マイナンバーカード返納47万件|デジタル世界はバフォメットの企てと聞いたら笑いますか? 其の6 ウロボロスの蛇

アダムとイヴは、神が食べてはいけないと命じた善悪の知識の木の実を食べてエデンの園から追放されました。食べた原因は、蛇がイヴに食べるように唆したのが原因だと旧約聖書には書かれています。そのため、キリスト教では蛇は悪魔の象徴と見なされていますが、

創造神ヤハウエはポンコツ世界を造ったポンコツ神だとして、人間の本質と真正神についての心霊的直感による正しい知識=グノーシス(gnosis)を探求する物心二元論を唱える神秘主義者にとっては、蛇は、偽神ヤハウエに支配されたイヴを諫めた真正神の使徒であり人間を救済する善の象徴だということになります。(笑)

つまり、キリスト教信者と神秘主義者とでは、蛇の評価が真逆になるという興味深いお話です。(笑)

さて、表題のウロボロス(ouroboros)の語源は古代ギリシャ語の ουροβóροςで尾を飲み込むという意味で、その意匠をウロボロスと呼んでいます。

中国 道教
インド ヒンズー教
中東・西洋 神秘思想 錬金術

エジプトでも、ギリシャでも、インドでも、中近東でも、古代アメリカでも、西欧東欧南欧北欧でも、とにかく、竜やら蛇やらのウロボロスがあっちこっちで見つかっています。(笑)

それぞれ様々な意味を象徴するウロボロスですが、切りがないので、ご興味ある方はお調べいただくとして、

今回、テーマにしているバフォメットを本尊にする神秘主義者の代名詞になっている錬金術では、始祖エルメスがエメラルドタブレットで唱えた錬金術の奥義を象徴する意匠です。

錬金術師は万物は後述の第一質料( prima materia )で成り立っていると考えました。

「全ては一から生じる」

という概念が産まれ、ウロボロスの円環状形は「一は全てであり全ては一である」という概念を表し第一質料を象徴しています。

覚えていますか?

其の4で「私の主観ですが、ラテン語版で見る限り、焦点は此処だと思いますから英邦訳します。」と指摘した部分です。

Quod est inferius est sicut quod est superius, et quod est superius est sicut quod est inferius, ad perpetranda miracula rei unius.
Et sicut res omnes fuerunt ab uno, meditatione unius, sic omnes res natae ab hac una re, adaptatione.

That which is below is like that which is above, and that which is above is like that which is below, in order to perform the miracles of one thing.
And just as all things were from one, the meditation of one, so all things were born from this one thing, adaptation.

下にあるものは上にあるものに似て、上にあるものは下にあるものに似ている。一つの奇蹟を起こすためです。
ちょうど、全てが一から始まるように、(つまり)一つの意識から始まるように、万物は、それに応じた意識から産み出されました。

其の1で、私が、
「科学の進歩に貢献した科学者レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめとする数多の天才はバフォメット信奉者だったと聞いたらどうします?」
と書いたのを覚えておられますか?

数多の科学の天才たちはエルメスの神秘思想に影響され、その奥義を解き明かそうとしたと私は考えています。

エルメスが遺した奥義を更に読み解きましょう。

上下二項対立の構図。上とは大宇宙=マクロコスモ(Macrocosmos)であり、下とは小宇宙(Mikrokosmos)です。つまり、この世と人間です。

138億年前、ビッグバンが起きる前、大宇宙と小宇宙は一つでした。つまり、この世と人間は一つでした。

下にあるものは上にあるものに似て、
上にあるものは下にあるものに似ている。

とはそういうことです。元は一つの同じものでした。

古代ギリシャ時代、アリストテレスは第一質料(prima materia)という自然哲学の概念を用いました。

アリストテレスは、万物は質料と形相で成り立ち、質料は空気(風)と火と水と土の四大元素で成り立ち、四大元素を組成しているのが第一資料だと定義しました。つまり第一資料が万物の根源だということです。

神秘思想に大きな影響を与えたプラトンの弟子だったアリストテレスは紀元前4世紀に、量子の存在を自然哲学の概念としてイメージできていたということになります。これこそ、まさにグノーシス(gnosis)心霊的直観による正しい知識だと私は思っています。

エルメスがエメラルドタブレットに遺したという錬金術の奥義とは、

『グノーシス(心霊的直観による正しい知識)と共にあらゆる合理的知識(科学知識)を習得し不完全な肉体を完全なものに変え、肉体に幽閉された霊魂を鍛え開放できれば、この世で最強のパワーを得て神との合一を実践し世界の栄光を手にする。』

ということではないでしょうか。

しかし、本来、ポンコツ世界の人間救済を目的とする神秘主義者の中にも、魂の鍛練を怠り富と権力のためだけに知識を習得しようとする人間も数多くいました。歴史の中で、そうした人間が神秘思想を邪悪な思想へ変質させました。


次回へつづく

次回 其の7 黒い教皇アルバートパイク
前回 其の5 バフォメットと牧羊神パーン

エムケイコンサルティング 良仁