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【アクセンチュア化】BCGがITコンサル化する理由と転職求人

戦略コンサルティングファームのボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)の求人情報が面白かったので解説します。(6分で読めます。約2,500文字)

1.BCGの求人紹介

早速求人の紹介から入ります。求人情報はこちらです。
BCGの中でもデジタル寄りのポジションです。

職務内容
●クライアントのデジタル戦略立案、DXのコンサルティング、ITロードマップの策定、戦略や課題に寄与するアーキテクチャの設計、ソリューション設計をEnd to Endで企画・実行します。
●クライアントのCxOとの関係構築を図りながら、業界の最新動向とBCGのもつアセットを組み合わせ、イノベイティブな企画構想やワークショップの実施をリードします (BCGアセット例: データ&デジタルプラットフォームコンサルティング、デジタルマーケティングコンサルティング、Agileコーチング、など)
●実行プロジェクト推進にも責任をもち、メンバーアサイン、実現妥当性・リスク・品質を確認し、社内外メンバーを成功に向けて統率します。

社名を隠して職務内容を読むと、「アクセンチュアの求人かな?」と思ってしまうほど、ITコンサルのプロジェクトですね。『End to Endで企画・実行します』という表現なんてまさにITコンサル。

BCGのすべての案件がITプロジェクトと言う訳ではありませんが、求人を出すほどITプロジェクトが増えてきているという事実はあるのでしょう。

2.なんでITコンサルっぽいプロジェクトをやるの?

天下のBCGがITコンサルっぽいプロジェクトをなぜやるのか?
それには2つの理由があると考えています。
・理由1:IT案件が増えてきているから
・理由2:やっぱり金になるから

理由1:IT案件が増えてきているから

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が流行っているように、企業変革や戦略実現の手段としてITを使う機会が増えてきました。
むしろ、ITが関係しないプロジェクトはほぼないと言ってもいいほどです。

そのため、BCGの主戦場である戦略案件も、ITを使った実現手段の検討やその実行支援まで求められることが増えていると考えられます。

理由2:やっぱり金になるから

ITプロジェクトはシステム開発を伴うため、戦略立案プロジェクトに比べると期間が長いです。
戦略立案のプロジェクトは3か月程度の短期ですが、ITプロジェクトは数年単位の長期プロジェクトがほとんどです。

そうしたITプロジェクトを『End to Endで企画・実行』すると、会社としては以下のようなメリットがあります。
○:(戦略案件ほど)短期間で成果を求められるわけではないので、難易度が低い
○:プロジェクトが長期化するため、売り上げの確度が高い
○:コンサルタントを多数アサインすることができる。また、難易度が低いため、アサインするコンサルタントに若手を入れやすい

こうしたメリットを図示すると下記のようになります。

こうしたEnd to EndのITプロジェクトの特性を考えると、BCGへの転職は5年前や10年前に比べると難易度が下がっているかもしれませんね(プロジェクトの難易度が下がり、頭数が必要になるため)。

3.BCGに転職するには?

難易度が下がっているはと言え、BCGのブランドイメージは高いですよね。そんな(以前よりも)難易度が低く、キャリアの箔も付く魅力的な環境であるBCGに転職するにはどうすればよいでしょうか?

以下、BCGが求める人物像です。

求める人物像
●デジタルアーキテクチャのグランドデザインを、企業全体の視点や複雑なシステム連携のスコープで方向性を示し、組織全体を見渡しながら描くことができる(全社を俯瞰したシステム全体設計、複雑な業務要件に基づくアプリケーションやデータの配置、クラウド活用方針を含む複雑なインフラ設計など)

門戸が広くなっているとはいえ、求められる能力は高いです。
要は、DXプロジェクトを企画からリリースまでやり切ることができる人材を求めていると言えそうです。

以下のような経歴があると、採用されやすいでしょう。
・事業会社でPDM(プロダクトマネージャー)をやった経験がある人
・コンサルファームでDXPJの上流から下流までやり切った経験がある人
・SierでDXPJの上流から下流までやり切った経験がある人
という方は挑戦していいかも。PMO経験やPM経験をしていると入りやすそう

しかし、こうした経歴を持っている人はそこまで多くないでしょう。
もし、自分が「上記のような経歴がない」と悩んでいる場合、このような考え方をしてください。

自身の経歴 + 足りない部分に挑戦した経験/実績がある
でアピールする

例えばこのようなイメージです。

<Aさんの経歴>
SierとしてDXプロジェクトの下流でシステム開発を担当した。上流経験はない。

<アピールできる経歴>
DXプロジェクトの下流経験

<足りない経歴>
DXプロジェクトの上流経験。具体的には、プロジェクトのコンセプト策定や、経営層とのスコープすり合わせ経験など。

<アピールの仕方> ※太字が足りない経歴を補う挑戦
DXプロジェクトの下流工程を担当。プロジェクトでは、変更管理が多発してQCDを守れない状態であった。変更管理が多発する原因を関係者へのヒアリングし、”プロジェクトのコンセプトが曖昧である”ことと特定。
下流工程ではあるが、プロジェクトで実現したいこと、そのために必要なこと/不要なことを整理し、プロジェクトオーナーである役員含めた経営会議で説明。関係者全員と合意した。その結果、変更管理の件数がXX件/月から、○○件/月に減少した。

このように伝え方を工夫をすることで、求める人物像に近づけることが可能です!
BCGが求める人物像の理想は高く、転職難易度が低くなったとはいえこう難易度企業であることには変わりありませんが、「我こそは!」という野心のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?

さいごに・・・
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