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「角上魚類」視察レポート③_商流が繁盛の秘訣_vol.3

角上魚類の繁盛の秘訣は「商流」にあります。

この点について、
3つの流れに沿って解説したいと思います。


1.角上流仕入法

スーパーのバイヤーの仕入と角上魚類の仕入は
大きく異なる点があります。

スーパーは廃棄率を下げることを目的として仕入を行い、
そのため売りやすいサンマやサバなどの定番の魚を
仕入れます。

ただ、実際の市場に行くとその日の水揚げ量によって
需要と共有のバランスが作用するため同じ魚でも
価格が大きく異なります。

スーパーは”高くても”定番の魚を仕入れるのに対し、
角上魚類は安くて美味しい魚を選んで仕入れます。

だからこそ、
新鮮で美味しい魚が安く提供できるのです。


2.角上流配送日数短縮法

通常、各地域の市場から水揚げされた魚が
東京のスーパーに届くのは1~2日かかるようです。


その流れは「地方市場」から東京「築地市場」に
配送され、そこから各スーパーに届きます。


しかしながら角上魚類の場合は、
「新潟市場」から直行便で
角上魚類の各店舗に配送されます。

その間わずか半日と、
通常ルートとの差は約3倍。


新鮮がウリの”鮮”魚は、
角上魚類がダントツなのです。


3.角上流販売法

角上魚類は対面販売が基本。
だから、「見たことない魚」でもバンバン売れます。

一人ひとりに魚やお客様に合った食べ方を
丁寧に教えてくれるのです。


僕もお店に行って聞きました。
「刺身が食べたいんですがお勧めありますか?」

すると、
「刺身ならこの鯛とこの鯛。平目もいけます!」


中には、
「お客さん、普段どのような食べ方されてますか?」

と聞いて、お客様に合った魚を選んでくれたり、


「今、この魚が美味しいですよ!
肝が入っていて煮つけにすると最高です。」

などその日、その時期に合わせた魚を
教えてもらえます。


「今日は○○を買おう」として行くのではなく、
その日一番の新鮮で美味しい魚を食べたいというのが
角上魚類に行くお客様の心理のようです。


また、頭や骨を取って
下処理を無料でしてくれますので、
はじめての魚でも安心して注文できます。


4.角上流売れ残り対策術

角上魚類は毎日入ってくる魚が異なります。

市場で毎日、その日に安くて美味い魚が
バイヤーによって仕入れられるからです。

だからこそ、その日その日の売れ行きを
数時間というわずかな時間で判断しなければなりません。

そして売れ行きが良くない、伸びない商品を
煮付けや刺身、塩焼き、フライなどにして
形を変えて販売するのです。

これにより角上魚類の廃棄率は0.05%まで
抑えることができるようです。


まとめ

角上魚類は商流で勝っています。

「仕入➡配送➡販売➡売れ残り対策」

の要所要所が他の鮮魚店と異なるところで、
スーパーというよりも昔ながらの魚卸が小売を始めた感覚に近く、
まさにそのDNAが残っていると言えると思います。

①仕入では、より良いものを安く仕入れる

②配送では、鮮度のよいものを速くで届ける

③販売では、お客様に寄り添い提案型で売る

④残った商品は売れ行きを見て即判断し形を変えて売り切る


角上魚類の商流(ビジネスモデル)がスゴイ!

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