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好きな本『ムッシュ・クラタ』

もうすぐ母の日。

この時期に売れるのはカーネーション。

自分も日本で育ったからこの花といえば今回の記事の最初に書いた日を想像する。

しかしある本を読んで別のイメージがあるのを知った。

それは新潮社の『ムッシュ・クラタ』という山崎豊子さんの小説。

戦前から戦後にかけての話。

学生時代からフランス文化をこよなく愛し、新聞社のパリ特派員をしていた倉田 玲(くらた れい)という男が主人公。

その倉田が会話の途中で言った言葉。

薔薇は王者の花であり、カーネーションは、騎士の花

『ムッシュ・クラタ』(新潮文庫)山崎豊子(102ページ)

薔薇はなんとなく王者の花とイメージできるけど、カーネーションが騎士の花というのはこの本を読んで初めてそうなのかと感じた。

倉田は日本にいてもとにかくフランス式の生活や価値観にこだわり、周囲の人たちから時にその性格や行動をあまり理解してもらえなかった。

しかし読み進めると彼の生い立ちを知ることができ、本当に自分の信念を貫いて生きた男の人生だと思う。

俺はこの作品が好きだよ。

では、また。

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