真冬に「これ着とき」と言った後の出来事。
ふと思い出したことがある。
昔付き合っていた恋人と真冬に神戸でデートをしていた。
そして夜に食事の後に海が近くにあるから食後の散歩のような感じで少し歩いていた。
ついさっきまで室内で美味しい料理を食べていたし、暖房がしっかり目だったので、ほどよく俺の体はあたたまっていた。
防波堤は景色が綺麗な場所だった。
しかし海から風が吹いていた。
恋人はきちんとアウターを着て暖かい服装をしていたけど、俺は自分のアウターを脱いで彼女の肩に「これ着ときー」と言ってかけてあげた。