見出し画像

地域に○○が減ってくると生きづらい子どもが増える。

ご覧いただきありがとうございます。

吹田市で、不登校支援と発達支援をしている、NPO法人トイロです。

2021年6月に開校してから半年目を迎えて、来年度の運営に向けてスタッフや関わってくださる方々と定期的にミーティングを行っています。

トイロに通っている生徒は現在14名で、その子ども達を演劇を始め、様々なジャンルの大人でサポートしています。

代表自身が児童発達管理責任者になり、不登校や発達に関する相談支援事業に力を入れたり、副代表が特別支援教育に特化するために、特別支援教育士の取得やK-abcの発達検査をトイロで実施できるように準備を進めていたりと、来年度の準備を着実に進めていっています。

発達支援に関するブログも初めました!こちらは、現役教師である副代表の専門的な視点から、教育理論や家庭でできる教育に焦点を当てて書いたものになります!

吹田市で支援学級に在籍してる不登校生徒や、放デイの受給資格がおりなかったグレーゾーンの子ども達の教育や体験を実施する施設を来年度から順次作っていくことになりました。

そんな中、ミーティングで出た内容について今回は書いていきたいと思います。

不登校生徒が増加している理由の一つ、「地域に、子ども達の多様な顔が出せる場所が減ってきている」ということについて書いていきたいと思います。

最後までお付き合いよろしくお願いいたします!



学校は「〇〇の顔」を保つ場所。



まず、子どもたちはいくつもの顔を持っていても良いというのが、子ども達が生きづらさを感じずに過ごせるための前提になります。

不登校が増えている1つの原因として、「子ども達が学校か家庭の顔しか持てないこと」がおおいに関わっている可能性があるということがわかってきました。

それは、トイロにくる相談内容をまとめて、分析した独自の結果です。

これまでに、108件の相談があり、そのうちの99人の子ども達が、「家と学校以外に居場所がなかった」という回答をしています。

いわゆる「学校依存状態」だったということです。

これに関しては、別記事で書いていますので、併せてご覧ください。

トイロに数名、学校依存状態ではなかった生徒がいますが、行動エネルギーや興味関心の幅が、そうでない生徒達と明らかに違います。

これは、家や学校以外の別の顔を持つことで、生きづらさを分散せることができているからだと考えています。

多くの場合、家は、素に近い顔を出しやすい場所でしょう。

では、学校はどんな顔を出しているでしょう?

それは、「大人の前や、集団の中での模範の顔」です。

この顔を作り続けることが学校のしんどさです。

・9教科すべてにおいて平均以上を求められる。
・みんな一緒に、仲良くを求められる。
・興味あるなし、得意不得意関係なく参加することを求められる。
・限定された道徳観を求められる。
・努力・我慢・勤勉を求められる。など

改めて見るとしんどいです。

朝から夕方まで学校にいる間中、「模範の顔」を作り続けないといけないのですから。



大人は〇〇だから居場所がある。



行きつけの店でちょっと一杯。
休日にママ友とお出かけ。
毎週のヨガクラス。
趣味仲間とゴルフや釣り。など

このように、大人って家庭や仕事場以外の顔を出せる場を、自分で作ることができます。

行動範囲が広いし、お金があるからです。

これによって、親、夫婦、職場とは違う顔を誰かと共有し、認められています。

では、今の子どもたちはどうでしょう。

駄菓子屋や銭湯、商店街や地域の子ども会、地域の大人が運営する習い事などの居場所が無くなってきています。

つまり、学校での「模範の顔」以外の顔を共有し、認められる経験が無くなってきています。

これが、不登校の原因の1つではないかという話になりました。

地域に居場所がなくなると、子どもたちは閉塞感を感じ、生きづらさを抱えるのです。



地域の居場所はみんなで作る。



トイロで実施してきた、CONNECTにより、福祉や教育、学生団体といったつながりが完成形に近づきました。

そして、トイロをみんなで運営していくということが実現可能になりました。

子どもたちの居場所づくりが必要と想っている人たちが集まって、それぞれの持っているものを提供する。

場所や機会をトイロが提供する。

これを実現していこうというのがこの前のミーティングの結論です。

学校に行ってる行ってないはもはや関係ありません。

どんな子ども達も生きづらさを抱えずに済む環境こそがこれからは必要になってきます。

民間の助成金を見てても、フリースクールには助成は出さないけど、子どもの居場所事業なら出すというものも出てきています。

地域に子ども達の居場所が減ってきている今、それは早急に達成されるべきことだということです。

ボード―ゲームや演劇、療育や運動といったことで子ども達の違う顔を出せる場所として、異年齢の交流ができる場所として、大人が力を合わせて実現していきたいと思います。

子どもたちは、学校や家庭以外でも認められて育ち、自分自身を創り上げていくものです。

不登校は一部の現象です。それだけが、解決すべき子ども達に関わる課題ではないということを忘れないようにしたいです。


最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?