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気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

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双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んで… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

Solutions dayでのイニシアチブ発表(2)

Thematic day 17日目のテーマは「Solutions」 最終日にふさわしいテーマですが、今回は4つの課題に対処する、4つのイニシアチブの発表がありました。 1.2.については、1回目でお届けしています。 今回は、3.4.についてご案内します。 3.Friends of Greening National Investment Plans in Africa and Developing Countries エジプトの計画経済開発省が主導し、国連開発計画(U

Solutions dayでのイニシアチブ発表(1)

Thematic day 17日目のテーマは「Solutions」 最終日にふさわしいテーマですが、今回は4つの課題に対処する、4つのイニシアチブの発表がありました。 「世界的な気候変動対策を強化し、各国がNDCを履行し、パリ協定の目標を達成できるようにするための補完的な道筋を提供するもの」としています。 簡単に説明していきましょう。(と言いながら、リリースを見ただけですし、活動はこれからなので、目的を抑える程度ですね) 少し長くなりますので、2回に分けてお届けします。

Biodiversity Day

11月16日は「Biodiversity Day 生物多様性の日」でした。 この日は、気候変動の影響を軽減し、緩和と適応、人と自然の回復力の構築に向けた自然ベースのソリューションを活用するため、陸上、淡水、沿岸、海洋の生態系における生物多様性を評価、保全、持続的に利用するための行動を促進し、制度化することを目的に、様々なイベントが開催されました。 議長国エジプトと国連環境計画(UNEP)が主催する開会式では、生物多様性と気候の結びつき(Present)、自然・気候・人間に

Global Stock Take(GST)の進捗

カーボン・クレジットの動向以外に注目していたのは、グローバル・ストックテイク(GST)の進捗でした。 そもそも「グローバル・ストックテイクとは何ぞや?」ですが、簡単に言うと「パリ協定の長期目標達成に向けた世界全体の進捗を評価する仕組み」です。 さらに具体的にいうと、締約国が定めている目標(NDC)に対する進捗状況を確認し、1.5℃目標に対して不十分であれば(まぁ、確実に不十分でしょう)、目標を引き上げていこうとする「野心度引き上げメカニズム」です。 GSTは、以下の3つ

COP27前のクレジット動向を確認(2)

COP27が始まって、メディアでもひととおりの報道が始まりました。 今回は、適応(Adaptation 7条)及び損失と損害(Lost & Damage 8条:通称ロスダメ)が主な論点であり、だからこそ、その議論の進め方に当たって、資金の出し手と受け手の間で意見の食い違いがあり、会議のスタートが遅れるといった、毎度おなじみの光景も見られました。 ですが、私の論点は「カーボン・クレジット」ですので、6条が本丸です。 何を決定すべきかについては、UNFCCCが10月25日に発

COP27前のクレジット動向を確認(1)

昨日から始まった、COP27。 仕事しながら、公式サイトでプレナリーのライブ映像をラジオ感覚で聴いていましたが、特筆すべき点は何も無し。(当たり前ですが) ただ、ベラルーシからの代表団が呼ばれたのに「ダレモイナイ」 「なかなかやるなぁ」 その前にウクライナが「ロシアが、全面的な戦争を仕掛けているため、排出量などの算定が難しくなっている。ウクライナ侵攻が気候変動対策での国際協力を貶めている。」と批判したので、さて、どう反論してくるのか、と期待したのですが。 閑話休題、実

COP27が始まりますね

気候変動に少しでも携わる人であれば、否が応でも注目せざるを得ない、気候変動枠組条約(UNFCCC) 第27回締約国会議(27th Conference of the Parties:COP27)が、11月6日に、エジプトのシャルム・アル・シェイクで開幕します。 第1週目(11/6~11/12)は、実務者(専門家)レベルの公式・非公式の会合が行われ、技術レベルの議論が終了します。それを受けて、第2週目(11/14〜11/18)には大臣レベルが集結、交渉テキストが数回更新された