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「G7広島サミット」国際メディアセンター(IMC)の設営および運営業務におけるサステナブルMICEの取り組み

2023年5⽉19⽇〜21⽇に開催された「G7広島サミット」において、株式会社コングレは、⽇本コンベンションサービス株式会社とのコンソーシアム(共同企業体)として、国内外の報道機関が世界に向けて情報発信するための活動拠点「国際メディアセンター(IMC)」の会場設営および運営業務を担当しました。
コングレはIMCにおいて、ダイニング、⾷のプレゼンテーションコーナー、最新技術の展⽰、メディアの方々への移動手段の提供、開所式、アフターサミットにおける企画・運営業務を担い、フードロス削減などのサステナブルMICEやレガシー創出などに取り組みました。

また、コングレは「G7広島サミット」の会場設営・会議運営全般も担当しています。その記事はこちらをご覧ください。


国際メディアセンター メインエントランス (広島県⽴総合体育館(広島グリーンアリーナ))
共⽤ワーキングスペース

国際メディアセンター(以下、IMC)は、世界各国のメディアの方々の報道拠点として広島県⽴総合体育館(広島グリーンアリーナ)に設けられ、取材活動の傍ら、⾷事や文化、歴史、先端技術など、⽇本と開催地広島の魅力に触れていただく場にもなりました。

ダイニングなどで地元食材と日本の食文化をアピール
~フードロス削減の取り組みも

IMCでは、国内外のメディアの方々に、地元食材と⽇本の⾷⽂化を存分に楽しんでいただく企画と同時に、食に関するサステナブルMICEの取り組みも実施しました。

⽇本⾷を⼀⼝サイズで提供する『プレゼンテーションコーナー』では、和⽜、寿司、ラーメン、和菓⼦、広島の牡蠣、レモン、⽇本酒、地ビールなど、メニューを日や時間によって変えながら様々な演出を施し、多くの⽅々に食を味わいながら楽しんでいただきました。もちろん、提供用の紙皿・紙カップには、環境にやさしい資材を使用しています。

毎回⼤盛況のプレゼンテーションコーナー
「瀬⼾内さかな」の魅⼒を実演でお届け

ダイニングスペースでは、「広島サミット県⺠会議」(広島県や広島市、広島の経済・交通・医療などのさまざまな分野の関係団体で構成された官民一体の組織)と協議の上、地元⾷材をふんだんに使ったメニューを提供しました。⾷事卓には、食材が育った環境や食材を活かした調理工程などを解説したQRコードを設置。メニューや⾷材の紹介にとどまらず、日本の食文化や食を通じたサステナブルMICEの取り組みを効果的にアピールすることも、重要な仕事です。

広島県産の⾷材を使った料理
広島県産の食材や材料を細かく記載したボードを料理ごとに設置

また、コンベンション開催において長年の課題であるフードロス削減にフォーカスし、ダイニングの生ゴミ排出量削減を実施。広島県三次市の「せとうちコンポスト」と協力し、調理過程で出る廃材や⾷べ残しを、広島県の浄⽔場で濾過する際に排出される天然泥に混ぜ、熟成された栄養価の⾼い⼟にして地元の農家や牧場に寄付しました。この取り組みは地元メディアの高い関心を呼び、サミット後にコングレ社員のインタビューがテレビ番組でも放送されました。

フードロス削減の取り組みをパネルと実物で紹介
調理過程で出る廃材や⾷べ残しをキッチンに置いたブルーシートバックの中に⼊れて農場や牧場に寄付

さらに、世界各国から集まるメディアの⽅々が24時間いつでも⾷事できるよう、ワーキングスペースには、おにぎりやパン、お弁当、⺠間企業にご協⼒いただいたカップ麺、ドリンク、スナック菓⼦、カップみそ汁などを設置しました。
会場で配布しきれなかった品々は、広島県のフードバンク「広島こども食堂支援センター」と「FOOT&WORKソーシャルガストロノミー フードバンクゆるティ」に寄付し、お礼状を頂戴しました。

ワーキングスペースに⾷品やウェットティッシュなどを設置
ワーキングスペースのケータリングコーナー

80以上の展示企画~日本や広島の伝統・最新技術、平和への想いを世界に発信

IMCでは、「平和な社会の実現、持続可能な未来づくりに向けた日本の取り組み」「日本の伝統文化・食などの魅力を世界に発信」をテーマに、日本政府・地方自治体・企業・団体による広報展示が実施され、原爆ドーム内部のVR体験、カーボンニュートラル実現に向けた取り組み、茶道体験、広島和⽜や牡蠣の試⾷などが⾏われました。

30以上のコンテナハウスを設置して、企業や団体がカーボンニュートラル実現に向けた取り組みなどを展⽰(於︓サンクンガーデン)
企業や団体による「⽔素」に関連する技術の展⽰コーナー (於︓武道場)

また、「広島サミット県⺠会議」は、IMC内に『広島情報センター』を開設し、世界のメディアに向けて広島の技術、伝統工芸、食などの多様な魅⼒や被爆の実相などを発信しました。今回のサミットでは、各国⾸脳やそのパートナーなどが平和記念資料館を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花するなど、世界に向けて改めて平和への決意が示される中、IMCにおいても、広島平和記念資料館が所蔵する現物資料や被爆からの復興を伝える展示、被爆体験の継承や平和の尊さを訴える取り組みの展示などが行われました。

広島情報センターに設置された被爆に関するパネルや現物資料の展⽰
原爆投下前後の広島を写す⼤型パネル

メディアの方々のシャトルバスに環境配慮のバイオディーゼル燃料を使用

当社は、各国から訪れたメディアの方々の移動に関する業務も担当し、環境に配慮した移動を実現するため、以下の取り組みを行いました。
1. 公共交通機関で移動が可能な時間帯は、公共交通機関の利用を促進
2. 深夜帯およびラッシュ時間帯に限り、メディア用のバスを運行
3. 環境配慮の観点と、実証的な取り組みとして、一部の車両に株式会社ユーグレナの次世代バイオディーゼル燃料『サステオ(※)』を使用
※地上にある生物資源(バイオマス原料)から製造され、大気中の二酸化炭素を再利用できる仕組みのバイオディーゼル燃料

次世代バイオディーゼル燃料を使⽤したシャトルバス
次世代バイオディーゼル燃料を補充する様⼦

社員の現地滞在もサステナブルに

G7広島サミットの開催を支えた関係者は1日あたり数万人にのぼるため、サミット期間中の市内の宿泊施設は満室が見込まれました。そこで、IMC運営業務に携わった当社の社員は、サミット終了後に取り壊しが予定されていたマンションの空室を借りて業務にあたりました。
1か月超の滞在になる社員もいたため、ホテルと同等の快適な住環境を社員に提供できるよう、必要な備品などは新たに購入。使用した備品は、退去時に廃棄するのではなく、広島県社会福祉士会に寄付しました。そこでは、ホームレスや自立した生活が困難な高齢者や障がいのある方々の生活サポートに役立てていただき、同会からお礼状を頂戴しました。

広島県社会福祉⼠会に寄付した物資

サミット関連施設を公開するアフターサミット見学会

サミット閉幕後、県内⼩・中・⾼校⽣や地元在住の⽅々に、関連施設の⼀部を公開する「アフターサミット⾒学会」(外務省と広島サミット県民会議の共催)が開催されました。参加者はサミット講座を聴講後、メイン会合の会場からIMCへ運ばれた⾸脳会合の円卓と椅子に触れたり、政府広報展⽰や広島情報センターを⾒学したりと、国際会議の雰囲気を満喫できるプログラムとなりました。

⾸脳会合で使⽤された円卓に座る⼦どもたち (出典︓「外務省G7広島サミット事務局」公式Twitter)
サミットで世界に発信された内容を⾒学する⼦どもたち

国際会議では、会議での議論や交渉のほかにも、開催地の魅⼒を世界に発信し、地元の市⺠や⼦どもたちが参加するプログラムなどを実施して地域活性化を図ったり、SDGsへの取り組みを積極的に⾏ったりと、有形無形のレガシ-を残すことが重要な開催意義とされています。
コングレは、メディアの⽅々が広島の地で、安全に快適な取材活動ができるようサポートするとともに、社会貢献や次世代育成につながるレガシーを残すことに関わることができ、関係の皆さまのご⽀援、ご協⼒に深く感謝申しあげます。