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電車内からみた日本人の心理




先日、電車内でこんなことに遭遇した。

私の隣に座った女性が座ってまもなく徐に化粧道具を取り出して、なんと下地からメイクをし始めたのです。軽くアイラインやアイシャドウを引いたり手直しをするならばまだ分かるのですがしっかりメイクを隣でさせると何だか気になって仕方ありません。まあ迷惑かそうでないかというと直接迷惑はかけていないのでセーフなのかなと思いますが、ただ各所で車内で化粧をする行為を迷惑だと捉える人がいるのも事実です。


しばしば電車内で迷惑だとされている行為は

・車内での飲食

・車内でのメイク

・ドア横に立って占領すること


などが上げられます。

しかしこれらが何か他人に対して心的な不快感を与える行為か?と聞かれると全く以て一方的な不快の押しつけではないかとも思われます。


まず、飲食ですが車内でおにぎりやサンドウィッチやハンバーガーといった片手で食べられるものに関して車内で食べることは宜しくないと言いますが、これが新幹線やグリーン車ではどうでしょうか?当たり前に食事をしています。つまり食事してよい電車とそうでない電車があるのは不思議なことです。何か食事をしていけない明確なルールがあれば納得ですが、単に不快だからというのは腑に落ちない。イギリスに居た際にアンダーグラウンド内で飲食をする人を何ども目撃した。紳士の国でも車内で飲食をすることはマナー違反ではないようだ。と思いきや台湾では車内での飲食は一切禁止なのである。MRT(台湾の地下鉄)の車内には監視カメラがついており、迷惑行為(痴漢やスリ、置き引き)の他にも飲食の抑制の為設置されている。もし飲食をしてしまうと降りた駅にて駅員に呼び止められ罰金を支払われる、または厳重注意を受けるそうです。国によって大分違います。


そしてメイクですが、こちらもメイクする側ではなく周囲が不快に思うからということで迷惑扱いされている。しかし個人的には他人に見られながらメイクをすることが自分には出来ないと感じてしまいます。もちろん男ですからメイクすることは今後無いとは思うが、どんな場面でも他人から見られながら何かをすることはすごく勇気がいります。メイクしている様子を動画にupしている人もいるが、人に見せていることと人に見られていることは大分印象が違う。人に見せているということは意識があるかないかで大きく変化します。人に見せているなら配慮が伴います。見られていることは配慮がない状態であるため、他人からすれば不快に感じるのでしょう。以前地下鉄のコマーシャルにて電車内で化粧をするのはみっともないという宣伝がありました。しかしこれには多くのクレームや意見が届いたそう。内容は上記にあるように「電車内で化粧をすることは誰に迷惑をかけているのか?」「他人の行為に口出しをするな。」「時間が無い中で女性はメイクをして働いているのにそれを逆撫でするようなことを言わないで欲しい。」など様々でした。私もこのコマーシャルについては制作側に女性のスタッフがいなかったのだろうか?意見できる女性のリーダーはいなかったのだろうか?なんて考えてしまった。全部が男の都合で作られている訳ではないだろうが、一方的な「みっともない」というまるで迷惑をかけている様な発言をされるとやはりカチンと来るのでしょう。コンプライアンスの厳しさは年々増してきて自由な発言がしにくくなっているとはいえ、相手にとって不快さを与えない広告はいつの時代も求められてきた。しかしふと相手側に立つと「これはないんじゃないか」なんて思うものも多くある。広告やサービス業にとって相手側に立つことこそ一番必要なことではないか。


そして最後のドア横の占領に関しては確かに乗り降りする際にすごく邪魔になってしまうので奥から詰めて乗り込んで欲しいのだが日本人特有なのか、やたらドア横の立ち位置は人気がある。椅子が既に満杯で立っている人がいない場合、多くの人はドア横に立ちます。何故かつり革のある座席前ではない。ドア横に安心感を求めているのでしょうか?最もガラガラの電車で乗客はまず端の座席に座ります。何故か?


https://shuchi.php.co.jp/article/3716

こんな記事がありました。これはパーソナルスペースに関した記事です。日本人は端に座ることを好む性質があります。それは他人と距離を空けておきたいという思念からです。日本人はどんなことにも距離感を重視します。他人やものに対してどれくらいの距離で接するか。それは実際の距離や相手との心的な距離とあらゆる場面で距離が出てきます。仕草や会話で距離を詰めたり、距離を空けたりします。なので日本人は欧米人のスキンシップに慣れない場面に遭遇します。欧米では初対面でもハグをしたりします。しかし日本人は初対面の人間に対しては敬語で話しかけ、徐々に打ち解け合う性質があります。つまり相手に対して慎重なのです。そして苦手な相手でも距離を空けるなどしていきなり突き放すのでなはく徐々に遠ざかります。これも特有の性質です。

行動学に基づいた日本人はかなり世界的にも異質さが際立っています。


といった訳で日本や日本以外では電車内でのルールは多種多様です。しかし何でもかんでも禁止したり他人の行為に対してイチャモンや干渉することは好ましくありません。乗る側の意識で周囲の環境は変わります。しかし他人から見て乗客の行為が理由もなく何となく不快だからという理屈で文句を言われるのは筋違いな気がします。日本というマナー厳守な国が外国から評価されている一方で日本に住む国民は常に他人の目を意識して行動しないといけません。ある種の監視社会です。無論犯罪の抑制に大きな役割を果たす一方で、あらゆる行為に対しての理不尽なクレームも増えています。公共の場でのマナー意識はどうすれば万人が苦痛無く過ごせるのでしょうか?


考えても答えもキリもないのでただ本を読みながら電車内で過ごしています。

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