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東洋思想にハマる欧米人たち

近年欧米人が日本のお寺や神社を巡る事が話題となっている。 昨今のSNSの発達でそれまで知らなかった日本の神社仏閣に興味を持つ欧米人が増えた。そして仏門修行体験などに参加している。日本人でも若い女子を中心として御朱印を集めることがステータスとなりつつある。そして日本のみならず台湾やタイといったアジアの寺院を巡るツアーが欧米人に盛況だそう。

しかし何故今欧米人は日本ならびに東洋の宗教を知ろうとするのか?我々日本からすれば神社仏閣は古くから我々の生活に馴染み、季節の都度参拝に行く場所である。そして日本人なら人生の節目、結婚式やお葬式は神社仏閣で行う。生活に欠かせない場所である。一方欧米人はキリスト教を信仰している人が多い。彼らのお寺や神社は教会である。毎週日曜日の朝にミサに行く。そして教会で結婚式やお葬式を執り行う。またイスラム教は礼拝を行うモスクという建物がある。そしてラマダンといった儀礼に倣って生活を行う。

宗教は異なれど要所では似たような形式があるのだ。ではキリスト教やイスラム教を信仰している彼らがアジアの仏教をどの様な視点で捉えているのか?

カンボジアで出逢った瞑想を行う欧米の女性。瞑想は仏陀が悟りを拓いた頃から行われている。仏教では中道思想というものがある。それは修行のため一切の断食をしていた仏陀が途中スジャータという娘から牛の乳(ミルク)を貰った事がきっかけで
やり過ぎても物事は良くない。ほどほどで十分なのだという考えから来ている。これは道家思想にもある無為自然と似ている。

中道も無為自然も頑張りすぎない事が良いという戒めを思想として教えているということにある。これは現代社会において優劣を競わされる我々にとってはとても励みになる考えではないか?

現代社会において会社でも学校でも優劣は必ず付いてくる。それにうんざりしてしまっている人も多い。そこに光を差したのは東洋の思想なのだ。人間を説いた西洋の思想とは異なり物事の流れを無理せず過ごすという考えに多くの欧米人は感化されたと思われる。頑張ることへの虚無感、理想と現実の乖離による苦しみや葛藤。弱者が置いてけぼりの現実に救いをもたらしたのはこれらの思想だと思われる。
効率を求めた現代社会において非効率で良いという考えはウケること間違いないのです。そして人の目を気にして生きる人間にとって自分そのものを解らせてくれる思想はいい薬なのです。

自分をカウンセリングする東洋思想にハマる欧米人。
これからも増えていくこと間違いないでしょう。

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