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企画事例:人を動かす!プレゼンテーションの極意

100%共感プレゼン――興味ゼロの聞き手の心を動かし味方にする話し方の極意』を出版した三輪開人さんのお話を聞き、大変良かったので、講座を企画・提案をすることにしました。折角なので、どう考えどう作るかを書いてみます。

自分の目で見極めて依頼する

私は実際にお話を聞き、自分の目で見極めてから登壇を提案することが多いです。その際には、主に以下のような点を見ています。

・話の内容が実践的で役立つ
・話し方や資料が伝わるようになっている
・伝えることに真摯に取り組んでいる
・登壇の動機が見出せる

下手な人の登壇を企画すると、参加者や私に仕事を依頼する人の信用を損なうので、自分の目で見極める必要があると考えるからです。

話す内容は記事や著書を読めば分かりますが、参加者に伝わるように話しているか、内容に地肉となっている経験の裏打ちがあるか、「自分がこれを伝えなければならない」と心から思っている使命感のようなものがあるかなどは、なるべく自分の目で見た方がいいからです。

登壇者:人を動かすプレゼンのプロ

三輪さんは、E-educationという途上国の地方にいる教育機会に恵まれない子どもに映像教育で希望を届ける国際NGOの経営者で、ICCという投資家や提携先の候補の前で短いプレゼンテーションを行うスタートアップの登竜門的イベントで優勝した経験を持ちます。

彼の優勝プレゼンテーションはYouTubeで78万回再生され、三年前に登録された動画ですが、未だに「プレゼンテーション」で検索すると3番目、中田敦彦よりも上に出てきます。

プレゼンテーションを人に教えることもしており、コーチングを受けた人々も数々の成果を挙げています。また、対面のプレゼンテーションだけではなく、140文字のTwitterのキャンペーンでも選ばれるなど、アウトプットや伝え方の形が変わっても成果を出しています。

余談ですが、大学時代は東進ハイスクールのH先生のスタッフとして、4年間映像講義のコンテンツを作っていたそうで、その経験が伝える力のバックボーンになっていそうです。

内容:人を動かすプレゼンテーションのコツ

プレゼンの方法論を教える人が話すセミナーなので、内容そのものがプレゼンのお手本ともいうべき内容でした。

詳細は書籍と講座に譲るとして、大まかなアウトライン内容は以下の通りです。

・人は人を説得しようという過ちを犯しがち
・しかし、人は論理では動かない
・人を動かすには共感が大事
・共感を得るには「3つの壁」を乗り越えなければならない
1)そもそも興味がない→接点を見出す
2)自分には関係ない→接点になりうる投げかけを多くする
3)今じゃなくていい
 →今動くべき理由を提示(限定、先着、残り、など)
 →今すぐ気軽にできるアクションを提示(フォローなど)

ちなみにこれらは、H先生が唯一参考にしていた伝説の実演販売士、レジェンド松下氏のテクニックを参考にしているようです。

また、それをよりわかりやすく「私(Self)の物語」「私たち(Us)の物語」「今(Now)の物語」フレームワーク化した「Public narrative」という考え方も紹介されました。これは、オバマ前大統領が飛躍するきっかけとなったスピーチをコーチしたと言われるMarshall Ganz氏がつくりあげたもので、全文がWebで公開されているので、興味ある方は一読ください。

他には以下のようなTipsを話していました

・Goal・Target・Connectを決める
 →フック・ポイント・クロージングを明確に
・ターゲットが決まれば「話さなくていいこと」が決まる
・1分間のプレゼンで話せる文字数は概ね300~350文字
・Twitterの140文字で共感プレゼンの練習をすることもできる
・ところどころに「なぜ」という質問を投げかける

企画動機:応援+自分ゴト+ニーズ

スピーカーへの共感、自分への役立ち、参加者のニーズの3点が揃い、これを企画しようと思いました。

・個人的にこの話は多くの人に聞いてほしいと思った(応援)
・講師として登壇し、人に伝えることの多い私に取っても学びの多いものだった(自分の役に立つ)
・「伝えること」に課題を感じている人が多い(顔の見える参加者ニーズ)

「これは人が来そう」で作ってしまうと安易に流行りのキーワードで探し、いくらでも操作できる評価だけで中身のないものを世に出すことになるので、登壇者への共感や、自分の目で見ていいと思えるものを選ぶことは大事だと思います。

一方で、共感や「自分にとって良い」だけではニーズがないかもしれず、自分の周りで来そうな人が具体的に思い浮かぶかどうかも判断の材料としています。

どんな講座にするか

とりあえず30分ほどで考えてみた素案が以下のものですが、こんな風に作り、これを推敲した上で登壇者に提案します。

人を動かす!プレゼンテーションの極意

経営陣を説得する、顧客に提案する、投資家を魅了する、採用面接を勝ち抜くなど、ビジネスにおいては、人を動かさなければならない場面が多々あります。

緻密に論理を組み立て、プレゼン資料を作り込んでも、人が動かないということは多々あります。人を動かすために最も重要なことは「共感」、すなわち、心を動かすことですが、分かっていても、なかなかできることではありません。

そこで、"プレゼンの天下一武道会"と呼ばれる「ICC FUKUOKA」で優勝し、その動画がYouTubeで78万回再生された、国際社会起業家の三輪 開人氏に、プレゼンの極意についてレクチャー頂きます。

7月に出版した著書『100%共感プレゼン――興味ゼロの聞き手の心を動かし味方にする話し方の極意』より、誰でも人を動かすプレゼンを作れるようになる方法論を「シナリオ」「スライド」「トーク」「トレーニング」というプレゼンの構成要素ごとに、具体的にお伝えします。

◆この講座が役に立つ方
・経営陣や利害関係の異なる部署を動かす必要のあるビジネスパーソン
・顧客への提案力を強化したい営業の方
・プレゼンピッチなどに登壇する起業家、経営者
・採用面接で自分を短い時間で印象付けられるようになりたい方

◆この講座のポイント
・国内外の数々の場で人の心を動かしてきたプロの実践的な方法論

◆講師
三輪 開人 氏 (NPO法人e-Education代表)
1986年生まれ。早稲田大学法学部在学中に、同大学の後輩とともにNPO法人e-Educationの前身を設立。大学卒業後は、JICA(国際協力機構)で東南アジア・大洋州の教育案件を担当。2013年10月に退職し、e-Educationの活動に専念。2014年7月に同団体の代表へ就任。バングラデシュをはじめとした途上国14カ国で3万人の中高生へ映像授業を届けてきた。2016年、アメリカの経済誌「Forbes」のアジアを牽引する若手リーダー「Forbes 30 under 30 Asia」に選出。2017年にはプレゼンの天下一武道会と呼ばれる「ICC FUKUOKA」の「第一回カタパルト・グランプリ」で優勝。大手企業の経営者から大学生まで幅広い層の「話し方」の改善に貢献している。

どう提案するか

相手のキャラクターや、相手との関係性により、登壇の場を複数提案したり、複数の登壇動機を想定した提案にするなど、幅をもたせることもあります。今回は、自分の伝えたいことを広める支援をすることを基本に、その実現手段として、今回出版した本を、必要とするビジネスパーソンに広めることを支援することが、登壇を企画する側からの価値提案になると考えています。

ご紹介:オンラインセミナーの作り方

このような方法論をまとめた書籍を出しましたので、ご興味あればお手に取ってみてください。


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