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最もゆるい、コンテンツのつくり方

私が実際にやっている、時間をかけて「ゆるく」セミナーコンテンツを作り上げていく方法をご紹介します。

真面目に考え杉問題

オンライン、オフラインに限らず大量のセミナーを自ら作り、色々な相談にも乗りますが、最近感じるのが「みんな真面目に考え過ぎ」ということです。

もちろん、仕事の案件は厳密に詰めてやりますが、ボランタリーな活動や個人のライフワークなどは、そこまででなくてもいいでしょう。

お金の面やゲスト関係など何であろうときっちりすべき部分もありますが、肩の力を抜いてもいいところまで根を詰め過ぎると、疲弊して続かなくなります。

気軽に続けながらコンテンツ自体の質を上げていく方が、結果としてより良いものになったりすることもあります。

ぜひ試してみてください。

まず知り合いにお披露目

最初は、そのコンテンツのターゲットに近い知り合いごく少数で、できれば少額でも有料でやるのがいいでしょう。

改善点は自分で気づくものが多いてすが、参加者にも実施後たっぷりフィードバックをもらえるよう予めお願いしておくと、参加者視点でコンテンツの改善点を得られます。

この時点ではまだレクチャーとしての完成度は低いかもしれないので、少人数の相談会のような形の方が良い場合もあるでしょう。

私が本にしたセミナー企画の方法も、最初は2年前に知り合い2人に、一応有料で実施したのが始まりです。

概要
・ターゲット属性に近い知りあい少人数
・出来れば安価な有料
・完成版より長くして双方向の時間取る
効果
・発信ができる
・新たなファンができる
・参加者の要望やアイデアをもらえる

プロセスをイベントにする

セミナー準備段階での検討内容には、ああでもないこうでもないと雑多なアイデアを出す部分や、より掘り下げた情報を引き出すヒアリングなど、聞いていて面白いものもあります。

話の流れに任せ、特に資料は用意せず、むしろ話の内容をメモに残していくなど、殆ど負荷をかけなければ、オンライン会議と同じ工数でより多くの価値を得られます。

内容
・ヒアリング
・ブレスト
概要
・ターゲット属性に近い知りあい
・無料が多いが、安価な有料の場合も
・準備ほぼなしの超低負荷運営
効果
・発信ができる
・新たなファンができる
・参加者の要望やアイデアをもらえる

プロトタイプをイベントにする

本番でプロトタイピングを行います。

検証結果によっては方向性を変えることがあり、完成度はまだ途上にあるという前提で、モニター価格で実施します。

無料だと参加側も本気度が下がりますし、本気度の高い人にとっては、熱量低い人がいると思われるため、有料の方が良いでしょう。

収益目的ではないので、安価で良いです。

安くする名目として、モニターとしてのフィードバックをもらうことを前提とします。
また、まだ試作版という期待値コントロールもします。

最終版の想定より長い時間にしておき、徐々に圧縮します。

概要
・お披露目より広く、SNSなどで告知
・モニター価格で提供
→開発途上、ヒアリングお付き合い前提
・10-20人以下の少人数
・完成版より長くして双方向の時間を取る
効果
・締め切り効果で強制アウトプット
・一通り流して改善点を洗い出す
・参加者の反応を見る、生声を引き出す

2週間で3回の改善を回す

初期段階では改善できる幅が多くあるので、2週間程度の間に3回ほど同じものを回すことがあります。

1回目:改善点を洗い出す
2回目:改善点を反映したものを実施
→残された課題を洗い出す
3回目:ほぼ完成版

短期集中の狙いは、記録しても忘れてしまうので、頭の中に残像が、心の中に後悔が残っている熱い内に叩いておくということです。

但し改善点そのものは、終了直後に書き出し、事象のみならず、原因、改善策まで言語化しておき、資料修整などすぐ対策可能なものは即座に対応しておきます。

時間の尺を変える

同じ尺で続けていると、枝葉末節のブラッシュアップばかりになるので、例えば90分のレクチャーを180分の徹底解説編にしてみたり、逆にそれをまた90分に削ぎ落としたりします。

長くする:頭の中のものを出し切る
短くする:エッセンスと根本の構造に削ぎ落とす

客層を変えてみる

普段と違う客層の場所に登壇して、コンテンツを強制的にブラッシュアップするのも良いでしょう。

頭の中ではなくリアルな視聴者に直面すると、リアリティをもって変更の必要が把握できます。

初心者や異分野の対象であれば、前提知識がないのに合わせて構成、言い回し、図表を変えなければなりません。

上級者ならより詳しい説明が求められます。どちらも学びがあります。

ワークショップにしてみる

複数回ブラッシュアップし、多面的に見直していくと、だんだん自分の中で改善点が見出せなくなります。

完成度の高まりもありますが、視野が固まっているのもあるでしょう。

精神論は意味がなく、環境を変えるために、ワークショップにしてみます。
参考書を書いた後に問題集を作るようなものです。

ワークを設計し、ワークシートを作ると、自分が伝えたいことが伝わった状態をどう定義し、それが対象の頭の中にどんな形であってほしく、それをどう自然に可視化させるかなど、全く別の視点で考えることになります。

話を聞いているだけでは分かった気になっている参加者も、アウトプットしてもらうと出来なかったりします。

どこがどう伝わらなかったのかなどを引き出すこともできるでしょう。

ワークショップ自体は双方向のものなので、一般的なニーズをより深く引き出すこともできます。

対談する

他の専門家と話すことも、強制的にブラッシュアップの機会を与えてくれます。

・自分の知見の新たな視点で捉え直してもらう
・自分にない視点を得る
・掛け合いから新たな着想を得る

同じ分野、似た分野、敢えて違う分野など、色々可能です。

文章にする

スライドは要点と絵図でごまかせる部分があるため、以下のような改善点を見つけるために文章にしてみます。

・論理の抜け漏れ
・言い回しの工夫
・事例の詳細

文章でしっかりと構成できると、図をより分かりやすく描けたりもします。

書いた後にまた登壇の機会を作り、そのために資料を再構成してみると、新たな改善点が見えてくるでしょう。

記事を書く

編集者など第三者の視点が入るメディアで、文章の形でコンテンツをブラッシュアップするのも良いでしょう。

編集者に提案する中で、自分のコンテンツと市場の接点を見出すこともできます。

取材を受ける

取材は、編集者などの第三者が自分にインタビューして考えを引き出してくれるので、コンテンツを深掘りし、新しい方向から光を当ててくれます。

また、他の人の観点で構造化され、新しい表現を与えられます。

それを見て再び自らの頭を整理出来ます。

本を出版する

出版企画を通すのも書くのも大変ですが、以下のようなベネフィットがあります。

・8万〜10万字という大量の文章にする
・構成を練らなければならない
・事例や絵や図表も大量に作成
・市場性を問われる
・編集にディレクションしてもらえる

上記で述べた取り組みをしていれば、材料も揃っており、頭の中も整理されているので、ゼロからよりは書きやすくなっているはずです。

コンテンツをブラッシュアップするのと並行して、出版企画を書くところから初めてみるといいでしょう。

書籍:オンライン・セミナーのうまいやりかた


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