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2022年の人事周りのトピックス

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。弊社も企業の人事制度構築や人材育成のお手伝いをするようになってから10年程経ちました。
これもひとえに、こちらをお読み頂いている経営者や企業人事の皆様のおかげです。改めてお礼申し上げます。

さて、弊社なりに2022年の人事関連の展望を「採用」「人事制度」「人材育成」「組織開発」の4つの視点から簡単に書いてみたいと思います。
戯言としてお目通し頂ければ幸いです。

採用の話

昨年(2021年)4月22日(木)ビジョナル株式会社が上場しました。ホワイトカラーの求人サービスを手掛ける株式会社ビズリーチを傘下に持つ同社の躍進は、ホワイトカラー人材の流動化が拡大していることを示していると思います。
上記が意味することを企業、民間のマッチングビジネスプレイヤー、ホワイトカラー転職者の3者から考察してみたいと思います。

企業の視点からみると、ホワイトカラー労働市場が拡大している主な背景として 

1:内部労働市場で必要な労働力を確保することが難しくなったこと 
2:少子高齢化が進み、新卒者の絶対人数が減ってきたこと 
3:即戦力人材(中途採用)のニーズが高まったこと

上記3点が挙げられます。

1については、必要な経験・知識・技術が目まぐるしく変わっている為、機能的柔軟性を発揮することが難しくなり、頭数の柔軟性に頼らざるを得なくなっている事です。2019年にトヨタ自動車社長の豊田章男社長の「年功序列を維持することができない。企業にメリットが無い」等の発言が状況を現していると思います。

2についてはベネフィット・ワン調査の「就職希望新卒者の推移予測」によると、減少の一途を辿ることが読み取れます。これは確度の高い未来です。

3については、リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2018 n=4,413)」の結果によると、2013年回帰には56.2%の実施でしたが、2018年下期になると76.3%の企業が実施しています。
このことから、中途採用市場は拡大していると言うことができそうです(ただし、本調査の属性が必ずしもホワイトカラーではない事に注意が必要です)。 

民間のマッチングビジネスプレイヤーの視点からみると、民間の有料職業紹介事業者数は、リーマンショックの影響で2011年に1万6613事業所と底を打って以来上昇を続け、2017年時点で2万1867事業所と増加の一途を辿っています。このことが意味することは、やはり市場の拡大だと言えそうです。 

ホワイトカラー転職者の視点から見ますと、総務省が労働力調査の詳細集計の結果から転職者の状況をまとめた統計から転職者数の推移は、2006年、2007年(ともに346万人)をピークとして、2008年のリーマン・ショックの発生後、2010年にかけて大きく減少しました。2011年以降は緩やかな増加傾向で推移し、2019年は351万人と、比較可能な2002年以降で過去最多となりました。ホワイトカラーだけのデータではありませんが、一定の傾向は読み取る事ができ、この動きは2022年以降もより加速していく事が予想されます。 

人事制度の話

「『ジョブ型雇用』に対応した人事制度を」もう食傷気味なフレーズですが、「労政時報」や「人材教育」の様な月刊誌を見ると、まだまだホットワードであることがわかります。
実際弊社への仕事の依頼の半分は「人事制度の構築・改定」であることからも、現在各社急ピッチで進めていることが伺えます(大手企業はひと段落し、現在は地方有力企業が手を付け始めているという状況であると思われます)。この手の話は「ジョブ型雇用の全て」(白井,2021)を一読頂ければ外観は掴めると思いますが、

①メンバーシップ型で作る
②メンバーシップ型に一部だけジョブ型の要素を入れたもので作る
③報酬だけジョブ型でその他はメンバーシップ型で作る
④報酬はメンバーシップ型で、ランキングや評価をジョブ型で作る
⑤報酬等一部だけメンバーシップ型で、あとはジョブ型で作る
⑥完全ジョブ型で作る

等を参考に、会社の状況や進みたい方向に合わせて作り込んでいく事が必要であると思われます。
2021年には、我流で進めた結果、不利益変更で問題が起きたり、管理職と一般社員の間に給与差が発生しなかったり、と言った面倒くさい問題が各所で起こっていました。我流で作る場合は、顧問社労士や弁護士とよく相談して進めた方が良いと思います。

少し話は逸れましたが、2022年も引き続き人事制度(等級制度・報酬制度・評価制度)は、大企業ではメンテナンスが、地方の有力企業では大規模な改修が行われる年になりそうです。

人材育成の話

2010年~20年にかけて、経営コンサルタント等が「私の経験上~」と言って提供する人材育成のノウハウは、全く当てにならないことが暴かれてしまいました。これは、教育学と経営学を融合させ、日本の社会人への科学的検証が
進んできたことが原因だと思われます。中でも中原淳教授(立教大学教授)とパーソル総研等のシンクタンクが組んで、企業の人材育成研究を進めてきたことが非常に大きな流れを作ったと言えそうです。
この大学教授とシンクタンクのコラボは、組織開発や人材開発を経営学の立場から進めてきた大学教授達にも広がりを見せ、企業の人材育成は科学的データや質的研究を根拠として語られる様になりました。

JILPTや人材版伊藤レポート等が出す優良な2次データも、これまでは大学等の研究機関とシンクタンク、一部の大企業経営企画部あたりでしか消費されてきませんでしたが、近年は中小企業に至るまで、それらの調査やデータが有効に活用され始めました。
また、大企業各社はピープルアナリティクスに着手し、データに基づいたタレントマネジメントを進め始めています。人材育成も一律に行うのではなく、現状を把握し、データに基づいて打ち手を明確にする事が求められ始めています。中小も今後は労働力の取り合いが加熱することが予想されることから、EXの話は対岸の火事ではありません。
2022年はこれ等の流れがより顕著となり、「自社にその育成手法がなぜ有効なのか?」が根拠を持って語られる場面が増えると思われます。コンサルの「私の経験上」は日本全国どこに行っても通用しなくなると考えた方が良さそうです。

組織開発の話

組織開発は「人事制度×エンゲージメントサーベイ・パルスサーベイより施策を検討×日常の1on1」で行う事が増えていますが、そのやり方に疑問を持つ経営者も少なくありません。リーダーシップをよく勉強されている経営者の方から

「小手先ではもう対応できない。外注が多いが、それらを外集団(LMX理論の話)と扱っているうちは真のパートナーシップは築けない。何とか内集団として扱っていく方法を考えなければならない」

「社員個々がキャリア自律を考えていく事で、内発的動機付けの中でもラーニング目標を持ってもらう、つまり単純にやりたい事をやってもらうということではなく、自分がどう成長したいのか、を徹底的に考えて頂く事が重要であると思っている」

等、しっかり勉強をした上でお話頂く事が増えてきていると感じています。
2022年は、とりあえず導入した1on1が機能しない問題や、離職加速問題、在宅勤務能率低下問題等が噴出するのではないかと思います。
「取りあえずやってみよう」の域を出られなかった企業が本腰を入れてテコ入れに動く、その為にはしっかりと勉強しなければならない、そんな2022年になりそうだと思います。

まとめ

好きな事をツラツラと書いてきましたが、御社は2021年にコロナ禍に振り回されない体制づくりをしてきたはずです。そして、それらの体制が整ってきた企業と、そうではない企業の差が明確に表れるのが2022年であると思われます。再度緊急事態宣言になった場合、貴社は問題なく営業できそうでしょうか。貴社はより発展しそうでしょうか。貴社人材は楽しく、活き活きと働けそうでしょうか。採用で貴社は選んでもらえそうでしょうか、貴社の人材育成は進みそうでしょうか、貴社の組織は健全に発達しそうでしょうか。


こんなところが、2022年の人事にまつわる見どころだと思います。

以上、本年もどうぞよろしくお願いします。


カトキチ@人材・組織開発コンサルタント
~2022年もどうぞよろしくお願いします~

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