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コンシーラーの私

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コンシーラの私(第十一章)

コンシーラの私(第十一章)

友達だった百合が病気になった。突然の出来事。百合は、病名について詳しくは教えてくれなかったけども、そう伝えられた。

百合は良い物をいつも身につけていた。ブランド物の服装は避けていて、本当にいい物を自分で見つけ出して身についている感じ。そんな百合からプレゼントをもらったことがある。

「瑠璃にプレゼントがあるんだ!ベトナムのブランドを扱っているセレクトショップで見つけたんだけど、よかったら身につけ

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コンシーラーの私(第十章)

コンシーラーの私(第十章)

なまぶ意味

人は、なんでそんなに学びたいと思うのだろう?別に学ばなくても、生きていけるしなんの不自由もない。

でも、なんで学びたいと思うのか?昔、ひいおばあちゃんと本屋に行ったことがある。ひいおばあちゃんは、戦争中、勉強ができなかったと教えてくれた。ひいおばあちゃんが、本屋で色んな本を10冊くらい買っていたときになぜか感動した。勉強できない辛さ。やりたいことがあるのに、その当時、知識がなかった

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コンシーラの私(第九章)

コンシーラの私(第九章)

クリすます

私は、クリスマスになると寂しさがこみあげてくる。それは、他の人が考えている寂しさではなくて、洗脳されている日本人の中で一人、変えられない世の中でうごめいているから。

また、同じ何十年も続く洗脳を促す楽曲が街中でかかりだす。

「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう」ここまではいい。次からが問題だ。「きっと君はこない。一人きりのクリスマスイブ。心深く秘めた想い叶えられそうにない」君って

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コンシーラの私(第八章)

コンシーラの私(第八章)

ファッションセンス

私のファッションセンスは、全部、自分自身で決めてきた。雑誌やインターネットから影響を受けたことはない。

中学生のころから、自分に似合う色はどれで、似合う形はどれなのか、鏡を見ながら自分自身でチェックしてきた。気分によって、服装も変えて、黒が似合う日があれば、ピンクが似合う日もある。フリルな気分の日もあれば、ボーイッシュな時もある。

だけど、人の真似はしたことがない。自分に

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コンシーラの私(第七章)

コンシーラの私(第七章)

葛藤テレビ

葛藤:人と人とが譲ることなく対立すること。争い。もつれ。

私は、小学生くらいから、日本のテレビをまったく見たことがない。液晶テレビは、毎日、葛藤が渦巻いている。つまり、ほとんど全ての日本の放送が、エンターテイメントではなく、人と人の対立ばかり垂れ流しにしているから。

幼少の頃、父親から、BBCのラジオを聴くように教えてもらってから、BBCが提供するラジオのアプリダウンロードして以

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コンシーラの私(第六章)

コンシーラの私(第六章)

クラブチーム

私は、高校時代の部活にフットボールを選んだ。ちょうど、なでしこジャパンが、
世界一を獲った頃だったから、勢いで入部してしまった。チームメイトから瑠璃は
最高の天才ドリブラーになれるとか言われて、ポジションは、攻撃的ミッドフィルダーとして活躍した。チームも結構強くなって、全国大会まで出たから、大学では、もうフットボールはいいかなと思っていた。

だけど、インスタで見つけた、アジア系イ

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コンシーラの私(第五章)

コンシーラの私(第五章)

あるバイト

大学も落ち着いてきて、時間もできてきた。ショッピングをしていると、あるセレクトショップで見つけた、手作りのコートが目に飛び込んできた。「これ、欲しい。」

刺繍もちゃんとしてあって、ウール100%のコート。コートから温もりを感じた。でも、値段が10万円。さすがにお父さんやお母さんにおねだりできる価格ではない。それだったら、バイトを始めよう。わたしは、昔から人見知りだったから、うまく人

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コンシーラの私(第三章)

コンシーラの私(第三章)

第三章 まなび

大学での勉強はというと、一年のときから、知り合いになった教授のもとで、簡単なレポートを作成して、プレゼンテーションをしていた。教授は、北欧で博士号を取得したためか、私からみて、頭のやわらかい人のように思えた。教授の授業は、
まず、自分で課題を考え出さないといけない。

教授は、いつも自分で物事を判断するように言っていた。「IKEAを見てみるとわかるだろう?自分の空間をいかに住みや

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