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【 #現代4コマ 】東京大学五月祭へ行ってきた

なんと無機質なヘッダー……。

安田講堂の4コマ

はじめに

 2024年5月18・19日に開かれた東京大学の学校祭、五月祭。その催し物のひとつ「コミックアカデミー」にて、現代4コマの同人誌を頒布するとの告知がなされました。

今回の記事は19日に現地へと行った記録です。丁寧なレポは現代4コマアカウント運営者の人生さんが書いてくださっているので、基本的にはさらっと書き、私が何かはなしたところ等を肉付けしていこうと思います。

東大に到着

 1日目の時点で8割方頒布し終えたとの情報があり、旅の目的は同人誌の購入ではなく実質的なオフ会への参加に絞られることになる。
注意:楽しみすぎて記録はおろそかです。変な写真数枚しかありません。

東大前駅にあったタイル画(タイトルはわからず)
新印象派的な分割主義に目覚めたデ・キリコ

 10時過ぎごろ。五月祭来たぞ! 看板の色合いとかデザインとかとてもいい。

ポチャン

 会場の工学部8号館2階88号講義室を目指して歩く。始まったばかりなのに人が多い!

人との邂逅

 会場の部屋に入ると、4コマの同人誌を売っているブースが。東京大学現代4コマ研究会のきのじさん、そして前日もいらしていたというqpdbさんと対面。
 このあと雀100さんぷらりねさんも合流! はじめましてではないけどはじめての感覚。不思議な体験。そして2日目スタートから1時間も経たず、同人誌は売り切れた。すごい。なくなる前に見せてもらったのだが、とても良いものに仕上がっていた。

4コマ

続々来る、いとととも来る

 同人誌を頒布し終え人は増えと、ブースの物寂しさと反比例して人口密度が高くなってきたころ、他に来る人たちを8号館1階入り口前で待とうということに。ほどなくして人生さん、そして現代4コマの創始者であるいとととさんも合流。いとととさんにウォーホルに関する本をいただいてしまう。

めちゃくちゃよかった
感想はまたどこか別のところで

 さらに朽羊歯ゾーンさん鯏副社長さんも加わり集合写真を撮った。エモい。

ℒ𝓊𝓃𝒸𝒽 𝓉𝒾𝓂𝑒

 鯏副社長さんは撮影後すぐに離脱されてしまったが、昼食を摂った某イタリアンレストランではんぷとらさんが加わった。きのじさんは別用で来られず。

赤門

 いとととさん、人生さん、朽羊歯ゾーンさんと同席する。いろいろお話ししたが、流れで私の作品が掲載されている詩雑誌を見ていただくことに。ちょっと恥ずかしかったけどみんな楽しんでくれていた気がする。

 あとは抽象画からは何を読み取ってもいいというはなしをいとととさんと展開し、人生さん、朽羊歯ゾーンさんに聴いていただいていた。もちろん絵画に込められた想いやバックストーリーはあるはずだが、抽象画とは非対象、無対象、絶対象の絵画。基本は具体的な対象を描いていないものであるため、そこからはいろいろなことを読み取れる。
 しかし対象物を描いていないものだからいって、本に載った図版だけで満足してしまうのは何か違う。特に実際に観たときの迫力は味わっておきたい。(作品にもよるが)大きさは重要なエッセンスのひとつで、たとえばマーク・ロスコの単純な色面で構成された絵画は、相対すると意外にもでかいことがわかる。
……とかなんとか他にもたくさんおはなしをした。

東大を巡りつつ、緩やかに解散

 人生さんとはレストランでお別れし、そのあとは東大構内を歩き回った。きのじさんとも合流、途中でいとととさんのお知り合いにもお目にかかった。

4コマ
段さ有り

 構内にいる間にqpdbさん、外へ出たあとにぷらりねさん、いとととさん、んぷとらさんと別れる。私と朽羊歯ゾーンさん、きのじさん、雀100さんの4人でゆっくり食事できるところを探すことに。

ハンバーガーチェーンにて

 やっと見つけた緑色の某ハンバーガーチェーン。閉店時間の21時までいろいろおはなしをした。なかでも私が挙げた話題で、よく憶えているものはおもに以下のふたつ。

●インターネットを通じた出会いがこの日の対面につながったこと

 私は現実の世界とインターネットの世界とをあまり区別したくなく、良い出会いならどちらにおいても大事にしたいと考えている。インターネットを非現実的な空間とする考え方を否定はしないけど、現実世界とそれとは良くも悪くもつながっているものだと思う。(拡張現実としてのインターネットですね、といった感じにきのじさんがうまくまとめてくれた)
 「現代4コマ」の旗印のもとクラスタ的に集まった、異なる理念や技術をもつ現代4コマ作家たち。インターネットは拡張現実だとはいえ、実際にお目にかかるまでには「彼らは実在するのか」という一抹の不安があったことは否定できない。しかしみな確かに存在する人たちなんだ! ということを噛み締めることができた1日だった。この出会いに感謝しなければならない。

●んぷとらさんのとある作品は、私の考えている4コマ観のメタファーとしてぴったりであること

 いったん席を離れて戻ったとき、朽羊歯ゾーンさんが型よりももっと曖昧なもの(だったかな?)のことを抽象的と表現されていた。途中からしか聴いていないため大筋を掴めていない……すみません。そこで現代4コマにもそんな考え方はあるよ、ということを伝えたくてはなしはじめた。

 諸事情ありまだ未発表だったのだけど、私は「概念の4コマ」という装置の存在を提唱しようとしている。これの解説にんぷとらさんの『MJの4コマ』と『製麺機からうにょん』という2作品がぴったりというはなしだ。
 「概念の4コマ」は現代4コマを知る人なら誰しもが持っており、4コマを認識、あるいは生成するときに都度そのかたちを変える。これに関しては後日別のnoteにて詳解するが、概要は以下の通り。
 「概念の4コマ」の役割は「認識」と「生成」の2種に大別される。4コマを「認識」するとき、「概念の4コマ」はあたかもメガネのような役割をする。「生成」のときはまさに製麺機のように、イメージを4コマのかたちへと収斂して出力する。んぷとらさんの作品はこの考え方に合致するように感じる。


認識装置のメタファー、メガネ

認識装置としての「概念の4コマ」
「認識」の作用にはおのずから4コマを探す「探求(能動的観測)」と、不意に4コマを見つける「発見(受動的観測)」とがある。

生成装置のメタファー、製麺機

生成装置としての「概念の4コマ」

解散、おわりに

 店の近くの駅にて、3人ともお別れをする。たくさん意見交換できとても充実していた。別れたあと自分が外へ繋がる道を歩いていることに気づき、改札まで戻る。

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 インターネットで出会い、東大で「再会」する。そんな出来事が連続した1日でした。まずは現代4コマの同人誌の頒布を立案、企画いただいたほか、現代4コマ作家たちの集まる機会を作ってくださったきのじさんに厚く御礼申し上げます。
 そして今回お目にかかった皆さま、直接お話ができ大変幸甚でした。また何かの機会にお顔を拝見できればと思います。
 皆さんの感想も見たいのでよろしければぜひ書いてくださいね。にしても写真撮ってなさすぎるな……、というところでこの記事は終わりにしようと思います。ここまでおつきあいいただき、誠にありがとうございました。

安田講堂 側面

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