【 #現代4コマ 】シークヮーサーの「ヮ」は平和の「輪」
『シークヮーサーの4コマ』とは
『シークヮーサーの4コマ』はいとととが2022年に製作した作品。
記号的な表現
はじめに目に入るのは、甘酸っぱい柑橘の芳香を感じさせる深い緑のコマである。シークヮーサーはコマの形状に変形され、記号としてそこに存在している。
次に画像中のタイトル『シークヮーサー』だ。この符号により、本作がシークヮーサーを表象しているというという事実を提示する。
「ヮ」の役割
4コマ漫画の典型でいえば「転」にあたる部位が「ヮ」に置き換えられ、独特な旋律を奏でる。この調べは聴覚を通過したのち、嗅覚や味覚さえもを刺激し、目の前にシークヮーサーの4次元的な幻影を出現させる。
だが「ヮ」の本質はそこではない。「ヮ」は平和の「輪」なのである。平和の輪が広がることは、人類の多くが願う事柄のひとつであろう。
ここで「ヮ」は2つの視覚的特徴を提示している。それは「輪」が途切れていること、「輪」が小さいことである。「ヮ」をよく見てほしい。円環が切れているように感じられないだろうか? これは平和の輪がいまだ広がっていないことを皮肉にも暗示しているのだ。そして「ヮ」が「ワ」でない点も前述の説を強調している。
おわりに
シークヮーサーの「ヮ」は平和の「輪」であるが、その平和はまだ達成されていない。これが「。」になったとき、シークヮーサーは世界平和の象徴的存在になる。そして『シークヮーサーの4コマ』は『シーク。ーサーの4コマ』となり、ウロボロスに連想される不滅の4コマとなるだろう。
『シーク。ーサーの4コマ』はどんな味がするのだろうか。おそらく酸いも甘いも包含した、禁断の味がするのではないだろうか。
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