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まずは得意なコトからでいいじゃない|4つの仕事の「型」について

自分ができることは、あたり前のように他人もできると勘違いして仕事を押しつける先輩。
少し指摘されただけで、「あの人は私のことをわかってくれない」と文句をたれる後輩。

こういったすれ違いはよくある話ですが、そもそも仕事にはいくつかの「型」があるという前提を認識していないことが1つの原因だと思います。

人はそれぞれ得意な「型」の仕事と苦手な「型」の仕事がある。お互いの価値観や考えかたにズレを感じるとき、まずこの仕事の「型」を整理することで、こういったすれ違いを解決する助けになるよと。


で、その仕事の「型」とは何か。ぼくは仕事には大きくわけて4種類の「型」があると思っています。

1.0型の仕事:保守。マニュアル・ルールに従って誠実にこなすのが得意
1.n型の仕事:改善。自分なりのひと工夫を考えるのが好き
2.0型の仕事:改革。今まで誰もやってなかった未開拓領域も臆せず進める
2.0→1.0型の仕事:ミーハー。新しいもの好き

ひとつずつ見ていきましょう。

1.0型の仕事

スキ・キライは一旦置いておいて、人口分布としてはこれを得意とする人が一番多い印象。

マニュアルを読み込んで、ルール通りに仕事をこなす。期日までに請求書を送るとか、定期的にお知らせメールを配信するとか。

この1.0型の仕事がないと、会社はなりたたない。当然なくてはならない仕事です。ただし、この「型」の仕事は、ほかにもできる人がいるため目立たない。それに(こういう言いかたはよくないが)替えが効く。

でも、あとから補充しようとすると、1から教えるためのコストがかかるし、カルチャーフィットするのにもお互いに時間がかかる。

普段は目立たないのに、その人がいなくなったときに、いつも支えてくれていたありがたみを感じるアレ

マネージャーとしては、1.0型の仕事こそ見落としてはいけないし、ましてや、やってもらってあたり前なんて考えかたに陥らないように注意が必要だと思う。

1.n型の仕事

自分なりのひと工夫で現状を改善することが得意。面接をしていると、この「型」の仕事を得意だとか、好きだという人が続出する。

0から何かを創ることは苦手だけど、すでにあるものをよりよくするために頭を使うことは得意です、というアレ。

現状ありきで、クオリティをあげるとか、コストを削減したりする仕事。共感を得やすく、お客さんやチームメイトから感謝されやすい。

カイゼンを繰り返すことは非常に素晴らしいこと。進化はあたり前を疑うことから始まる。ただし、この現状をつくってくれた人がいることや、先人たちが積み上げてきたものに対しての感謝は忘れてはいけない

一歩間違えると、口を開けば文句をいう批評家になり嫌われる。

2.0型の仕事

イノベーター。これを得意とする人は、4種類のなかで一番少数派。

冒頭で「今まで誰もやってなかった未開拓領域も臆せず進める」と書いたが、「臆せず」というのは不適かもしれないな。

進むことは怖いけど、それでも「これはやらないといけない」という使命感のほうが勝って、結局周りからは開拓者のように見られる人もこの類だろう。

さておき、この「型」が、組織のカルチャーとか、業務のルールをつくる。会社からも評価されやすい。

ちなみにぼくは、2.0型が得意。チームのメンバーに聞いても満場一致だったのでたぶんそうなんだと思う。

希少種で、うらやましがられることも多い。「変わってる」がほめ言葉。ただ、共感されることは少なく、そのパフォーマンスは周囲の環境に依存することもしばしば。

2.0→1.0型の仕事

2.0型の人が創った仕事にオモシロを感じ、チームのカルチャーとして根付かせようと働きかけてくれる人。ただし、自分で0→1をするのは苦手。

この人がいるのといないとでは、新しい取り組みの成功確率がまったく異なる。これから何を変えようと思っている2.0型の人は、まずこの2.0→1.0型の人がどこにいるのかを探さないといけない。

いわゆる熱しやすく冷めやすいので、長期スパンで何かに取り組む場合には、2.0型や1.n型の人材を近くにおいておかないとモチベーションが持続しない

「いいやつなんだけど、ツメが甘い」

そういう評価を受けることがある人は、この「型」であることが多い。

得意な「型」は人それぞれ違う。

それで、誰しもこの4種類の仕事のうち、一番得意なメインの「型」の仕事が1つと、「たまにはこういう仕事も好きだよ」というサブの「型」の仕事を1つずつ持っていると思うんですよね。

ぼくの場合は、メインが2.0で、サブが1.n。

前例のある・なしなんてお構いなし。今これをやるべきだと思ったら、新しいものでも積極的に取り組む。自分としてはそれが1番面白いし、価値を感じる。

新しい評価制度をつくったり、新規事業を立ち上げたりとか、そういったことが好きで得意です。そして、たまには既存の仕事に対して改善のアプローチもできるよ、という感じ。

逆に誰かが2.0な仕事を提案してくれたときは、「それもいいと思うんだけど、自分だったらこうするなぁ」って思ったり、抜群によかったらそれはそれで、ちょっと悔しい思いを感じたりする。だから、2.0→1.0型ではない。

あと1.0の「型」の仕事は一番苦手。必要な仕事であることは間違いないし、チームのなかでは経験も豊富だから、正確にこなすのはできるんだけど、全然楽しくない。

でも、チームメンバーに聞いてみると、1.0の仕事が1番得意で、たまに1.nな仕事をやりたい人もいれば、1.nがメインで、2.0→1.0のミーハーな仕事も好きだよという人もいる。

ぼくは別にそれでいいじゃんて思うんですよね。

全員がすべての「型」が好きで、得意なんてありえないんだから

自己評価と他己評価が違っていることもあるので、チームメンバーで話し合ってみると、新しい発見があって面白いですよ。

まずは得意なコトからでいいじゃない

これまで仕事について話してきましたが、スポーツでも同じですよね。

ぼくは学生のころサッカー一筋でした。ポジションはボランチです。チームのシステムやメンバー構成によっては、センターバックをすることもあります。でも、サイドハーフやフォワード、それにキーパーでプレーしたことはありません。

それでいいじゃないですか。

ボランチならのボール奪取と全体を俯瞰してチームのスピードや勝負所をコントロールする力を伸ばしたらいい。なかには、オールラウンドな選手もいますが、1つのポジションで極めるという選択肢もアリですよね。

でもなんか、仕事だとあれもやれ、これもやれ、ってなりがちな気がする。

そらオールラウンダーのほうが使いやすいのかもしれないけれど、何でもできるんだったら、それこそわざわざ会社に所属しなくても、自分で事業興したらよくない?って思うし、苦手なことを補い合うためのチームなんじゃないの、って。

仕事には「型」があって、みんな得意な「型」が違う。だから、価値観や考えかたが違ってあたり前。

これを理解したうえで、まずは得意なコトからでいいじゃない。そう思います。


ゆーき。

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