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理想と現実を繋ぐもの

あっという間に新年度も一カ月が経過しました。
新しい空気にもなんとなく慣れてきて、新入社員の皆さんは新しい顔ぶれも見慣れてきたでしょうか。
今回のコラムは「働くこと」を考えていきたいと思います。

最近改めて”仕事”について意識を向けてみました。
一言で”仕事”いっても、星の数ほど仕事はあるので一概に語れないということを今更ながら実感していました。

「仕事」を考える

キャリアコンサルタントとして受ける相談の中心は「仕事」です。
私はまずその人にとっての「仕事の概念」を考えます。
その人自身が今どんな環境の中にいて、仕事が生活の中でどのくらいのウエイトがあって本人はそれをどう捉えているのか。

「仕事」自体も星の数ほどある上、人それぞれの「仕事の捉え方」もみんな当たり前ですが違うものです。
なんとなく同じ会社で働く人はみんな「仕事」を共通認識だと思い込んでしまいがちですが、一人ずつ丁寧に話を聞くとびっくりするほど同じ社内にいても見えている世界は違います。
仕事についてじっくり話を聞くということ自体が社員同士ではあまりないことなので、知る機会もないかもしれません。

仕事は仕事、家庭は家庭と割り切っているつもりでも、その人を形成してきた環境がその人の価値観を作っています。
人それぞれが当たり前だと思うことは、隣に座る席の同僚にとっては非常識であったりすることも当然あります。
言われればそうだよなと思うそんなことでも、普段は意識せずに自分の尺度で周りを判断してしまうのが現実ではないかと思います。

そんな人それぞれの仕事に対する認識の違いは、様々な場面で人間関係のトラブルを生んだり、いらないストレスを感じることになったりしてしまいます。

自分にとっての仕事の概念とは

「誰だって本当は働きたくなんかないよね。楽に稼げればそんな良いことはない」なんて言葉を耳にすることがあります。社会人のよくある雑談みたいに耳にするかもしれません。

就活生なら「ワークライフバランスを大事にきっちり残業なく休みが確保された働き方がしたいと企業の人事にいうと”働く意欲がない”と見なされかねない」なんてアドバイスを聞いたことありませんか。

そんな言葉が良いか悪いか、正しいか間違っているかという話ではありません。
どちらもその言葉にその人の「仕事」に対する捉え方が反映されているだけのことで良くも悪くも、もちろん正しいも間違っているもない話だからです。
どちらも割と多くの人がそう思う傾向があるかもというレベルであってそれを良いとするか悪いとするかは個人の判断でしかありません。
あなたはどう思いますか?

今あげた二つの例。
確かにそうだよねと思うのか、いやなんか違和感があると思うのか。
そんなところから少し自分が考えることを丁寧に整理してみるのも良いかもしれません。
うなづけるにしてもそうでないにしてもその理由や根拠を探ってみると自分の仕事に対する考え方が見えてくるかもしれません。

社会の変化と仕事の概念

仕事が人生の大半を占めることが当たり前だという時代がありました。
今も多くの人はそう思っているかもしれません。
今、ワークライフバランスという言葉が浸透してきているのは意図的なものなのかわかりませんが、その言葉をみんなが知るようになってきたのは、この社会変化の中でちょっとずつ個々の人の心にも変化をもたらしているからだと思います。
これから確実に仕事は減っていくだろうと世の中では言われているからです。

みんなが人生の大半を仕事に一途に生きるのが当たり前の世界ではもうなくなっているんだなと感じています。
「仕事に一途に生きる」それも今は一つの個人の選択肢でしかないように思います。それは私は良いことじゃないかとさえ思っています。
それもこの社会の中で私にもたらした価値観なのかもしれません。

みんなと一緒ではなく、あなた自身があなたらしい生き方をする。
”働き方も人それぞれ”ということが今の世界のより良い方向性として支持されているのも自然の流れに思えてきます。

自分にとっての「仕事」

人手不足が問題視されていますが、AIによる省人化だとか、無人化のシステムも台頭してきて人手不足の解消の一助と言われる反面、多くの人の働く場所を無くすとも言われています。
先ほどあげた「誰だって楽な仕事がいい」と言った例で、思い浮かぶ”楽な仕事”はAIに取って代わられる仕事かもしれません。

どんな仕事もそれぞれの大変さがあるものですが、仕事の捉え方は本当に千差万別です。
自分にとっては苦痛で仕方がない仕事が、別の人にとっては容易い仕事であることが普通にあります。
自分の尺度で判断してしまうと、
「自分ばかりがそんな役回り。みんなが嫌がる仕事は自分がやるしかない」ということになったりします。それを見ている同僚は「あの人は頑張り屋さんですごいです。いつも仕事をテキパキやっています。」なんて言ったりしていて、辛いご本人はそんなことを言われていることも知らなかったりします。

「仕事は忍耐」だと考える人もいます。人の考え方を変えることはなかなかできることではありません。
でも辛い時に手を差し伸べることはできるのではないかと思っています。
辛いのを耐え続ける時期が必要な時もあるかもしれないけれど、もう頑張らなくてもいい時かもしれません。

仕事と自分とこの世界

子育てとの両立の中での仕事、社会人になってとにかく覚えることで精一杯の仕事、もうすぐ定年を迎えることも念頭にある仕事、色々な状況の人の仕事があって社会になっています。

それぞれの時間軸で人との繋がりがあって、自分もその中にいます。
家族だけでなく会社の人も、仕事で付き合いがある人も、広く広く見ればすれ違う他人でさえ、自分の人生に影響を与えているし、自分も誰かの影響になっているとも言えます。

今、目の前にある世界の中で自分にできることに向き合うことしかできないというのも事実です。

働くこと、生きること、自分にとっての幸せとはどんなものか。
振り返ってみると意外とちゃんと考えたことがなかったりするので、それを考えてみて今の自分の世界が理想とどのくらいズレがあるのか、ズレをなくすことはできるものなのか考えてみるのも良いかもしれません。





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