4.冷蔵庫の電源を毎日切るなんて

 静音性が高いと売り場で聞き、これならと買い替えた三菱の冷蔵庫。夫は、「これまであった古い冷蔵庫とは比べものにならないくらい、ほんと静かだね」と言います。しかし私は、初期不良ではないかと思うほど大きな低い音が響いてきて苦しく我慢できず、修理サービスに来てもらいました。
 コンプレッサーの回転数によって冷蔵庫から聞こえる音が変わるということなので、その回転数を手元の機器で変えていきながら、「この音ですか」「これはどうですか」と、故障がないかチェックしていきます。7段階か9段階か忘れてしまいましたが、回転数を変えて一つ一つ確認していくなかで最後、私が苦しいと思っている最も低いドドドドドという音が聞こえてきました。「こ、これです、この音です!」と冷蔵庫を指さし、大きな声で答えました。
 ところが、修理サービスの男性も、夫も、「うーん、聞こえない」「何も聞こえない」。故障ではない。奥さんの耳がいいのでは、という話になり、

  • 冷蔵庫を手前に60センチほど出して向きも変えたらどうか。台所のすみにあると壁や天井に音が反響して大きくなるので。

  • それでもだめなら、違うタイプの冷蔵庫に変えることをおすすめします。

とアドバイスされました。
 
 私の耳のせい? 耳鼻咽喉科で診てもらいましたが、異常なし。購入した電気店にこの話をしたところ、同じ商品の交換ならできるとのことだったので、すがる思いで冷蔵庫を入れ替えてもらいましたが、数日様子を見ても、私にだけ低い大きな音が聞こえます。これが、冷蔵庫の低周波音でした。
 ショックでした。こんなことになるなら、前のほうがマシだった。古い冷蔵庫を処分して後悔しましたが、今さらどうしようもありません。
 冷蔵庫の場所も、毎日のように変えました。向きを変えたり、前に出して壁から離したり、食卓のそばまで移動させたり。少しでもラクになりたくて、大きな冷蔵庫に抱きつき日々もがきました。床にフェルトの防音マットを敷いても、ほとんど変化はありません。太いアース線に替えても、皮膚のビリビリは改善しません。

 買い替えた冷蔵庫の新たな苦しみは昼も夜も続き、とうとう私は、冷蔵庫のブレーカーを切るようになりました。夜に切り、朝に再び冷蔵庫のブレーカーを入れるのですが、氷もアイスも溶けています。日中も、体が苦しくなれば冷蔵庫の電源を切る暮らし。コンセントを抜いた冷蔵庫はもはや、しんとしたただの大きな箱です。生鮮食品は、その日使う分だけ買ってきておしまい。近所のスーパーが本当に我が家の冷蔵庫がわりになってしまいました。
 耳栓をして、24時間換気扇をとめて、電気は電池式のキャンドルに変えて。それでも深夜に起こされ眠れず、体もやせていきます。もう限界です。

重さ100kgを超える冷蔵庫を一人で何度もズリズリと動かしできた床の傷。苦しみのあとです。

 この冷蔵庫に買い替えてまだ1年経っていませんでしたが、あきらめて、別の冷蔵庫に買い替えました。詳しくはこちら→ 解決策3. 買い替えで、低周波音症候群の私が選んだ冷蔵庫


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?