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第1期コモンズプロジェクトキックオフ③生協(CO-OP)とコモンズ

コモンズプロジェクトの岡本克彦(オカポン)です。

コミュニティ運営のノウハウをコモンズ(共有財)にすることを目指した第1期コモンズプロジェクトがスタートしました。そのキックオフの様子を何回かに分けて紹介します。
(2022年1月26日開催)

  1. 趣旨説明

  2. コモンズとコモニング

  3. 話題提供「生協(CO-OP)とコモンズ」【今回のブログで紹介】

  4. 第1期コモンズプロジェクトで取り組みたいこと


コモンズを理解するにあたって、コモンズプロジェクトの運営メンバーでもある前田昌宏さんから生活協同組合(CO-OP)の事例を紹介してもらいました。

前田昌宏さん
2008年日本生活協同組合連合会に入協。様々な部署を経て2018年より組合員活動、翌年より全国の生協の地域との連携・協働を支援する地域・コミュニティ担当として勤務。プライベートでも災害ボランティア支援や障害者と健常者をつなぐコミュニティ運営などに関わる。

前田昌宏さん


生協(CO-OP)とは

宅配のサービスに注目が集まり気味ですが、生協とは「みんなのねがいを実現する」をコンセプトにし、みんなで出資し、みんなで運営し、みんなで利用する場とのこと。個々人の願いを叶えるだけでなく、社会課題の解決など、参加者全員が運営に関わりながら取り組み(事業)を決めているそうです。

生協は「生活協同組合」の略で、数ある「協同組合」の一つです。
消費者一人ひとりがお金(出資金)を出し合い組合員となり、協同で運営・利用する組織です。

日本生活協同組合連合会
生活協同組合とは

様々な生協があり、地域生協、職域生協、学校生協、大学生協、医療福祉生協、共済生協、都道府県生協連、事業連合などがあるそうです。
大学生協はお世話になった方も多いのではないでしょうか。

生協と株式会社の違い

生協は、消費者である生活の向上自体を目的とし、構成員である組合員は出資者であるのと同時に利用者であり、「一人一票」の原則に基づいて自ら運営に参加するそうです。
株式会社は事業に直接関わらない方も株主になることができて「一株一票」で支配されている点が、生協と株式会社の大きな違いと言えます。
株式の所有の多さに関係なく、一人ひとりが平等の立場で合意形成するのが生協の特徴ですね。

生協の歴史

生協は戦後の食糧難の中、生活者が協同して食料確保をし、安定した生活を目指したのが起点であり、1951年に日本生活協同組合連合会(CO-OP)が発足したそうです。
写真は1960年、共同購入班での荷下ろしや荷分けの様子です。まさに生活者主体による協同の姿が表現されています。

共同購入班での荷下ろし、荷分けの様子

上記の写真のような集合型の宅配は、1990年以降、高度経済成長と共に共働きが増えて「個配」に変化。共同体の活動が個人を中心としたサービスに変化してきた側面もあるとのこと。

可処分時間が減少してきている中、組合員が総会などの合意形成の場に参加しづらいという事実もあるのでICTを活用して時間や場所の制約を超えて参加できる機会を創出する動きも始まりつつあるようです。


前田昌宏さんの話を聞いて

前田さんによる生協の事例紹介を聞いた後、CRファクトリー 呉さんから感想を紹介。

①必要は接着剤
必要があるから人々が繋がれる。必要ないのに繋がろうとすると無理や疲弊が生じる。

②利己と利他のバランス
自分のためだけに生きるのはつまらない。誰かのために生きるのは楽しい。共同体やコミュニティは愛着のある関係性であり、愛着があるからこそ、そこに参画したくなる。

③コモンズはつくられたものでなく、みんなでつくるもの
コモンズを利用するのも大切だけど、関わる人たちで合意形成(コモニング)しながらつくりあげることに意味がある。

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