資本主義の限界と 共産主義について 50年以上前考えている人がいた
宗像で生まれた 出光佐三さん あの石油会社の出光の創始者です。
で、この本のすごいところは、1966年 56年も前
私が生まれる前に発行されていること。
実は今回読んで、「え?」と思いました。
今共感資本社会とか、日本の文化が見直されているとか、
色々みんなで話し合っていることが、なんとこんな前から書かれていたなんて!
タイトルは、「マルクスが日本に生まれていたら」
出光店主(普通の会社で言う社長) と社長室のメンバーとの質問回答というスタンスで進められている。
ここに出てくる資本主義
今でいうと金融資本主義で、出資できるお金を持っている人に利益のために会社があり、出資者・株主のために働くことになる。
つまり労働力やお金が搾取モデルの上で成り立っており、搾取される側は永遠に搾取され蓄財する方は常に蓄財することになる。
そこに異を唱えたのが、マルクスであり、社会主義・共産主義を説いた。
搾取されないためには、階級闘争が必要であり、その上で、人が時間・労力を提供することで対価を平等にもらうことを目指している。
しかし本でも述べられるように、人は矛盾をはらんでいる。休みたいこともあれば、怠けたいときもある。ロボットみたいにみんな均一で働けるのであれば、理想だが、そんなことにはならない。だから共産主義は破綻した。
しかしこの人が時間や労力を切り売りしたりすることを、 「モノの国」という例えを使っている。
西洋のモノの国の考え方は、対立・征服の歴史
国を広げ他国を征服し支配者と服従者の対立 使役者と労働者の対立
だからこそ、資本主義ができ、共産主義を生み出したと、
どこまでいっても、モノの国の人達は、対立から抜け出せない。
日本は、特に明治維新以前の日本は、
「ヒトの国」だったと
人間尊重で、対立軸ではない互譲互助、お互いの話し合いの中で導いていける。
世界の情勢を見ても、この対立が問題を長引かせていて、
対立で解決したとしても、さらに別の階級が生まれてしまう。
旧共産圏や、中国を見てもわかるだろう。
国のトップが権力をかざしきた歴史、次の権力者は前のトップを征服してきた歴史である「モノの国」
なぜなら、モノ(物質)やお金しか、信用できなくなってしまった。
信じていたものが次のトップになったら、崩れてしまうので。
それが日本のように国のトップが無防備に国民の平和と健康を祈ってきた国との差があるんじゃないかと。その歴史が数千年単位で続いている。
たしかに、幕府などの権力者は変わってきたが、トップは、その前から守られて変わっていない。
そんな歴史の中にいると、ものよりも、ヒトという話になるのだろうと。
対立のために、労働者は立ち上がり労働力を高く買ってもらう、管理するために規則や契約で縛る。
出光はそうではなかったらしい、出勤簿や、労働組合さえなかったと。
それ今から共感資本社会でみんなが考え、目指していけるのではと思っていることを
50年以上前の日本で実行していた人がいた。
それが福岡の出身だってことも嬉しい。
経済、宗教、道徳、歴史まで幅広く語っている本です。
文庫本なので、安くておすすめです。と言うか深いです!
550円!
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