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50代でも心理系大学院に入れるのか

 結論から言えば、私が合格したので「入れないことはありません」。

 しかしながら、私が問い合わせた通信講座予備校からは、
お年を召されるに伴い心理系大学院の入試のハードルが高くなることは事実です
と言われた。確かに年齢が上がれば、学生のように勉強だけできる環境にあるわけではなく、仕事や家庭などと両立しての受験勉強になる。
 さらに、国家資格である公認心理師の制度が2017年にできてから、「現役大学生の心理系大学院の人気が上がっており、倍率が上がっている」という情報を、ある大学院の相談会で教授から聞いた。実際私が受験したいくつかの大学院でも、50人くらいの受験生のうち、明らかに40代以上の社会人とおぼしき受験生は数えるほどしか見られず、ほとんどが20代前半だった。

倍率も難易度も上がった

 私が受験した2023年度の試験は、どこも過去問よりも難しかった気がする。過去問を解いている時はある程度できた学校でも苦心することが多かった。受験者数もどこも予想より多く倍率が厳しく感じた。今年度の倍率は春以降に明らかになると思うが、恐らくどの大学院も、昨年度までの受験者数よりも多く、倍率も高くなっているはずだ。

臨床心理士指定大学院の減少

 また、今後は臨床心理士の資格取得よりも公認心理師取得を推す大学院が増えていく可能性が高い。事実、昨年度あたりから臨床心理士の指定大学院(修了すれば臨床心理士受験資格が得られる)から外れる大学院が増えてきた。大学院側とすれば、限られた教授陣、限られた時間割、限られた実習先であるなら、今後増加が見込まれる、また人気が上がっている公認心理師向けにリソースを絞っていくことは自明である。

臨床心理士志望者の壁

 出身大学が心理学部でなくても、心理系大学院を卒業すれば臨床心理士の受験資格は取れる。しかし公認心理師は、大学の時点で心理学部で国が定める履修科目を取っていないと受験資格が得られない。したがって心理学部出身でない社会人は、公認心理師を目指す場合は、大学の心理学部に入り直すか、編入するしかない。大学に入り直して改めて4年間勉強、というのは社会人としてはあまり現実的でない。では編入で、ということになるが、それはまた選択肢が少なく、卒業も簡単ではない(編入については改めて)。なので、社会人は臨床心理士を目指すことになり、結果として指定大学院の倍率は厳しくなる。

動くなら早めに

 昨今「学び直し」「リスキリング」など大学院を目指す社会人は増えるだろう。またGルートで公認心理師資格を取得した現任者が、実習や心理査定などを含め臨床心理学をより深く学ぶために、心理系大学院を目指すケースも増えるであろう。
 上記の理由から、社会人にとって心理系大学院は難関になると思われる。もし臨床心理士を目指して心理系大学院を目指すなら、今すぐに動き出した方がよいです。できれば2024年度入学を目指して。


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