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仕事しながら心理系大学院は可能か(追記2024/05/12) 

※追記「心理系大学院は忙しい」「空いている時間に仕事は・・・」は一番下↓

 最初にこれに対する答えを言ってしまえば
「わかりません」。
 私自身がこれを書いている時点(2023年1月)で大学院入学前なので、前提となる院生活の状況が見えないこと、他の大学院ごとにより異なる事情やあなたの仕事の内容、実習先や履修科目など変動要因が多いからだ。
 なのでここでは、私がそれを確かめるために紆余曲折する中で、どのように情報を集めたかをお伝えしたい。


心理系大学院入学後の情報がない

 いざ心理系大学院を受験しようと思ってから、私がずっと気にしていたことは、

  • 仕事をしながら心理系大学院は通えるのか?

  • 授業は休んでも大丈夫なのか?

  • 授業や実習はどのくらいあるのか?

  • 仕事をしながら通っている院生はいるのか?

  • 夜間・土曜中心の大学院なら日中は時間はフリーか?

 私は個人事業主なので、仕事自体は毎日通勤する必要はない。だから受験勉強を始めた頃は、「たまに仕事と重なったら授業を休めば大丈夫だろう」くらいの軽い気持ちで考えていた。大学の時は、そもそも授業をまともに受けなくても単位が取れたりしていたんだから、一回や二回休むくらいは問題ないだろうと。
 ただ、勉強を進める上で志望校を決めるにあたり、本当にそれでも大丈夫か、次第に不安になってきた。そこで、これらのことを知ろうと、ネットやyoutube、アメブロを漁ったり、予備校の先生、他の専門の大学院卒業生などに聞いたりしていろいろ調べてみた。だが、「大学院」としての情報はあっても、「心理系大学院」については明確な情報は得られなかった。

 そこで、一番入学したいと思っている昼型の大学院に直接メールで「年に数日、仕事で休めるか」を問合せてみた。回答は想定していたが、
臨床心理学専攻のカリキュラムは原則として全ての授業の出席が必要ですそのため、病欠等やむを得ない事情を除き、欠席は原則許されません。
と返信いただいた。まあ学校側から「お仕事でしたらどうぞ休んでください」とは言うわけないよなあ、と思いつつ、これで昼型の心理系大学院は私の志望校から消えた。

社会人に優しい「夜間型大学院」?

 そこで私は、志望校を平日夜間や土曜中心に授業をやっている夜間型大学院にシフトすることにした。MBA取得のようなビジネス系大学院は、対象がほぼ社会人のため、平日夜間や土曜中心に授業が組まれているところが多い。しかし心理系大学院では非常に少ない。それは平日昼間の実習が必修であるからだ。

夜間型心理系大学院は、東京近郊ではほとんどない。
私の知る限りでは、
・武蔵野大学
・目白大学
・大正大学
・東洋英和女学院大学

では、社会人を対象にして夜間や土曜に授業が組まれているのか? 武蔵野大学のHPには、こう書かれている。

【昼夜開講制】社会人の勤務形態を考慮し、働きながらでも無理なく研究を継続できるよう昼夜開講制を導入しています。なお、臨床心理基礎実習や臨床心理実習、公認心理師受験資格に関わる科目、学外の実習や見学等を含む一部の科目では、昼間のみの開講となるため勤務形態により本コースの履修が困難な場合があります

 武蔵野大学のシラバスを見ると、この検索条件の「カリキュラム」のところで、「22人間学専攻(修士課程)臨床心理学」を入力すると、2022年度の履修科目の一覧が出てくる。

 科目の担当教授や曜日、何限目、前期後期などがわかる。これを見る限りでは一番早いのは2限目(10:40〜12:20 ※武蔵野大は100分授業!)で、遅いのは7限目(20:20~22:00)という感じ。18時以降の授業もある一方、平日午後にもたくさんある。

 これだと、日中仕事ができるかはかなり怪しい。しかも授業が22時に終了する日もある。私の場合、大学院のある有明から2時間近くかけて自宅に帰る日々は考えたくなかった。夜間系大学院の場合は、どこも授業の終了時間が22時近くになるので、自宅から1時間以内くらいの場所でないと、社会人にはかなりタイトになると思った方がいいだろう。

※追記:大正大学では、「よくある質問」の中で下記のように触れている。

 ・臨床心理学専攻は、社会人入試を導入し、夜間に授業を開講しているので、修学・修了は可能です。
 ・…少なくとも平日2日を大学院での学修に利用可能であることが入学条件になります。

https://www.tais.ac.jp/graduate_school/admission-graduate/faq/

※追記:目白大学では、HP内で下記のように触れている。

臨床心理学専攻は、学内実習・学外実習のため、1週間の内3日以上、平日の日中の時間を確保いただく必要があります。働きながら通学される方の実習先は、勤務体制を考慮して決めますが、1週間あたりの実習日数については、実習先の状況等により異なります。

https://www.mejiro.ac.jp/graduate/course/psy/c_psy/

男性でも入学できる女子大

 そこで私は自宅からの距離を考えて、都心にある夜間型の東洋英和女学院を志望校にした。ここは女子大であるが、大学院では男女募集している。こうした大学院はいくつかある(東京では、昭和女子大・大妻女子大・白百合女子大など)。

 上記大学院のHPを見ても、社会人らしき男性が映っているので「あ、男性でもいいんだ!」とわかる。また、下記は東洋英和の時間割(2021年度後期)だが、見てわかるように木曜以外は18時30分以降と土曜に授業が組まれている。

 これを見て私は、
「これなら木曜以外の昼間は仕事できるんじゃ!?」と期待が膨らんだ。そして東洋英和を第一志望にして、過去問等の分析に入った(「過去問分析」については別稿)。
 とは言え、実習もあるらしいし、授業の準備もあるだろうし、実際平日の日中はどれくらい時間ができるのかが気になっていた。

 東洋英和が7月頃に対面の相談会を実施した。しかもここでは院生に相談ができると聞き、「おぉ!ようやく院生から直接状況を聞ける!」と意気込んで申し込んだ。
しかし… (☟つづく)

追記(2024/05/12)
・心理系大学院は忙しい
入学前は「院生生活では空いている時間がどれくらいあるか?」という基準で考えていたが、そもそもその考え方が間違っていた、と修士2年になった今、痛感する。
ざっくり言うと修士1年(M1)は授業とレポート、それに公認心理師試験受験に必要な450時間実習した証のための“作業”に忙殺される。授業の空いている時間に、それらの打合せや作業時間が次々と割り当てられるので、平日(土曜含め)事前に予定を入れることはかなり難しい。授業がない夏の期間(7月下旬〜9月頭)は「夏休み」とは呼ばず、「夏期期間」という。この間にもいろいろな予定が組まれるので、帰省もままならないと嘆く院生もいた。アルバイトは週に半日程度できればいいほう。M2になると、授業がほぼなくなるが、その分、ケースや実習とそのレポートに追われることになり、間に修論の中間発表があり、国試の準備もある。学部上がりの院生は、さらにこれに公務員試験の準備と受験があり、並行して就活もある。

・「空いている時間に仕事」はオススメしない
ほぼ全員が社会人のMBAや、他の文系大学院は日中はそこまで時間を取られないようだが、心理系はそうではない。上記記事の東洋英和のような夜間系大学院でも、結局は日中にケースや実習が入り、授業のレポートも夜中に書けないから朝昼になるし、ケースの情報は外部に持ち出せないので、学校で遅くまでケース記録を書くことになる。別記事にあるように、私は昼の仕事を思い切って辞めたが、それは本当によかったと思っている。大学院に入る以上、仕事と勉強をそれぞれ中途半端にすることは意味がない。大学院は研究したい人達の集まりなので、それに没頭したい人だけが来るべきだ。社会人で心理系大学院を考えている方は一考されたい。

                     


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