感動的3Dプリントタイムラプスの撮り方 #2 【準備編】
(2020.8.16 更新:Amazonリンクの貼り直し、最後の動画を追加。)
今回は、3Dプリンター自身にシャッターを切らせる仕組みをつくる所までを説明していきます。
■カメラ関係の準備
#1で書いたように 、リモコンを使ってシャッターを切れるカメラとリモコンが必要ですのでこれらを用意します。
カメラは、一眼レフやミラーレス一眼、高級コンデジなら大抵外部リモコンが接続できるか無線リモコンが使えるはずで、画質や操作性の点でも一番おすすめです。
また、スマホのカメラですが、タイムラプスの撮影は長時間になることから、その間スマホが使えなくなり不便かと思います。専用に用意できるなら、ありかもしれません。
長時間撮影といえば、バッテリーの持ちも問題になってきます。ダミーのプリント時間の増加分も合わせると、本来のプリント時間×1.2倍ぐらいの時間は掛かるので、外部給電を使用する方がいいでしょう。
ということで私の場合は、ミラーレスカメラ のLUMIX G8で、有線リモコンと外部給電アダプターを使って撮影しました。リモコンは純正品は高いのでAmazonで互換品を購入しました。お手持ちのカメラで使用できるモコンを用意して下さい。
LUMIX G8対応のリモコン↓
LUMIX G8対応の外部給電アダプターセット↓
■3Dプリンターについて
今は3Dプリンターも選択肢が増え、Amazon等の通販で購入可能です。ピンキリありますが、あまり低価格(2万円以下)のものはヘッドを動かす力が弱くてリモコンを押せないかもしれませんし、造形のレベルが低く、「感動的な」タイムラプスを望むならおすすめできません。
3~5万円程度のものなら、そこそこのレベルが期待できます。
ただ注意点として、リモコンを付けることは改造となりメーカー保証の対象外になる可能性がありますので、自己責任でお願いします。
代表的なのはこんなやつです↓
ちなみに、私の使っているプリンターは「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S」です。
REPRAPと呼ばれるタイプのプリンターで、改造をしたりするのに向いています。完成品ではなく、キットを作りたかったことも選んだ理由です。
キットで約10万円と少し値は張りますが、このクラスなら性能は確かで、確実にキレイな造形が望めます。日本語のマニュアルが付いていますが、海外メーカーなのでサポートは基本的に英語です。
■リモコンを固定する
準備したリモコンを3Dプリンターに固定します。固定する場所は、ヘッドが端に移動した時に接近する所ですが、注意点があります。
3Dプリンターの積層する方式として、テーブル上下は固定でヘッドが上がっていくタイプと、ヘッド上下は固定でテーブルが下がっていくタイプがあります。
前者のタイプでは、リモコンをフレームに固定すると、ヘッドの上下移動に追従しません。ですので、フレームではなくヘッドと共に上下移動する部品に固定します。
取り付け場所の見当をつけたら、実際にダミー造形物をプリントしてみて、ヘッドがリモコンの近くに来るか確認します。と、サラッと書きましたが、これをするにはスライサーというソフトを使う必要があります。ここではスライサーが使える前提で話を進めますので、使えない人はこの機会に勉強して下さい(笑)。
で、スライサー画面上のできるだけ端の位置で、ヘッドがリモコンにできるだけ接近する位置にダミーを調整して配置します。ダミーをプリントする時にシャッターが切られるわけですから、ダミーは端にあったほうが画面に映らないという意味もあります。
ダミーの形状は、左右方向にヘッドを動かす場合は左右に長い形にします。ある程度の大きさがないと造形中にテーブルから剥がれてしまいます。
以上から、私はこんな形にしました。
そして、実際にプリントしてヘッドがリモコンのボタンをまっすぐに押せるよう、ダミーの位置やリモコンの位置を変えて調整します。このあとの工程で、ヘッドにリモコンを押すための棒を取り付けるので、今は、棒があると仮定して確認して下さい。
よければ、リモコンを固定します。
私の場合は、写真の赤い矢印の部分にしました。
わけあってリモコンに変な部品が付いていますが気にしないで下さい。
■ヘッドに棒を取り付ける
リモコンを押せるように、上で確認した時のヘッドとリモコンの距離を参考に、棒などを、ヘッドの平らな部分に取り付けます。できればネジ等、長さが変えられるものが調整が簡単にできていいです。工作好きの人はバネで伸縮する機構を作ってもいいでしょう。
バネを使わない場合、棒の先端にゴムやスポンジ等の力を吸収するものを付けます。これがないと、リモコンボタンを押した状態以上にヘッドが動くと、力が逃げずにプリンターやリモコンに負荷が掛かって、最悪壊れてしまいます。私はボルトとナットを使って、こんな感じで付けました。
取り付けたら、まず手でヘッドを動かして、リモコンのボタンを押してみましょう。他のどこにも当たらずにリモコンのボタンを押せることを確認して下さい。
それがOKなら、実際にダミーをプリントしてみて、リモコンのボタンを問題なく押せるか、無理な力が掛かっていないか確認しましょう。
下は私のプリンターでリモコンを押している動作の動画です。これは、のちに改良した時の動画で、ダミー造形物を使う方法ではありませんが、雰囲気は伝わると思います。
こちらの動画もわかりやすいです。
■リモコンの固定について
リモコンはボタンを押された時に動かないようにしっかり固定する必要があります。方法は接着剤、両面テープ、あるいは3Dプリンターでアタッチメントを作るのも手ですが、私は、取り付け位置の修正がしやすいホットボンドで固定しました。
余談ですが、私は工作が好きで、ホットボンド(グルーガンともいう)をよく使います。意外と色んな素材に使えますし、少し温めると簡単に外せるので便利です。裏を返せば熱がかかる所には使えないのですが。
上の写真でヘッドに部品を固定するのに、両面テープを使っています。最初はホットボンドを使っていたんですが、ヘッドが熱くなるので落ちてしまいました。
次回は、実際に3Dプリンターを動かしてタイムラプスを撮っていきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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