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企画職の仕事術 #1 『再現性を高めるアウトプット』

ここらでちょっと趣向を変えて、私が仕事を進めるうえで大事にしている思考プロセスを書き残してみようと思う。普段は人材開発や採用の仕事が中心だが、割と企画書をベースにプロジェクトを進めることが多い。もともとは当社のプロダクトデザインの思想から企画全般に応用しているスキームである。

かの有名な経営学者のピーター・ドラッカーは、ビジネスの目的は『顧客の創造』であると言っている。

まさにその通りだ。
顧客に対して価値を創出し、提供することで、対価が生まれ、ビジネスが成立する。それはどんな仕事でも共通することだ。

顧客に最適な価値提供をし続けるために、思いつきやノリではなく、再現性の高い仕事の仕方を意識していきたい。とつねづね思っている。

1)最適な企画デザインの必要要素

以下10点を順を追って整理していく。

①WHY そもそも何のため 
②GOAL 理想の状態・目標 
③TARGET ターゲットのペルソナ・インサイト
④CONDITION 前提条件
⑤ISSUE 課題・Fact 
⑥MARKET 外部環境理解・3C分析
⑦MEANS 手段・方向性
⑧SOLUTION 施策の詳細・実行プラン
⑨MERIT 期待効果・メリット
⑩Theme テーマ・タイトル

企画書に落としていく中で重要なことは、
問題が、すべてMECEに洗い出されていており、問題に対して、より具体的に解決策が明示されており、問題を解決するメリットがより具体的に明示されており、それがすべて整合性がとれていることである。

もう少し流れを説明すると、まず、あるべき姿を定義し、ゴールを定め、そのために何をするのかを考える必要がある。そのために、ターゲットを明確にし、課題を具体的な根拠・数字をもとに洗い出し、その原因を探る。

ターゲットを考える際に注意すべきことは、ハード(肩書、属性つまり年齢や性別)とソフト(インサイトつまり深層心理)の両側面を分析すること。そして、ニーズ(表層的な要望)ではなくウォンツ(深層心理の欲求)をつかむことが重要

解決策を考える際には、事実に基づかないただの「アイデア」になっていないか注意する。ターゲットの本当の根っこの課題が解決され、メリットが出せなければ、お金や時間をかけても成果は出ないし、たとえうまくいったとしても再現性がなくスケールしないからだ。

大事なことは、妥協しないこと。「なんとなくこんな感じでよさそう」で諦めない。こだわる!調べる! つねに「なぜ?」を考えること。

2)この思考ステップを踏むことのメリット

①ロジカルシンキング(論理的思考)が鍛えられる
②整理されることで相手に伝わりやすくなる
③仕事の生産性が上がる
④効果検証しやすくなる

いいことばかりだ。

ロジカルシンキングについては、死ぬほど書籍やフレームワークがあるが、結局のところ、つねにつながりで考えられるかどうかだ。点ではなく線、さらに面でとらえられ、全体像がすっきりと整理される。
この工程を踏み企画をアウトプットすることで、自分の頭の中もすっきりすると同時に説明もわかりやすくなる。いくら考えていても、優れた頭脳を持っていても、「伝える」だけではだめで、「伝わる(相手が理解する)」でないと意味がない。
伝わる内容にするために構造化することが大事なのだ。

頭の中がすっきりすると、自分の悩みも構造化できて、何をすべきかがクリアになってもやもやも減るのでおススメである。

3)意外と使える思考切替 Tips

ただ、内容を分解したり整理して書き続けていると、なんか同じこと言ってないか?こんな深掘りする必要あるんだっけ?あれ、結局何言いたいんだっけ?など道に迷うことがある。そういう時は、ロジックツリー、ピラミッドストラクチャー、水平思考、垂直思考なんかをまあ駆使するわけだが、意外と簡単にできるのが以下3つ。

①定義してみる。「〇〇とは、△△である。」 
いざ当たり前に使っている言葉を自分で定義をしようとすると、いろんな言葉が非常に抽象的であいまいなのに気づく。定義をすることによって、目的が明確になり、おのずと向かう方向に導きやすくなる。

②言葉を変換してみる。「言い換えると、裏を返せば、要するに」
別の言葉で言い換えてみたり、対比するものを考えることによって、 言葉の矛盾に気づいたり、より意味を持たせやすくなる。

③とにかく仮説を立てて考えをめぐらせてみる。 
仮にこうだとして、その場合は、、、 では別のパターンでは・・・ と、条件分岐しやすく思考が整理される。※例を挙げてみるのも効果的。 

あとは、ごちゃごちゃしてきたら、文章を書くのをやめて、絵(フローチャート)で可視化してみること。

おわり。


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