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夫婦生活で大切なことは?

夫婦で生活するうえで、大切なことを忘れてしまっていた。

僕はごく普通の会社員なので、18時から19時の間くらいに仕事から帰ることが多いんだけど、帰宅してから寝るまでの時間は本当にあっという間に過ぎ去っていく。
ごはんを食べて、息子とお風呂から上がると、「おぉ、もうこんな時間か」って時計に向かって毎日言っている気がする。
すかさずお風呂上りの牛乳を胃に流し込み、腕まくりをしてキッチンに立つ。洗い物が多いときは腕が重たく感じるけど、やらなきゃ終わんねぇなと自分に言い聞かせるのも毎日のことだ。

急ぐがあまり泡がスウェットに飛び散り、舌打ちを我慢しながら洗い物をしていると、妻が「ありがとね」と声をかけてくれた。
僕は「うぃ~」とか「はいよ~」とか軽めに答える。

シンクが空になるころには、洗濯機から「疲れたぜぇ~。あとはよろしく」ってクールダウンする感じの音が聞こえてくるので、腕まくりはそのまま脱衣所へと向かう。

ワンピースを手に取り、シワを伸ばしてハンガーにかける。ワイシャツをパンパン叩いてハンガーへ。息子の小さい服はそれ用の小さいハンガーに。
家族3人分の衣類でいっぱいだった洗濯機の底が見え始めると、微かな喜びというか、爽快感みたいなものを感じるんだなと、僕は最近知ったのだが、またそのあたりに妻が「ありがとう」と声をかけてくれる。
ミニチュアのような息子の靴下を洗濯ばさみに留めながら「うぃっすー」とか「あいさー」とか、これまた軽く答える。

そのあとは妻が息子を寝かしつけてくれている間に、リビングに散らかったおもちゃを片付けたり、テーブルを拭いたりと、家事の中でもわき役のものをこなしていくと、あっという間に寝る時間だ。
ひと息ついて、歯を磨けば、今日が終わる。

寝室にそーっと足を踏みいれると、寝息をたてる息子の横で、つかの間の自分時間を過ごしていた妻がスマホを消して僕に言った。

「私にもありがとうって言ってほしい」と。

なんというか、心臓に冷水をかけられたようだった。
自分のことしか見えていないことに、そのとき気づいた。
確かに、前までは「ありがとう」と言われれば「ありがとう」と返していた。僕の意識は、いつの間にか僕の中にしか向いていなかった。

僕が仕事をしているとき、妻はたくさんの家事をこなしている。せっかく作ったお昼ご飯を息子がぜんぜん食べてくれなかったり、機嫌が悪い息子をなだめたり、外に遊びに連れて行ってくれたことだろう。
僕の知らない妻と息子の時間を、まったく想像できていなかった。
僕はいつから「ありがとう」と言えなくなってしまったんだろう。

子どもが生まれ、やることが格段に増えた。その分、自由な時間が減った。周りの状況が目まぐるしく変化しているから、余裕がなくなるのも仕方ないし、それ以前と何も変わるな!と言う方が無理がある。
前まではこうだったと過去を引っ張り出してくること自体が間違いなのかもしれない。
でも、子どもが生まれても、夫婦であることに変わりはない。
「感謝を伝える」という夫婦生活において大切なことは、いつまでも変わることはない。

いまが一番たのしいと思えるように、感謝を忘れない。
そのために、自分のいない時間を想像すること。妻の言動に意識を向けること。そうすれば、感謝の言葉は自ずとあふれてくるだろう。

その日、いつぶりかわからない「ありがとう」を妻に伝えた。
妻はそのまま眠り、スマホの電源がつくことはなかった。



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