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内転筋-治療プロトコル①グローインエクササイズ-

こんにちは!!

理学療法士の小室です!!


今回は英語論文に関しての記事第4弾となります!!

今回は付録の2つめの治療になります!!

前回の記事と付録は以下のリンクからお願いします!!

それでは早速内容に触れていきましょう!!

【イントロ】

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このプロトコルは、急性内転筋損傷に関する研究に含まれる標準化された基準に基づいた治療プロトコルの説明です。


・セッションはスポーツ理学療法士によって指導。
・このプロトコルは、必要な器具を最小限に抑えるために開発。

・必要なのは、レジスタンスエラスティック、アジリティコーン、ボールのみで。
・プロトコルには2つの重要な部分があります。


①グローインエクササイズの進行

②ランニングとスポーツの進行性のプロトコル


・高いコンプライアンスを持つアスリート(週3以上のセッション)のために、プロトコルエクササイズを行わない日には、股関節以外のエクササイズを追加。

これらのエクササイズは標準化されたものではありませんが、一般的に後方の筋連鎖に焦点を当てたものです。これらのエクササイズはすべて内転筋痛を伴わず、行わなければならなかった。

・治療期間中は、超音波治療、レーザー、ドライニードリングは禁止。

・軟部組織の治療やマッサージは負傷部位には禁止されていたが、筋肉の緊張が高く運動パフォーマンスが制限されると考えられる場合には、それ以外の場所の施術は許可されていた。

・ 競技者が何らかの形の痛み止めを服用している場合は、リハビリテーションの段階が進むことは許されなかった。


【リハビリテーションフェイズ】

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グローインエクササイズプロトコルとランニング&スポーツ機能プロトコルは共に4つのフェイズ(段階)に分けられています。

それぞれのステージをクリアするためには、後述の基準を満たす必要があります。

2つのパートは独立して進行することが可能であり、例えばグローインエクササイズのプロトコルではフェーズ2、ランニングのプロトコルではフェーズ4、またはその逆も可能である。

両方のプロトコルの基準は、オンフィールド/オンコートのスポーツに特化したトレーニングを開始する前に完了する必要があります。


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原文の図を日本語に訳していくと、段階的な運動負荷を行っていることが理解できると思います!

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個人的にはグローインエクササイズ後⇒ランニング動作という一連の流れで介入をよく行っています!

ただ、Aspetarの論文では2つのパートは独立して進行していくとあり、このあたりの考え方は取り入れてみたいと思います!


【運動強度】

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✓痛みを制御した最大反復

レジスタンストレーニングにおける強度の標準化は、一般的に失敗するまでに行った反復回数における最大負荷のパーセンテージの推定値に依存しています。

これは繰り返し最大負荷(RM)として知られています。例としては、10RMに相当する1RMの75%が挙げられ、これは10回の連続した反復で行える最大負荷を表しています。

急性筋損傷のある患者では、通常、痛みによって損傷した筋肉を対象とするときに負荷の限界が設定されるため、実際のRMが低くなることはめったにありません。

したがって、予め定義された反復回数を設定することは、一般的に、より低い負荷および、または現在の能力よりも少ない反復回数でセットが実行されることになる。

そのため、アスリートには、0から10までの数値評価スケールで「痛みの限界を2」とし、その範囲内で繰り返し失敗するまでエクササイズを行うように指示しました。

痛みが1/10以下の場合⇒選手は負荷を増やすように指示

痛みが3/10以上⇒負荷を下げるように指示

2/10に対応する軽度の痛みを伴うエクササイズを可能な限り多くの繰り返しで実行するように選手を継続的に促しました。


これを疼痛管理された最大反復回数と呼んでいます。


✓Numerical pain rating scale(NRS)

ここでNRSという「痛みの評価」が出てきます!

選手や患者さんが抱えている痛みを的確に評価することは、必要な治療や有効な治療法の選択につながります!

痛みの診断と評価の詳細に関しては、以下の日本ペインクリニック学会のページを見てみてください!


それでは元の論文に戻ります!!

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原文の図を日本語に訳していくと、痛みに対する運動負荷の調節が理解できると思います!

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・NRSで0〜1⇒負荷増大

・NRSで2⇒運動の継続

・NRS3以上⇒負荷軽減

痛みと運動負荷を一般化できると、運動プロトコルもわかりやくなると感じます!!


【グローインエクササイズプロトコル】

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グローインプロトコルは前述の通り、フェイズが4つにわかれています!!

フェイズ1つずつ日本語に訳して整理していきましょう!!


✓フェイズ1:アクテイブフレキシビリティ

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原文の図を日本語に訳していくと、まずフェイズ1は「アクティブフレキシビリティ」のフェイズになります!

これは股関節の運動をオープンとクローズドで、自分で行っていきます!

進行基準としては、レストやウォーキング等での痛みが1/2以下であることが重要です!

グローインペインの選手では、歩行時の痛みや違和感が出てしまう場面もあるため、この進行基準は参考になると思います!

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✓フェイズ2:早い抵抗

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原文の図を日本語に訳していくと、フェイズ2は「早い抵抗」のフェイズになります!

特徴としては、弾性バンドを使用してエクササイズを行うことです!!

また、グローインエクササイズの収縮様式と時間まで詳細に記載されているのは素晴らしいと感じました!

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✓フェイズ3:負荷の進行

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原文の図を日本語に訳していくと、フェイズ3は「負荷の進行」になります!

特徴としては、20回×2セット⇒15回×3セットと負荷が進行しています!


また、内転筋への負荷として早い速度でダイナミックストレッチを行うことも特徴になります!

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✓フェイズ4:高負荷、早い速度

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原文の図を日本語に訳していくと、フェイズ4は「高負荷と速い速度」になります!

特徴としては、実際にキックエクササイズが加わっていくことです!


また、実際に様々な動作で臨床的に痛みがないか確認していきます!

自己申告での100%の「Tテスト」で痛みがないことは、実際に臨床で応用してみたいと思います!

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✓Tテスト

Tテストというのは、「アジリティ」を測定するテストになります!!

「加速」「減速」「シャッフル」

「切り返し(方向転換)」「後ろ向き走(バックペダル)」

と、アジリティ能力において大切な要素が詰まっています!!


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引用元:ストレッチポール公式ブログ


いかがでしたでしょうか?

付録2は記事が長いので、数回にわけてnote記事に起こしていく予定です!


痛みの評価であるNRSは、個人的に選手や患者さん自身によってまちまちな印象があります!

ただ本人や自分たち理学療法士やトレーナーが、痛みを共有するのには良いツールであると考えています!


あとは、痛みの問診での評価をしすぎることで、マイナスの面もあるのでないかと考えることもありますが、そのあたりの「痛み」に関することもどこかでまとめたいと考えています!!


皆さんの何かしらの参考になれば嬉しいです!!


【参考文献】


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