所変われば、価値は変わる。咲ける場所は、探しに行ける。
「頑張っているのに、誰からも評価されない。」
誰でも一度は、こんな思いをした経験があるのではないだろうか?
私は20代半ばまでずっと、こんな不満を抱えていたように思う。
自分では上出来だと思った作文も、絵も、吹奏楽部でのチューバ演奏や趣味のピアノも、人から褒められた記憶は無いし、
英会話教室に長年通っていたにも関わらず、高校では、英語ネイティブの先生に、クラス全員の前で発音を大笑いされる始末。
「人の意見は関係ない、自分が満足ならそれでいい。」という意見もあるけれど、私はそうは思わない。
なぜなら、
自分以外からのポジティブな評価が無いと、段々と自分の感覚を疑うようになってしまうから。
「自分の価値観は変なのかも…」
「私が正解だと思う物は、全て間違いなのかも…」
そんなマイナス思考で、自信をすっかりと無くしていた過去のわたし。
ところが、海外で生活をするうちに、凄く面白いことに気がついた。
それは、
価値は、周りの環境次第で変わる
ということ。
2012年の6月、南米のハープ「アルパ」を背負ってオーストラリアに来た。習い始めて5年ほど経った頃だと思う。
ビートボクサー/トレーナーとして大活躍をしている友人から、オーストラリアで路上パフォーマーをした時の経験談を聞いていたので、行くからには、絶対に挑戦したいと思っていた。
ちなみに日本での私のハープの実力はというと、コンクールに応募するも予選を通過出来ず、ご縁あって頂いたイベントやレストランでの演奏の機会も、緊張で最後まで弾き切るのが"やっと"だった。
日本には私が尊敬してやまない、素晴らしいハープ奏者が、ごまんといる。
オーストラリアではどうだろう?
私の演奏は、受け入れられるのだろうか?
試してみたかった。
ーーーー
さっそく登録フォーム、音源、登録費を送ると、2週間ほどで許可が降りた。
意気揚々としていたものの、いざ路上に繰り出すと、とても緊張してきた。人通りの多過ぎない場所をわざと選んで、こっそり楽器をケースから取り出す。
ライオンキング、アラジン、千と千尋の神隠し、
J-POP、クラッシックなど、何度も弾き慣れている曲を演奏してるうちに、50~60代くらいのカップルが声をかけてくれた。
「結婚式を明日に控えているのだけど、
ゲストを出迎える場面で演奏をしてくれないかな?」
という、驚きのオファーだった。
えーーーー!!
やりたいです!!
って、明日ーーー!?!?
さすが海外。
予想外のことが起きる。。。笑
演奏料の相場も分からず、衣装も無く、車も無い状態だったけど、ハウスメイトのChrisの協力もあり、なんとか海外で初めての演奏体験が出来た。
↑優しい太陽の光の下で、緑に囲まれて行われた結婚式は、とっても素敵。
その後も、路上演奏がきっかけで、
・レストラン、カフェでの演奏
・ビジネスパーティーで演奏
・ロシア人シンガーソングライターとのコラボ演奏
・WCOPA(Hollywoodで開催されるパフォーマーの大会)の予選通過
など、
本当に素敵な経験をさせて頂いた。
ただ、正直に言って、
私の技術が短期間で大幅に上がったわけでも、実は内に凄いものを秘めていた訳でも、なんでもない。私は、ただ楽器を弾くのが大好きで、気が向けば何時間でも弾き続けていられるだけの、素人。
それでも、存在が希少な場所では、実力以上の価値を感じて貰える。それが真理なんだなと、改めて感じた。
置かれた場所で咲かせると決め、工夫し続けるのも、一つの手。
自分が咲ける(輝ける)場所を探しに出掛けるのも、一つの手。
ところどころ、切り替えながら進むことが、実りの多い人生に繋がっていくんじゃないか、と私は思う。
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