本の着こなし
私の傍には常に本があります。
家ではもちろんのこと、仕事に行く時も。
通勤電車は、私の読書ルームです。
そんな私と本の必需品がブックカバー。
外に持ち歩くことが多い大切な本を、汚れや痛みから守ってくれます。
そして、本を読む気分をグイッと上げてくれるのです。
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ブックカバーを使い始めたのは高校生の頃。
それは自分を守るためのものでした。
私は子どもの頃から本が大好きで、
家の近くにある区の図書館に通い詰めていました。
やがて、中学生になったら区の図書館では飽き足らず、
自転車で片道30分以上をかけて、東大阪市荒本にある大阪府立中央図書館に。
一生かけても読みきれない数の本に囲まれて幸せでした。
ところが、高校生になって突然やってきたのが“潔癖症”。
見知らぬ誰かが触れたものへの嫌悪感がひどくなり、
電車の吊り革やドアノブ、
そして図書館の本も避けるようになったのです。
それでも本だけは何とか読みたい。
そこで私は、図書館で借りてきた本にブックカバーをすることにしました。
そんな“やむをえず”使い始めたブックカバーも、大人になるにつれ、ファッション的に楽しむようになりました。
私の机の引き出しには、常に20種類の近くのブックカバーが出番を待っています。
文庫本、新書本、単行本などサイズもそれぞれ。
そこから、季節やその時の気分、本の雰囲気に合わせて着せ替えます。
本屋さんのレジでは書店員さんが
「ブックカバーはどうされますか?」と聞いてくださいます。
私はそれを丁重にお断りしつつ、
頭の中ではすでに、
この本に似合うブックカバーはどれかな?とコーディネートが始まっています。
まず重視するのは季節感。
夏にはサラッとリネン製、
冬はほんのり暖かく手触りの良いものを。
つづいて機能性。
本を手に取るたびにカバーが脱げちゃうようでは、安心して読書が楽しめません。
特に薄い本には、折り返した“そで”の部分が袋状になっているものを。
本がカバーにピシッとはまれば気持ち良いものです。
そしてデザイン
大好きな装丁を隠してしまう代わりに、イラストやデザインが入ったものを選ぶと、見た目にも楽しめます。
最後に本の雰囲気と、その時の気分
心温まるエッセイなどには手仕事を感じるものを
刺激的にストーリーが展開する小説には飾り気のないクールなカバーを。
本を手触りでも楽しみます。
ちなみに、栞もかなり…
本を読むより着飾ることに熱心になってはいけませんね。
私の本の楽しみ方でした。
次は何を読もっかな。